Cambodia 躍動する国、カンボジアへ

世界文化遺産アンコール遺跡群へ

荘厳なる栄華の跡

アンコールワット
俯瞰して見ると、アンコールワットがジャングルの中に忽然と姿を現したのかがわかる。

世界文化遺産アンコール遺跡群は、9世紀から約600年にわたり、この地を支配していたクメール王朝の都の跡。広大な敷地には数多の遺跡が点在し、その代表格であるアンコールワットはあまりにも有名だ。幾世紀もの間、インドシナの深い密林に埋もれ、忘却の彼方に眠り続けてきたが、19世紀中頃、フランスの探検家アンリ・ムオによって発見されると、その巨大な石造寺院は一躍脚光を浴びることになった。
アクセスはシェムリアップの中心部から車で15分ほど。熱帯林のなかの一本道の先、緩やかなカーブを曲がると、アンコールワットとの出会いは突然やってくる。視界が急に開けたかと思うと、水鏡に映る壮大な伽藍が姿を現すのだ。欄干に姿を変えた蛇神ナーガが見守る西参道を一直線に歩くと、威厳を持って佇む高塔建築が徐々に目の前に迫ってくる。かつてフランスの探検家がそうだったように、その圧倒的な存在感に思わず息を飲んでしまう。
クメール王朝が全盛を迎えた12世紀、時の国王スールヤヴァルマン2世によって建立されたヒンドゥー教の寺院は、高さ65m に及ぶ主塔を頂上に、5 基の尖塔が天に向かってそびえ立つ。寺院内は3重の回廊に囲まれ、壁面には神話や女神を描いた浮き彫りが施される。どこを切り取っても博物館にある作品を鑑賞しているようで、見どころが尽きることはない。
興味深いのはアンコール遺跡群の寺院はみな東側が正面になるのに対し、アンコールワットだけが西側を正面にするということ。これはアンコールワットが王廟としての役割も担っていたことが背景とされる。そのため、刻一刻と表情を変える大伽藍が夕刻を迎える頃、西陽を受けて茜色に染まる様子は何とも美しい。

クメールの微笑に出会うクメールの微笑に出会う

アンコールワット内で見つけた、ひと気のない穏やかなシーン。かつてクメール人はこういった静かな光景を眺め、何を思ったのだろうか。

壁中に施されている浮き彫り。高い位置にある程、描かれた女性の姿は細密になるという。

クメールの微笑に出会う

アンコールワットの北、巨木の並木が続く道の先にあるアンコールトムもまた、世界遺産アンコール遺跡
群を代表する遺跡の一つ。12世紀末~13世紀はじめにかけて、仏教に帰依したジャヤヴァルマン7世によっ
て造営された宗教都城である
1辺が3㎞にも及ぶ方形の地は、四方をクメールの宇宙観に基づき、「宇宙を取り囲む霊峰」と見なされた城壁に囲まれる。この城壁に5つある城門のうち、ひときわ強烈な印象を受けるのが南門だ。外濠を渡る石橋の先に構えるこの城門は、門上に3mもの大きさからなる観世音菩薩の四面仏を掲げ、訪れる人を神秘的な世界へと迎え入れてくれる。
城門から延びる参道と参道の対角線上に目を向けると、黒い岩山のような建造物を微かに望む。アンコールトムのなかで最高傑作と称えられるこのバイヨン寺院は、「クメールの微笑」を浮かべた観世音菩薩の四面仏で知られる。塔の頂を飾る49基の巨大な仏の尊顔は微笑ましくもあり、こうした仏面塔の建築様式は世界を見渡しても他に類例は見当たらないそうだ。
ロンドンやバンコクに「メトロポリタン」などのスタイリッシュなデザインホテルを展開するコモ・ホテルズ・アンド・リゾーツが、バリ島のウブドゥに開いた「ウマ・ウブドゥ」に続いて展開したのがコモ ウマ・パロである。それはブータン王国の伝統的な建築とモダンな雰囲気を調和させ、周囲の環境に溶け込むように建てられている。
シェムリアップ周辺には主要なものだけでも62もの遺跡が残るという。アンコールワットやアンコールトムの他にも、発見された当時のままの姿を残し、ガジュマルの樹々に覆い尽くされたタ・プローム寺院など個性も様々。バラエティに富む世界文化遺産アンコール遺跡群の魅力を通じ、神話のようなクメール王朝の栄華の世界を体感したい。

