マハラジャ・エクスプレス – 豪華列車で巡る神秘の国インド
マハラジャの栄光が蘇るラグジュアリー・トレイン
ニューデリー、サフダルジャン駅。これから乗り込む列車を前に、ウェルカムドリンクのサービスと、列車クルー達の熱烈な歓迎を受ける。優雅な旅にふさわしい始まりに、すでに気分が高揚している自分がいる。
「神々と信仰の国」と称されるインドは、5000年の歴史を誇り、10億人以上の人口を誇る大国。28の州で構成され、州境を超えるとまったく違う文化圏を形成するほど、多様な文化が重なり合っている。近年は経済発展が目覚ましく、今世紀半ばには中国に次ぐ世界第2位の経済大国に成長するといわれるなど、あらゆる面で世界中から注目を集めている。
左/マハラジャ急行で旅する人たちの食を支えるレストランカー。エレガントな空間で、ゆったりと料理に舌鼓を。
右/すべてのキャビンに、液晶テレビやDVDプレイヤー、インターネット等、最先端の設備を備え、列車の旅を楽しませてくれる。
インドでは、〝宮殿列車〟と呼ばれる豪華列車が、ラグジュアリー志向の旅行者を楽しませているが、それは1つの州だけを巡るもので、多様な文化の、ほんの一部を垣間見ることしかできない。しかし、2010年1月に運行を開始する「マハラジャ・エクスプレス」が、インドの列車の旅を大きく変える。
「マハラジャ」は、インド各地に君臨した藩王。その容赦なき豪奢ぶりは今でも語り継がれ、莫大な富を生かし、インド国内の鉄道の発展に寄与した。そのような名を冠にしているだけあり、「マハラジャ・エクスプレス」はゴージャスそのもの。客車はすべてゆったりとした造りで、デラックスキャビンが5両、ジュニア・スイートが6両、スイートが2両、プレジデンシャル・スイートが1両と、総客室車両14、総客数84名。さらにレストラン2両、展望室、バー車両が各2両なども含めると総車両数24と、スケールも大きい。すべてのキャビンに、インドの列車では初めてというパノラマウィンドウが採用され、移り行く車窓からの景色を存分に堪能できる。デリーとムンバイ、デリーとコルカタを結ぶ、2経路4コースで運行され、州を超える豪華列車もインド初。世界的にも有名な文化遺産、自然遺産を気軽に、そして快適に巡ることができる。
今回旅するのは、デリーを出発し、ガンジス川のデルタ地帯に位置するコルカタを目指す、「クラシカルインディア・コース」。日本人観光客の少ない、インド東部を縦断するコースで、聖都バラナシやカジュラホ寺院郡など、インドの神秘性を存分に体感できる行程となっている。
鳴り響く汽笛とともに、ゆっくりとマハラジャ・エクスプレスFeature Trip to Indiaは動き出す。躍動感あふれる朝のニューデリーを後にし、インド6泊7日豪華列車の旅が始まった。
悠久の歴史に心奪われる聖なる国 インドを往く
正方形で幾何学的に分割されたムガル式四分庭園から、タージ・マハールを望む。
【1日目 アグラ】
デリーをあとにし、ゆったりと朝食を楽しむ。流れ行く車窓からの景色を眺めていると、列車はアグラに到着。一国の大統領が訪れたかのような熱烈なセレモニーが行われたあと、スマートなナビゲートで市内観光へ向かう。ここでの一番の見所といえば、やはりタージ・マハール。イスラム建築の至宝と言われ、インドで最も人気のある世界遺産だ。
いくつかの門を抜けると、白亜の秀麗な建物が姿を現す。シンメトリーの壮大で美しい佇まい。広大なヤムナ川に写る姿は、青空に浮かぶ白亜の宮殿のようだ。ムガール帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、愛妃ムムターズ・マハルの死を悼み、22年の歳月をかけて建設したという霊廟。随所に見られる細やかな装飾は、皇帝の妃に対する愛情の深さを物語っている。
インド随一の世界遺産を堪能したあとは、活気あふれるバザールへ。金糸と銀糸と石を使った刺繍であるザリや、タージ・マハールの建設の際にペルシャやアラブから訪れた職人の技法を今に伝える象嵌細工など、工芸品はどれも細やかで美しい。
存分にアグラの街を堪能し、再び列車に乗り込む。一路、グワリオールを目指す。
【2日目 グワリオール】
巨大な要塞で有名な街、グワリオール。中心部にある3・5㎞もの城壁に囲まれた岩山に建つ「グワリオール城」は、手の込んだ細かい彫刻とブルーの装飾が美しい。城の中は、王部屋、御后の部屋、踊り場、謁見所など数多くの部屋で構成され、地下には御后様用のプールも。
マハラジャの別荘だった宮殿ホテル「ウシャ・キラン・パレス」でランチをとったら、シンディア博物館へ。マハラジャの末裔が今なお住む宮殿で、世界中から集められたコレクションが並ぶ。水晶の階段、金箔のアーチ型の天井、3t以上の世界最大級のシャンデリアなど、贅沢なマハラジャの生活が目に浮かぶ。
夕食は、列車のダイニングカーで。ヒンドゥー教とジャイナ教の寺院郡で知られるカジュラホに向けて、列車は動き出した。
左/芸術的価値の高い彫刻を施されたカジュラホの「ラクシュマナ寺院」。
右/バンダウガル国立公園には、絶滅危惧種のベンガル虎が生息する。
【3日目 カジュラホ】
