フィリップ・ミル 来日
オープンから8か月、日本への想いを綴る

シャンパーニュの奥深き世界を料理とのマリアージュで余すことなく披露する「六本木テラス フィリップ・ミル」。来日したシェフに日本での手応えを伺ってみた。

日本の食材について楽しそうに語るフィリップ・ミル氏。造詣の深さとあくなき探究心に感服。

 

アーティスティックなひと皿に 込められた素材への愛情

シャンパーニュ地方、ランスにある名門シャトー「レ・クレイエール」の総料理長を務め、ミシュラン二つ星を獲得。38歳の若さで国家最優秀職人章(M・O・F)の称号を授与され、〝グランド・キュイジーヌ希望の星〞と讃えられるフィリップ・ミル。フランス料理界の新時代を切り開く注目のシェフが、ここ日本に活躍の場を広げたのは昨年3月のこと。「六本木テラス フィリップ・ミル」のオープンから8か月を経て、冬メニューの試作のため来日した彼に日本のグルマンたちの反応を尋ね てみた。
「入手困難な希少なシャンパーニュをはじめ、多くの銘柄を楽しんでいただき、シャンパーニュメゾンの奥深き世界が浸透しつつあると思います。食前酒のイメージが強かったシャンパーニュを料理とのマリアージュで楽しむ。その手応えは感じています」。料理を通して、シャンパーニュの真なる魅力を表現するシェフのスタイルは、研鑽を積んできたテクニックや感性はもちろんだが、素材への探究心により生み出される。日本の食材もとことん研究した上で調理法、味付け、盛り付けに工夫を凝らす。
「理解はしていましたが、野菜も乳製品も本国とは大きく異なりました。なかでもたとえば貝類の種類の豊富さと滋味深さ。またカボチャの濃厚な味わいや生でいただく水ナスのみずみずしい食感など。火の入れ方やソースの味を微調整し、それらの持ち味を引き立たせています。冬の新メニューには、同じく香り高くフレッシュな風味が格別な日本の柑橘類をアクセントにした一品を提供します」。
季節ごとに来日し、新作メニューの試作を行うというシェフ。訪れるたびに新たな食材との出合いがあり、驚きと同時に創作意欲を掻き立てられると。今後も山椒やみりんなどの調味料も組み合わせ、さらに進化させた料理を提供したいと意気込む。繊細で華麗なひと皿をシャンパーニュと共に、ぜひ一度。

 

気象変動への警鐘

互いのフィールドで精力的に環境保護活動を展開してきた「ルイ13世」 とファレルを結びつけたのは、地球温暖化に対する強烈な危機意識だった。「ルイ13世」のグローバル・エグゼクティブ・ディレクター、ルドヴィック・ドゥ・プレシは、「もはや一刻の猶予も許されない」と警鐘を鳴らす。「私たちは。おのまま地球温暖化が進めば、『ルイ13世』を生みだすグランド・シャンパーニュの大地も水没する恐れがあると危惧しています。美しい地球を、そして私たちが守り続けてきた『ルイ13世』を未来へつなぐためにも温暖化を止めなけ ればならないのです」
また、プロジェクトにいてファレルは、「常に100年先を見つめ、継承することの大切さを誰よりも知る『ルイ13世』とともにメッセージを発信することで、未来へ向けた行動を喚起したい」とコメントしている。

フォトジェニックなひと皿にうっとり。シェフの目にかなった日本の食材、ミル貝やホッキ貝、カリフラワーや柑橘類を用いた新メニュー(要3日前予約)。

緑豊かなガーデンテラスに囲まれたモダンアートな店内。選び抜かれたシャンパーニュと料理とのマリアージュを上質なサービスと共に楽しむことができる。

 

Information

六本木テラス フィリップ・ミル
東京都港区赤坂 9-7-4
東京ミッドタウン ガーデンテラス 4F
TEL:03-5413-3282
https://www.hiramatsurestaurant.jp/roppongi-terrace/