クメールの微笑に出会うクメールの微笑に出会う

バイヨン寺院には173 の仏面が現存。その表情や顔立ちはそれぞれに異なる。

ガジュマルの樹に包みこまれるタ・プローム寺院。熱帯林の生命力に驚かされる。

親日国家としてのカンボジア

ワット・プノン
プノンペンを代表する寺院の一つ。ワット・プノンとはクメール語で「丘の寺」を意味し、その名の通り、市街の小高い丘の上に佇む。14世紀にペン夫人という貴婦人が4体の仏像が川で流れているのを見つけ、これを祀るために建立されたと言い伝えられる。以後、「プノンペン=ペン夫人の丘」として崇められるようになり、いつしか、現在のプノンペンという地名の由来となったとされる。

カンボジアとの深い絆

ロシアンマーケット
地元の言葉で「トゥール・トン・ボォン」と呼ばれるプノンペンの市場。カンボジア雑貨やアンティーク、生鮮食品など、ありとあらゆる物で溢れ、観光客だけではなく現地の人も多く集まり、常に人が絶えない賑やかな場所。周辺は欧米人居住者が多いことから、居住者向けのお洒落なレストランやカフェが多いことでも知られる。

世界遺産アンコール遺跡群は、カンボジアの観光地の代名詞。同国観光庁によると2020年までに年間400万人もの観光客の誘致を目指しているという。この世界的な観光地の修復に、日本が寄与をしてきたことをご存知だろうか。崩壊の危機に瀕していたアンコールワットを修復するため、1994年に「日本政府アンコール遺跡救済チーム」が結成され、アンコールワットの修復・保存活動に取り組んできたのである。
もちろん、これは日本とカンボジアの交流の一例に過ぎない。1980年代末よりカンボジア和平に主導的な役割を果たしてきた日本は、1992年以降、カンボジアに対して大規模なODA(政府開発援助)を行う。戦後復興に始まり、経済インフラや農業、上下水道インフラ、保健、教育、ガバナンスと多岐にわたって積極的に関与し、発展に貢献してきたのだ。
特に首都プノンペンに建設したキズナ橋は特別な存在だ。これは日本の無償資金協力によってメコン川に架設された橋で、東西に分断されていた国道7号を結び、農業の盛んな東北地方と首都までの交通事情を大きく改善した。現在でも“絆”という日本語をそのまま使って「キズナ橋」と親しみを込めて呼ばれ、カンボジア紙幣の500リエル札にも印刷されるなど、両国の良好な関係の象徴となっている。
こうした背景もあり、カンボジアはアジアのなかでも親日な国と言われ、2011年の東日本大震災の際の支援活動では特に両国の良好な関係を色濃く印象付けることに。また2011年以降、さらにその結びつきは強くなる。ODA関連企業だけでなく、電子機器、自動車部品、縫製などの輸出加工企業や小売業大手、ホテル、メガバンクもカンボジアに進出。2010年末時点でのカンボジア日本人商工会会員企業数は45社だったのが、2015年末には167社と激増。それに伴い在カンボジア邦人数も年20%増加しているという。
中国や韓国に比べると、日本からの投資額やカンボジアへの入国者数はまだ低いのが現状だ。ただ、昨年9月より成田― プノンペン直行便が就航し、ビジネスの目的はもとより、カンボジアの主要産業である観光においても日本人客の増加が大いに期待されている。また、カンボジア国内では日本語を学べる環境が増えているなど、日本をより良く知る機会が増加している点も見逃せない。経済的な結びつきはもちろん、文化的、人的交流がこれからも広がり、両国の絆はより強くなっていくことが期待されているのである。

