高原を駆け抜ける歴史的名車たち ~第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016~

2016.5.21~22

今年でもう15回目を迎えるヒストリックカーのタイムラリー「ジーロ・デ・軽井沢」。
今年の参加車は1930年製作のRALLY ABCから一番新しいものでは1973年のDINO 246GTまで。
現代の自動車には無い、個性的で魅力にあふれた車たちが春風の中、350㎞の高原のコースを疾走する。
全国のエンスー(カーマニア)たち注目のイベントである。

好天に恵まれた軽井沢往年の名車も上機嫌に

第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016

高原を駆け抜ける1955年のJAGUAR XK140 DHC
流麗なボディラインが美しい。

1930年製のRALLY ABC もう90年近く経っているモデルとは信じられない美観だ。

1972年~1973年製 DINO 246GT アニメで始まったスーパーカーブームの主役。

15年の歴史を持つこの大会、今回は他の大きなイベントとの兼ね合いで、例年よりもやや小規模になったものの、上天気に恵まれ、特にオープンタイプのヒストリックカーにとってはまさに絶好のコンディションになりました。会場となった中軽井沢のサァラ軽井沢ホテルの駐車場にはオーナーだけでなく、熱心なファンも見学に訪れ、写真を撮り、オーナーたちと車談義に花を咲かせていました。初日のコースは軽井沢から御代田町〜東御市〜上田市〜嬬恋村〜高山村〜須坂市〜小諸市を巡り軽井沢にまた戻って来る260㎞に及ぶロングドライブ。スタート地点となったエルツおもちゃ博物館にも旧車ファンと思われる多くの方々が見学に訪れ、普段は見ることのない名車たちに興味深々。40年〜80年以上もの年代の車のそのコンディションの良さと美しさに、多くの人が驚嘆と賞賛の声を上げていました。

第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016

ブリティッシュグリーンに輝く1957年MG A

軽井沢の街中を走る1964年製のVOLVO 122 S アマゾンは注目の的。

アニメの世界から抜け出してきたようなキュートな1959年製のAUSTIN A35

名車の疾走する姿に沿道の人々も注目

第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016

天候に恵まれた本大会。二日目スタート地点となった本年新たにオープンした町営の直売所、軽井沢発地市庭。浅間山もくっきり見え、見学者もどんどん増えてきた。

第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016

参加者の注目を集めていた紫色のDINO246 GT 日本車では見られない独特の塗装。

見学者の一番人気のMG TC 当時のスポーツカーらしいフロントデザイン。 

現代の車とは大きく異なるRALLYのコクピット。戦前のフランスで生まれた名車だ。

スタートのトップを務めるのは御年86歳のRALLY ABC。戦前のフランスで流行したスポーツカーであり、元気に山道を走り抜ける姿は感動的。後には英国で大戦後、最初に販売されたスポーツカーとして人気を博していた1948年製のMG TCが続きます。そのエレガントなボディラインはヒストリックカーならでは。他にも往年のジャガーの持っていた芸術的な曲線美を保っている1955年製のJAGUAR XK140 DHC 、まるでアニメの世界からそのまま抜け出てきたような可愛らしい姿の1959年製のAUSTIN A35など魅力的な車が多数参加していました。筆者は学生時代に憧れていて数十年ぶりに姿を見た1971年製のVOLVO P1800E 、20代の時に乗っていたAMAZONの姿も見られて大満足。
旧車の魅力を改めて見直すことのできた素晴らしいイベントでした。興味のある方はぜひ来年の大会でその魅力に触れてみていただきたいと思います。

第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016第15回 ジーロ・デ・軽井沢 2016

美しい曲線美を持つ1956年製のPORSCHE 356A SPEEDSTER

先頭に並ぶのはキュートな顔立ちと曲線が特徴的な1958年製のTRIUMPTH TR3

独特のフィンテールの曲線美が魅力的な1971年製のVOLVO P1800 Eはカロッツェリアデザイン