イタリアンスタイルで楽しむクルーズ旅 コスタネオロマンチカ

未知の港への思いを巡らせ目を覚ますと、新たな1日が始まる。「チャオ!」の挨拶とエスプレッソの香り。薪釜で焼き上げるナポリピッツアでお腹を満たしたら、プールサイドでシエスタを満喫。日が暮れたら極上パスタとイタリアワインで乾杯! そんな夢のようなイタリアンスタイルのバカンスを日本で、しかも客船で味わえるのがコスタネオロマンチカ。

さあ、イタリアを遊ぼう!

写真・文/大橋マサヒロ

 

イタリアンバカンスの始まり

プールサイドでは読書や日光浴をしながら気ままに過ごす。

 

コスタネオロマンチカが数多あるクルーズシップと一線を画するのはそのこだわり。「洋上のイタリア」を自認する通り、船上で提供するサービス、食、クルーズスタイル、全てにイタリア流が貫かれているのだ。就航が始まったのは1993年。2012年には大規模なリノベーションを行った。船のサイズは5万7千150トンで定員1800人。コンパクトでクラシカルな客船という位置付けが正しいだろう。日本を起点とし近隣アジアの港と日本国内の寄港地を結ぶコスタクルーズの航海には、日本人ゲストに混じってヨーロッパやアメリカからのゲストも目立つ。

イタリア人の夏のバカンスに、海は欠かせない。夏の訪れを合図に老いも若きも男女を問わず、みなビーチを目指す。何故か? イタリアは日本と同じ島国で、四方を眩いばかりの美しい海が取り囲んでいるからだ。そこで培われたのが、究極のバカンスを楽しむセンスだ。イタリアでは誰もが夏の間、家族や恋人とバカンスを楽しむ。最も大切なのは、太陽と海、そして愛する人と一緒に何にも囚われずのん びりと時間を過ごすこと。窮屈なフ ライトに耐え、時差と慣れない土地に心も体も消耗して終えてしまう休暇ならば、思い切って客船に身を預けて しまえばいい。それが正しい〝イタリアンバカンスの過ごし方〟なのだ。

プールサイドのサンデッキで燦々と降り注ぐ太陽を浴び、ウィンクを合図にウェイターがビールのオーダを取りに来てくれる。流れ行く雲を眺め、ロマンチックなサンセットを心に刻ん でシャワーを浴び、ほんの少しドレスアップしたらプロセッコ(スパークリン グワイン)で乾杯! ディナーはカジュアルからミシュラン星付きレストラン監修のイタリアンやステーキハウスなど迷うところだ。おすすめなのはイタ リア産ワインを中心に1200銘柄を取り揃える「ヴェローナワイン&チーズバー」。ソムリエがおすすめする6種類のワインとチーズのペアリング が見事。イタリアワイン好きなら至極の一夜となること間違いなしだ。航海中、毎夜繰り広げられるエンターテインメントもイタリア客船ならではの内容。イタリア人オペラ歌手のコンサートやラテンダンサーの社交ダンスなど、毎晩様々なイベントで盛り上がる。さらにディスコやカジノなど、いつもどこかで賑やかな時間が流れているのが、コスタ流クルーズスタイルなのだ。

ミシュラン3つ星シェフ監修のイタリアンを味わえる。

カードやルーレットを優雅に楽しめるのも船旅の醍醐味。

淹れたての珈琲の香りが漂うコーヒー&チョコレートラウンジ。

ソムリエと会話を楽しみ極上のイタリアワインに酔いしれる。

シンプルで使いやすく居心地のよいキャビン。

重厚さと気品が漂う螺旋階段。

 

贅沢な大人の為の時間と空間

大人だけで静かに過ごしたいという方にも、様々な楽しみ方を提供してくれるのがコスタネオロマンチカだ。子供立ち入り禁止のエリアを設け、落ち着いた雰囲気のプールとジャグジーを備えた「モンテカルロプール」。さら に静かでプライベートな空間をお望みなら「リドバーモンテカルロ」へ。ここは遮るもののない紺碧の海と眩い航跡を眺めながら、誰にも邪魔されずに過ごすことができる大人の為のプライベートな場所。船尾にあるこの空間は、大海原を眺めながら入れる ジャグジーをはじめ、専用バーカウンターにラグジュアリー感漂うカウチソファーやリゾート気分満点のカバナまで用意されていて、コーヒーやソフトドリンク、軽食が含まれて一日中利用できるパッケージがある。

コスタネオロマンチカが前回の大改修で行った最大の変更点は、かつて大劇場が占めていた2フロア分のスペースをスパエリアにしたこと。クルーズ船内とは思えないほど広さも設備も充実した「サムサラスパ」。ここではトリートメントやマッサージ を受けない場合でも、ジャクジーやサ ウナ、タラソテラピープールなど、リラクゼーションエリアが終日使い放題になるパッケージもある。地中海とは違い、日本近海は肌寒い日や天気が優れない日もある。そんな時にはイタリアの温泉保養地のように、この「サムサラスパ」で一日中水着で過ごすのも良いだろう。気分はまるでテルメで過ごすウェルネスな休日だ。

パラッツオ(広場)へ集うように、気ままに時を過ごすのがコスタ流。カフェやスピリッツを片手に船内どこでも笑顔と会話が絶えることはない。堅苦しいドレスコードがないのでタキシードも大きなトランクも必要ない。「チャオ!」の挨拶と笑顔を身に纏えば、誰もがコスタクルーズのファミリーだ。決して最新鋭ではないが、手入れの行き届いた陽気でクラシカルな客船に、イタリアのエッセンスが加わると「洋上のイタリアンバカンス」は準備万端。あとはただ自分の感性で楽しめばいいだけだ。

 

プールサイドの木製ベンチがイタリアらしくこだわりを感じる。

「サムサラスパ」のリラクゼーションスペースは静かで落ち着く。

タラソテラピープールを望むリクライニングチェア。

スパのトリートメントで癒された後にはティーハウスでハーブティーを頂く。

アロマミストサウナなど4種類のサウナが備わる。

 

Information

Costa neo Romantica

横浜発の太平洋クルーズ、福岡や金沢発の日本海クルーズなど定番コースはもちろん、沖縄〜台湾3泊4日のショートクルーズや、沖縄〜横浜のクルーズなど魅力的なコースが揃う。2020年の就航コースはすでに発表されているのでwebサイトでチェックいただきたい。

https://www.costajapan.com/