トンレサップ湖トンレサップ湖

シェムリアップでは東南アジア最大の湖、トンレサップ湖への日帰りツアーも人気だ。トンレサップ湖では約100万人もの人々が水上で暮らしているとされ、漁業に支えられている現地の人々の生活を垣間見れる。高床式の住居での生活や小舟で行商をする人々など、昔から変わらない現地の暮らしをクルーズ船に乗って見学したい。

人材育成を通した国づくりへの貢献

人に魅了されてカンボジアへ

浦田 一哉さん
カンボジアに出張の際に定宿として贔屓にするiRoHa Garden Hotel & Resortにて、カンボジア人のスタッフと談笑する浦田さん。
一般的にカンボジアは中国や韓国との関係が親密だと言われ、カンボジアへの進出に二の足を踏む日系企業が多いとされるが、実際に何度も足を運んで浦田さんが感じるのは、「現地の紙幣に日本の国旗が載るほど、みな親日的です」とのこと。

千葉県浦安市で総合建設業を営む浦田一哉さん。企業経営者として多忙な日々を送りながら、地元のサッカークラブチーム「ブリオベッカ浦安(JFL所属)」の後援会会長なども務め、住民みながワクワクできるような住みよい街づくりにも奔走する。そんな地元浦安密着の人物が今、注目しているのがカンボジアという国である。
アクセスはシェムリアップの中心部から車で15分ほど。熱帯林のなかの一本道の先、緩やかなカーブを曲がると、アンコールワットとの出会いは突然やってくる。視界が急に開けたかと思うと、水鏡に映る壮大な伽藍が姿を現すのだ。欄干に姿を変えた蛇神ナーガが見守る西参道を一直線に歩くと、威厳を持って佇む高塔建築が徐々に目の前に迫ってくる。かつてフランスの探検家がそうだったように、その圧倒的な存在感に思わず息を飲んでしまう。
浦田さんがカンボジアに魅了されたきっかけは、「偶然」という言葉が相応しいのかもしれない。日本青年会議所の国際グループ会務担当の常任理事を務めていた2012年、国際青年会議所カンボジアが設立された際に、担当者としてお祝いのためにカンボジアの地に赴いた。その時の印象を「おもしろいぞ、この国は」と強く感じたと振り返る。
何よりも魅せられたのはカンボジアの「人」だと言う。「とにかくみな若い。カンボジアで全人口に占める若者の割合が著しく高いのは、悲しい歴史が関係している訳ですが、それにもかかわらず生き生きとして、何かをやろう!という意志が漲っていた」と浦田さん。その背景には「人はいつ死ぬか分からないから、今を一生懸命に生きようという考えがあるのでは」と指摘する。そのためか、日本人が考えるビジネススパンとは距離感が全く異なり、ビジネススピードも速い。「我々もカンボジアに来て学ばなければいけないことがたくさんある」とも感じたそうだ。
カンボジアの人に魅了された浦田さんは、その可能性にかけて2015年3月に現地に進出。パートナーに首相補佐官を経験した人物を迎え入れ、現地法人として合弁会社を設立する。この会社の目的は建築における施工技術者の育成を図ること。技術の継承を目指しながら、来るべきカンボジアでの建築需要に応えることを見据えての展開でもあった。
「この国の人たちは余りにも知らないことが多すぎる。これまでのように井戸を掘ってあげるだけではなく、自ら掘り、維持できるノウハウを伝える。つまりカンボジアが次のステップに進むためには、人材育成こそが必要だと考えたのです」。
長期的な視点に立った使命として、「カンボジア人によるカンボジアの国づくりの実現」の一助に少しでもなれたら幸せだと浦田さんは言う。そのためにすべきことを尋ねると、「一企業として、まず、カンボジアでの建設受注を広げ利益を出しながら、人材育成を通じた日本の建築技術の普及を積み重ねることが大切」との答え。そして近い将来、「教育省のライセンスを取得して、建築のための技術学校をカンボジアに開校したい」と夢を語ってくれた。
安の街づくりにボランティアで尽力する人物が、異国の地での国づくりを民間の立場から支えようと切磋琢磨する。そんな浦田さんの姿を見ていると、5年前に偶然、カンボジアという国に魅了されたのは、「必然」だったと思えてならない。

