英虞(あご)湾を望む絶景の特等席
旅心をかき立てる夕焼けのスペクタクル
夕刻、屋上庭園では壮大なサンセット・ショーがはじまる。
ブルーから濃いオレンジ色、そして妖艶なパープルへ──。空を百彩に染める太陽が視線の高さまで降りてくると、海岸も人も建物も、すべてがその甘美な輝きに包まれた。まさに絶景である。一瞬ごとに表情を変えながら西の空いっぱいに描かれた光のグラデーション。それは地上に幸福の残照を色濃く残し、やがて深いブルーへと溶け込んでいった。
左/日没直後の屋上庭園。夕風が心地よく頬をなでる。
右/ライブラリーラウンジではホテルメイドのお菓子や飲み物をいただきながらゆったりとした時間を満喫。DVDや書籍の貸し出しがあるのもうれしい。
流麗なるフランス料理、目にも美しい日本料理
志摩観光ホテルといえばフランス料理「ラ・メール」。創業当時からセレブリティを虜にしてきた極上のキュイジーヌを、美しい海辺を見下ろす絶好のロケーションでいただく。それはここならではのぜいたくなひとときである。しかしせっかくベイスイートを訪れるなら、和食「浜木綿」の会席も味わっていただきたい。どちらも黒アワビや伊勢エビなど志摩の旬の食材を丁寧に味付けし、至福のひと皿に仕上げている。ベイスイートの食の魅力は1泊では語り尽くせない。できることならば2泊3日の滞在で両方を堪能することをおすすめしたい。
左/ラ・メールの「黒鮑のステーキ 潮の香りをまとわせて あおさのニョッキ添え」。優しい色彩が気分まで華やかにしてくれる。
右/志摩の鮮魚と四季折々の旬の野菜が盛り込まれたひと皿。まるで絵巻から出てきたような美しさ。
水と技に癒されるクラランスのスパ
繊細なタッチが心身ともに癒してくれる。終わった後は肌が滑らかになるだけでなく、モチモチ感も得られる。
このホテルを訪れるならぜひ体験したいのが、フランスのコスメブランド クラランスのスパ「eau SPA by CLARINS」。水を意味するeau(オー)の言葉が示す通り、水のエネルギーで疲労を解き放ち、心身のバランスを取り戻す。ここではメニューにある一連のトリートメントに加え、真珠の粉末を合わせたドリンクや火打石など、伊勢志摩ならではのリチュアルを取り入れてトリートメントを行う。
やわらかな日の光を浴びながらセラピストのこの上なく優しいハンドタッチに身を委ねると、ふいに抗いがたい睡魔に襲われた。どれほど経ったのか、目を覚ますとトリートメントはすっかり終わり、肌は驚くほどみずみずしさを取り戻している。肌と心の水位を満たしてくれる至福の時間。これこそが本当の〝癒し〟というのかもしれない。