どのような時にビンテージの物を所有して良かったと感じますか。
「フェラーリに乗っていた時期があるのです。面白いのが、フェラーリでちょっとでも路上に車を停めたなら、凄く煙たそうな顔をされるんで す ね(笑)。でもクラシックカーだと「おおー」って顔になる。後ろを振り向いてくれたり、愛されているのが伝わってくるのです。他人から話しかけられやすくなったとも思いますが、人との関係で言えば、加地邸を所有すると急に、古い邸宅を持つ人たちとのつながりが増えたのも同じようなことかもしれません。ビンテージの物には人との出会いに導いてくれる見えない力があり、ある種のパスポートのような役割を果たしていると思うことがあります。
ところで、来年の1月下旬に改修工事が完了する予定の野村不動産の『プラウド上原フォレスト』は、1984年に誕生した既存のビンテージマンションをベースに、新たな価値を加えて、現代に蘇らせるマンションとして早くも注目されています。こうした取り組みに対して武井さんはどのように思いますか。
「地震が多い国だからか、日本では古い建物が建て替えられることが多いのが現状です。大量生産・大量販売されたような建物はどんどん刷新されるべきですが、価値のある建物を残していこうという取り組みにはとても共感できます。古いものには創ろうとしても創れない独特の重厚感があり、それぞれにストーリーがある唯一無二の存在です。こうした空気感のなか、住まいとして機能的であるならば、毎日の生活がどんなに豊かなものになるでしょうか。あと、ロケーションが徳川家のお屋敷跡地というのも魅力的。風水などの気もいいはずだし、歴史のストーリーが紡がれたまさに一等地。ここで昔、どんな生活が営まれていたのか、そんな想像が膨らむ暮らし、まさにビンテージならではで最高です。
profile
武井 泰士 さん
1946年創業で食品容器の企画販売を手がける株式会社ヨネヤマの代表取締役社長。大学卒業後、ジャンニ・ヴェルサーチに勤務。芸能人やアスリートへの営業を担当した後、現職に。三代目社長として100年企業を目指している。クラシックカー愛好家として、La Festa Mille Miglia に参戦するほか、フランク・ロイド・ライトの日本での建築を支えてきた建築家、遠藤新の設計による『加地邸(葉山町)』の保存活用プロジェクトにも力を入れる。
加地邸公式 HP http://kachitei.link/
Information
プラウド上原フォレスト TEL 0120-15-1984