浦田一哉 urata kazuya

浦田一哉 urata kazuya

株式会社ウラタ代表取締役社長。
大学卒業後、総合建設会社である株式会社フジタに入社後、株式会社ウラタに移り、2004年に同社代表取締役社長に就任。現在に至る。浦安青年会議所理事長、日本青年会議所 国際グループ会務担当常任理事、同副会頭などを歴任し、社会貢献に積極的に参加。また、ブリオベッカ浦安後援会会長、一般社団法人日本サッカー名蹴会顧問なども務め、地元浦安の発展にも寄与する。

URATA S.E(. CAMBODIA)Co., Ltd.
The iCON Professional Building Office Number #28-E6 on the 6 floor, St. #216 Norodom Blvd., Tonle Bassac, Chamkarmorn, Phnom Penh, Combodia
TEL +855-77-275790

友人関係を築けるホテルづくりを

ホスピタリティの心と共に

黒田 進さん 鶴崎 英恵さん

いつも笑顔が絶えない黒田さんと鶴崎さんご夫妻。

iRoHa Garden Hotel & Resort を支えるスタッフのみなさん。

iRoHa Garden Hotel & Resort を支えるスタッフのみなさん。

東南アジア特有の喧騒に包まれるプノンペンにあって、そこだけがゆっくりと時が流れるような閑静な邸宅街。その一角にイロハ ガーデン ホテル&リゾートは佇む。オーナーは大手電機メーカーに勤めていた日本人ご夫妻。紆余曲折ありながらも2014年6月1日、黒田進さんと鶴崎英恵さんのお二人は、念願だったホテルの開業日を迎えることができた。
ご夫婦がプノンペンという地を最終的に選んだのは、カンボジア人の国民性が決め手となった。ほかにヤンゴンやヴィエンチャン、マニラを候補地に挙げていたが、黒田さんは「プノンペンの空港に着いた瞬間、歓迎されている気がしたんです」と、カンボジア人のマイルドな気質が醸した雰囲気に心を決めたと胸の内を語る。ただ、その時に下した決断に、現在まったくの後悔はないとも言う。
元々、お二人とも旅が大好き。企業勤めしていた頃からまとまった休暇を取ってはバックパックを担ぎ、これまで世界40ヵ国ほど訪ね歩いてきた。
「我々はバックパッカーでしたがドミトリーから高級リゾートまで様々なホテルでの宿泊を体験してきました。そこで培われてきた顧客視点は、ホテルを運営する上で生かされています」と黒田さん。と言うのは、ご夫妻にとって滞在するホテルのオーナーやスタッフと会話をすることは旅の楽しみの一つだった。その経験が深く印象に残っていたこともあり、オーナーとして黒田さんはすべてのゲストとお話しすることを自身のポリシーとするに至ったのである。
「良いサービスには『ありがとう』というリアクションがあります。でも目指すところはそれだけではありません。笑顔が素敵なカンボジア人のスタッフと共に、心のこもったホスピタリティで接すること。つまり、ゲストと語らい合い、友人のような関係を築けるホテルを目指しています」。
お二人は常々、カンボジア人にはホスピタリティの心が自然に備わっていると感じると言う。「10回失敗をしたとしても、1回で帳消しにできるその笑顔などは、日本人にはなかなか持てるものではない」と。逆に言えば作り笑いなどはできないから、自分たちの役割として彼らの良さが出る環境を常に用意しておくことが大切だと考える。同時に、実務的なマネージング能力の育成などにも注力し、「教えた分だけ跳ね返ってくるからこちらも楽しいし、人を育てることが最近の生きがいにもなってきている」とお二人は笑顔で口を揃える。
一緒に働くカンボジア人スタッフに対するオーナー夫婦の温かな眼差し。ゲストから愛されるイロハガーデンのおもてなしの原点を見つけた気がする。