ゆったりと朝食を済ませ、古都カジュラホへ向かう。10世紀頃、チャンデラ王国の首都として、80以上の寺院が立ち並ぶ一大宗教都市として栄えたという古都。その遺跡が街のメイン通りに位置する西群を中心に、東群やさらに500mほど南下した南群に20ほど残る。寺院群の外壁を埋める天女像やミトゥナ像(男女交合像)は一体として同じものがないと言われるほど多彩。先人が表現したアートが独特の空気感を醸し出し、訪れる者を魅了する。
昼食後は、現地の人々のライフスタイルを体験しに、近くの農村へ。法的には廃止されたカーストの影響が随所に残り、決して贅沢とは言えない暮らしをしている人々。それでも幸福そうな人々の表情に触れることは、この旅をより印象深いものにしてくれるだろう。
【4日目 バンダウガル国立公園】
4日目の朝は早い。ウマリアに到着後、刺激的なドライブに向かう。目的地はインド中央部に位置するバンダウガル国立公園。湿原では水鳥が優雅に舞い、アキシスジカの群れが水辺で寛ぐ。何万年も続いてきた自然の光景が目の前に広がる。さらにここは野生のベンガル虎が多く生息する土地。他の生物の警戒音は、近くに虎がいることの合図。ブッシュに身を潜めていると、美しいその姿に出会えるかもしれない。
ブランチ後、ウマリアに戻り、列車での旅は続く。
多数の巡礼者が祈りを捧げるバラナシ・ガンジス川河岸。
【5日目 バラナシ】
ヒンドゥー教最大の聖地バラナシ。まだ日の出前だが、目覚めのコーヒーを飲み、神聖なガンジス川のほとりにあるガート(沐浴場)へ。すでに大勢の人が沐浴の準備をしている。
船に乗り込み、ガンジスの日の出を待つ。徐々に水平線が明るくなり、一筋の光が天まで刺した瞬間、夜の世界が終る。ガートでは緑色のサリーを身につけた女性が水で身体を洗い清め手を合わせ、祈りを捧げる。インド各地から年間100万人を超えるヒンドゥー教徒がこの地に集まるという。彼らの最大の願いは、死してガンジスに流されること。人々の一途な祈りに溢れる街での一日は、これまでの人生観を変えるインパクトを与えるだろう。
【6日目 ガヤ】
ガヤ駅に到着しランチを終えたあと、仏教の最高の聖地とされ、ヒンズー教の聖地でもあるブッダガヤへ。釈迦が厳しい苦行の末、菩提樹の下で瞑想を続け、悟りを得た地である。街の中でひと際目に入るのはマハーボーディ寺院。世界遺産にも登録されており、高さ52 mの大塔は古い煉瓦構造建築。寺院の裏手には釈迦が座したという場所に金剛座が設けられ、菩提樹が枝を広げている。この街には日本や中国、ネパールなど、様々な国の寺が集まり、各国の僧たちが修行をしている。しかし住民のほとんどがヒンドゥー教というコントラストが、不思議な空気を醸し出している。
【7日目 コルカタ】
早めの朝食をとっていると、車窓にインド有数のメガロポリス、コルカタの街並みが見えてくる。ここが旅の終着駅。歓迎のセレモニーのあと、マハラジャ・エクスプレスに別れを告げ、宮殿都市と称されるコルカタの街へ向かう。熱気溢れる街並みを散策しながらも、古代インドの歴史に魅了された日々の余韻は、いつまでも続くだろう。
古代インドに魅了される旅のプロローグ – エア インディア
マハラジャ・エクスプレスでの優雅なインドの旅。インドと日本の往復の際のフライトも快適なものを選びたい。
日本と、インド・デリーとムンバイを結ぶエア インディアは、インドのフラッグキャリア。日本への乗り入れ50年以上という、伝統の翼である。機体の窓はジャイプールの風の宮殿をモチーフにしたデザインが施されている。その魅力は、機内に一歩足を踏み入れた瞬間にインドモードに浸れるところ。南アジア地域の民族衣装であるサリーを着用したフライトアデンダントの笑顔に迎えられ機内へ。お楽しみの機内食は、日本発の便では、和風魚料理の他にインド料理も選択できる。インド人シェフが定期的にチェックするというこだわりようで、その味は本場以上の美味しさ。機内映画もインド映画を多く上映するなど、オンデマンド(エンタテイメント)も充実。インド尽くしの約8時間のフライトは、あっという間に過ぎていく。
優雅な旅がテーマなら、シートはファーストクラスかエクゼクティブクラスをセレクト。きめ細かいサービスはもちろんのこと、ファーストクラスのシートはお休みの際にはフルフラットベッドに。エクゼクティブクラスのシートは180度のフルリクライニングが可能。快適な眠りを約束してくれる。
心地よいシートで、最高のサービスとホスピタリティ、そしてインドらしい演出。気分が最高潮を迎えた頃に、インドへの扉に辿り着く。帰りのフライトでは、素晴らしい記憶の余韻にゆったりと浸って。快適なフライトがあってこそ、マハラジャ・エクスプレスの優雅な旅は完結するといっても過言ではない。
左/大柄の男性でもゆったりと横になれるファーストクラス。
右/ファーストクラスのシートにはバディシートがあり、二人向かい合っての食事も可能。
日本橋 三越本店 トラベルセンター
東京都中央区日本橋室町1-4-1
TEL:03-3274-5272
営業日時: 10:00~18:00(月~土)
豪華列車マハラジャエクスプレスに乗車 インド北東部を優雅に巡る9日間
●出発日: 2010年3月13日(土)
●日程: 東京 → デリー(1泊) → 車内(6泊) → 機中泊 → 東京
●添乗員: 同行いたします
※このご案内はツアー告知を行うもので、ご旅行のお申し込みを承るものではございません。詳しくは上記までパンフレットをご請求ください。
※本ツアーは2009年11月末より発売開始となります。パンフレットをご請求いただいた場合、それ以降のお届けとなります。