黒田進 kuroda susumu

黒田 進さん 鶴崎 英恵さん

ソニー株式会社でのIT 技術者としての勤務を経て、2014年6月、奥様である鶴崎さんと共にiRoHa Garden Hotel & Resort をオープン。ホテルではクリエイティブやゲストリレーションを担当する。
大阪府出身。

鶴崎英恵 tsurusaki hanae

富士通株式会社を経てカンボジアへ。ホテルでは旦那様の黒田さんと共にオーナーを務めるほか、フィナンシャル分野を担当する。長崎県出身。

iRoHa Garden Hotel & Resort
No.8, St.73, Sangkat Tonle Bassac, Khan Chamkarmorn, Phnom Penh, Combodia
TEL +855-011-775-752
HP www.irohagarden.com

現地産物のポテンシャルに魅せられて

カンボジアで初のラム酒づくり

アントニオ・ロペスさん
世界から集めた樽を前に、エイジングの具合を確かめるアントニオさん。

「良質なサトウキビがカンボジアにはたくさんあることを知ってショックを受けた。もっとショックだったのは、誰もが羨むような条件が揃うにもかかわらず、誰もラム酒をつくっていなかったこと。だったら自分たちがやらない手はないよね」。
そう一気に話したかと思うと、グラスに注いだラム酒を照明にかざし、何かを確かめるかのようにその黄金色の液体を喉に流し込む――。アントニオ・ロペスさんは、今、プノンペンで密かに話題となっているラム蒸留所の共同経営者だ。毎週木曜日だけ蒸留所はバーとして一般に開放され、この夜ばかりは普段は静かな蒸留所が異様な熱気に包まれる。
出身は南米のベネズエラ。以前はシンガポールでレストラやバーを経営していた。カンボジアに移ってからは6年が経ち、プノンペンに自身が手がけたバーも持つ。
ラム酒づくりを始めたのは3年前から。眩しい太陽と肥沃な大地の恩恵を受け、カンボジアで良質なサトウキビが栽培されていることを知り、さらにサトウキビの副産物でラム酒の原料となるモラセス(廃糖蜜)が世界一と言えるほど高品質であることに気づいた。ラム酒づくりにとってまたとない好条件を前にして、「これはミッションでしかない」と直感したとアントニオさん。カンボジアで初のラム酒蒸留所を立ち上げた。
アントニオさんによるラム酒は複雑で個性にあふれている。それはカンボジアのテロワールのユニークさを反映し、豊かな香りが見事なまでに表現されていると評判だ。小さな蒸留所ゆえに生産量が限られ、現在はカンボジア国内のレストランやバーとの取引だけだが、「シンガポールやベトナム、マレーシア、オーストラリアなど、すでに海外への輸出も検討段階に入っている」とアントニオさん。「製造者として高品質で美しいラム酒を世界と分かち合う日がくることが今から待ち遠しい」と眼を細める。
蒸留所の名で銘柄名でもある「サマイ」とは、クメール語で「モダン・新世代・未来に向けて」といった意味がある。さらにシチュエーションによっては「デイドリーム」という意味も。アントニオさんにとって夢のような空想が現実のものとして結実したラム酒。製造者の想いを肴に、その一杯をじっくりと堪能するのもいい。

ラム酒本来の味を楽しみたいならストレートがおすすめだ。毎週木曜日の夜には大勢のファンで賑わう。

ラム酒本来の味を楽しみたいならストレートがおすすめだ。

毎週木曜日の夜には大勢のファンで賑わう。

アントニオ・ロペス antonio lopez de haro

アントニオ・ロペス antonio lopez de haro

Sofi tel Hotels and Resorts の料飲部での勤務からキャリアをスタートし、シンガポールの「Raw Kitchen Bar」やプノンペンの「Tepui at Chinese House, Restaurant & Bar」などの共同経営者として話題のレストランやバーを数多く手がける。現在はカンボジアで初めてとなるラム酒の蒸留所のほか、カクテルバー「Bar. Sito」の経営に携わる。ベネズエラ出身。

Samai Distillery
#9b St. 830, Tonle Bassac Phnom Penh, Cambodia
TEL +855-023-224-143
HP www.samaidistillery.com
毎週木曜日18:00~23:30 オープン

AMANSARA ~アンコール遺跡群を至近に魂の清めと安らぎを感じる~

カンボジア屈指の高級リゾート

AMANSARA
シハヌーク殿下が実際に保有していたメルセデス322(1965年製)はアマンサラのシンボル。
現在でもまだ現役で、ゲストの空港への送り迎えに利用されている。

プノンペンから国内線で45分ほど。東南アジア最大の湖、トンレサップ湖の北に位置するシェムリアップは世界屈指の観光都市として知られる。ご存知の通り世界遺産アンコール遺跡のある街として、アンコールワットやバイヨン、バンテアイスレイなど1000以上の寺院への観光の拠点となる。
バナナや椰子の木々の間に伝統的な高床式の家々が並ぶなど、のどかな風景が広がる一方、メインストリートとなるシヴァタ通りにはホテルやレストランが軒を連ね、世界中から集まる観光客で賑わう。昨今では外国資本の高級リゾートも多数進出し、カンボジア屈指のリゾートエリアとしても注目されている。
そんななかでアマンサラはひと際、異彩を放っている。ロケーションは賑やかな街のはずれ。通りを挟んでシェムリアップ川が悠々と流れる。エントランスをくぐると、凛とした空気に支配され、そこが特別な空間であることに気づかされる。
聞けばここは元々、カンボジア国王だったノロドム・シハヌーク殿下のゲストヴィラだったとのこと。1962年に建設されたという歴史薫る瀟洒な建物が今なお残り、豊かな緑に囲まれた空間は、時がそこだけ止まったかのような穏やかな空気に包まれている。
アマンと言えば手付かずの自然を生かしたフィールドを舞台としたリゾートのイメージが強いが、アマンサラでは自然はもちろん、街へのアクセスにも恵まれ、その両方を同時に堪能できる稀な存在。さらにアンコール遺跡のお膝元として、クメール王朝の歴史にも触れられるという贅沢も加味される。アマンジャンキーにとっても特別なアマンとして一目置かれている存在なのである。

25m プール開放的な雰囲気

中庭の奥、6mもの高い壁に隠された場所に現れる25mプール。この他にもダイニングの横にメインプールがある。

リゾート内には燦々と降り注ぐ太陽の光が差し込み、開放的な雰囲気に満ちあふれる。

Guestroom at AMANSARA

開放的なリラックス空間

吹き抜ける風がなんとも心地よいのは、広々とした空間にゆったりと平屋の建物が配されるためだろうか。眩しい陽光が降り注ぐ中庭には緑濃い芝生が広がり、それを取り囲むようにして佇む客室は自然との一体感が感じられる。
アマンサラでは全24室がスイートルームからなり、その内12室がプライベートプランジプールを備えたプールスイートとなる。室内はそれぞれが落ち着いたグレーのテラゾーとダークな木材、アイボリーの壁が基調となり、クメールの雰囲気を取り入れつつもシンプルでエレガントなインテリアにまとめられる。リビングルームとベッドルームが一体となった間取りは開放感にあふれ、ステップの数段下にはアイランド式の浴槽を備えたバスルームが配置される。
セイルハイの窓の外に望むのは、デイベッドでリラックスをするパートナーの姿。穏やかなリゾートのワンシーンを眺めながら、プライバシーが完全に保たれた空間で過ごす時間は、何事にも変えられない寛ぎのひと時となることを、アマンサラでは約束してくれる。

スイートルーム中庭プランジプール

24室あるスイートルームのインテリアはシックなトーンにまとめられる。リビングルームとベッドルームを一体化することで、より開放的な空間を演出している。

豊かな緑をたたえた中庭を取り囲むようにスイートルームが並ぶ。この中庭は大きな木を守るためにここに設けられたという。

プールスイートに備わるプランジプールは5×6m とゆったりサイズ。デイベッドで日がな過ごすのにももってこいだ。

Experience at AMANSARA

多彩に揃う滞在の愉しみ

AMANSARA
アンコールワットへのエクスカーションでは行程の途中、アンコールのジャングルと寺院に囲まれたクメールビレッジハウスで、クメール伝統の朝食を堪能する。
ここからは10世紀に作られた王家のプール「スラ スラン」を眺められる。

アマンサラ滞在の愉しみといって外せないのがスパの存在だ。スパラウンジはリフレクションプールに沿って長い廊下を歩いた先に佇み、静かなリゾートのなかでも特に静寂に包まれる。ラウンジから望む中庭には古い巨木が立ち、みなぎる生命力に活力をもらえるようだ。
女性に人気なのが「アップサラ」と呼ばれるトリートメント。イエロージンジャー、黒胡麻、蜂蜜、餅米粉、米など、天然の材料で肌をスクラブするもので、カンボジアで古くから行われてきた伝統の施術だという。肌がサラサラになると評判で、美肌効果を是非とも体感したい。
円形のダイニングでいただく食事も滞在をより印象深いものにすることだろう。カンボジアの伝統楽器が奏でるメロディーが心地よく響き渡る空間では、クメール料理をアレンジしたインターナショナルキュイジーヌを楽しめる。なかでもおすすめの日替わりメニューは、地元の市場や農家から直接仕入れたオーガニック食材が盛りだくさん。シェフの手により昇華された美しく驚きに満ちたひと皿に舌鼓を打ち、滋味あふれる地元の味覚を堪能してはいかがだろうか。
とっておきの旅の思い出をつくりたければ、観光都市シェムリアップならではのエクスカーションに参加したい。トンレサップ湖でレイクボートに乗ってブランチを楽しんだり、アンコールワットで日の出を拝んだりと、専属のチームがどのようなリクエストにも応えてくれる。土地の文化や歴史までもが体験できるアマンサラでの滞在。極め付きは僧侶によるウォーターブレッシングで魂を清めてもらい、穏やかな気持ちで極上の旅を締めくくるのもいい。

スパのレセプションエリアから望む中庭スパのトリートメントルームダイニングエリア

スパのレセプションエリアから望む中庭には古いレインツリーが存在感を持って佇む

スパのトリートメントルームは全部で4室。カンボジアの伝統的なテクニックとアマン独自のプロダクトを駆使した施術が人気。

天井高7m もある開放的なダイニングエリア。カンボジア伝統の楽器ロニアットアエックによるメロディーが優雅に流れる。

地元の新鮮な食材を使った朝食アンコールワット越しに昇る日の出

フルーツや野菜など、地元の新鮮な食材を使った朝食。彩り豊かでヘルシー。

アンコールワットへのエクスカーションでは専用のトゥクトゥクが用意される。
早朝の出発となるがアンコールワット越しに昇る日の出の美しさは圧巻だ。

Amansara
Road to Angkor, Siem Reap, Cambodia
日本語対応フリーダイヤル
TEL 0120-951-125(平日11時~19時)
HP www.aman.com