男の嗜み – Executive Suite
銀座 菊水セレクト – ダンヒルの名品
創業1903年。銀座の老舗喫煙具店『菊水』は、20世紀の初めから高級パイプを扱い続けている。政財界の歴代重鎮、大物小説家や音楽家、俳優ら各界の著名人たちが伝統的に訪れる。毎月ン千万円もの〝セレブ買い〟をする、大富豪の顧客もいる。こうしたパイプ愛好者からはもちろん、作り手、すなわちメーカーとパイプ作家からの信頼も厚く、ヨーン・ミッケやシクステン・イヴァルソン、ボ・ノルドといった伝説的な頂上パイプ作家も菊水の意見や批評を仰いだという。
特に秀でているのが、ダンヒル製パイプのラインナップだ。世界ナンバーワンの〝ダンヒル・リテーラー〟が扱う本数は、年間数百本以上! それも毎年ダンヒルの工場に出向き、世界一チェックが厳しい〝菊水クオリティ〟で、極上のパイプだけをセレクトするのである。国内外のセレブが菊水の常連になり、文豪たちがダンヒルに納得するのもうなずける。
では、なぜこれほどまでに菊水が、ダンヒルにこだわるのだろうか。
「ご存知のように、パイプの材料はブライヤーという、乾燥か多湿という極端な環境に生える灌木の根です。成長とともに砂や石の大地に伸びるため、細かい傷が無数につくわけですが、ダンヒルはその原木を厳選するので、出来上がったパイプには傷がなくて非常に美しいんです」と語るのは、菊水の営業部長、小林弘行氏だ。
もちろん、ダンヒルのパイプが素晴らしいのは、ブライヤーの選別だけではない。パイプが完成するまで、約90段階の製造工程を経るのだが、どの工程も極めて丁寧かつ正確! その結果、1本のパイプが製品として出荷されるまでには、数カ月を要するのだ。「完璧さを追求するダンヒルのモノ作りに近道はない」という姿勢こそが、ダンヒルのパイプが国や時代を超えて支持される所以であり、菊水がこだわる理由なのだ。
一日の終わり…。疲弊した心身を癒すためにダンヒルのパイプをくわえるとき、まさに至高のひとときだ。
左/2つの限定版パイプ – トラファルガー パイプセット
19世紀のカディス沖、フランス・スペインの連合艦隊とイギリス艦隊が激しい闘いを展開。その「トラファルガーの闘い」に勝利したイギリスの戦艦ビクトリーを記念したパイプセットだ。こちらもまた、コレクター垂涎の逸品。
33万6,000円(税込)
右/限定版 エイトボール パイプ
14世紀から貴族の間で人気のビリヤード。それを記念して作られたのが、この「エイトボール パイプ」だ。ヘッドは黒いエイトボールをイメージし、タンパーはキューレストをモチーフにしている。コレクターにはたまらない限定モデルだ。
23万2,050円(税込)
株式会社フカシロ 代表取締役社長 深代 洋平さん
サイフやタイピン、時計など、紳士のためのアクセサリーを扱うフカシロ。特にダンヒルのパイプに力を入れている。そのフカシロの代表取締役社長、深代氏にダンヒルの魅力を伺ったところ…。「ダンヒル社製のパイプは伝統的に、100 のうち2~3個しか穫れない無傷の素材のみを使い、90 もの製造工程を経て完成します。この点がほかにはない優位性です。持つ喜びが大きく、まさに次の世代へと継承されるべき逸品です。ダンヒルのような歴史と伝統、優位性を誇るパイプブランドは世界的に類がなく、今後も出現することはないでしょう」とのこと。
銀座 菊水
さまざまなジャンルの高級店が集まる銀座で、100 年以上もの歴史を守り続けている老舗。「東京に菊水あり」と言われ、国内外からパイプ愛好者が訪れる。ダンヒルや一流作家のパイプのほか、菊水オリジナルアイテムも多数揃えている。
東京都中央区銀座6-9-6 ・ TEL:03-3571-0010 ・ http://www.ginza-kikusui.com/
営業時間 10:00~19:50(日曜・祝日11:00~19:50) ※無休
日本の文化に根ざす煙管の魅力、再発見!
「おいおい! ここ最近、和服が流行っているらしいが、み~んな”正統”な着こなしなんだってな。オイラみてぇな”ワルぶった”着付けを知ってるヤツぁ、ほとんどいないみたいだ。若い頃は浅草を歩いていたら、そのスジのご老人に『どちらのかたですか?』って訪ねられたもんだがな(笑)」と、江戸っ子口調で語るのは、和製ハンドメイドパイプや煙管の老舗、柘製作所の柘恭三郎氏だ。のっけから柘氏が言いたいのは、”和”にはそれなりのルールがあるということ。つまるところ下町風”しきたり”におけるモノ・コトの知識がなければ、”和”を楽しむことはできないのである。
例えば喫煙ひとつを取っても、それなりの小道具…煙管、煙草入れ、灰吹きなどが必要だし、それらの上手な扱い方を習得しなければならない。
「懐から煙草の葉を取り出し、そいつを煙管に詰め、火をつけて吸う。吸い終わったら灰を出す…面倒臭いのは確かだな。でもな、こうした一連の所作こそが”和”の喫煙なんだよ。約5分のひとときで周りの風景を眺め、季節の移り変わりを実感するのが楽しいんだ」と語る柘氏。
市販のシガレットのようにニコチンの興奮&鎮静作用を手軽に得るのも、喫煙の楽しみ方のひとつだ。が、どうせ吸うのなら、楽しみはいっぱいあったほうがいい!
「やっぱり煙管はスーツには似合わないわな。だから和服にこだわり、オイラみたいに着こなしにもこだわる。もちろん煙管そのものにも。そして吸い方を含めた”しぐさ”がいっちょ前になったら、完璧だな」と柘氏が薦めるように、”和”の喫煙をトータルに楽しむことが出来れば、日本の文化を知ることにもなるのだ。
「日本の文化ももちろんだけど、そもそも煙管で吸うと滅法界美味いんだよ。特に純銀延煙管は煙がよ~く冷えてドライになるから、最高なんだよ」と、嬉しそうに語る柘氏の笑顔が印象的だった。
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金銀羅字煙管 口金20 金純銀 野島光次作
80年間、煙管作り一筋に歩んできた野島厚次(銘:光次)の逸品。赤胴や金、銀など、違う金属を駆使した装飾技法が特長だ。27万円。 |
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村田煙管 口金四分一和幸
雁首と吸い口に金を使用した煙管。見た目の豪華さだけでなく、口の中で化学反応を起こさない金の特性を活かしている。20万円。 |
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純銀延煙管
毒物のテスターにもなる純銀を使用。熱伝導が良いため、吸った煙は冷たくドライに、そして美味しくなる。18万9,000円。 |
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手綱煙管
純銀助六石州象牙雁首
横綱の土俵入りでお馴染みの化粧回しをモチーフにした煙管(上/ 2万1,000円)と、羅字に象牙、雁首と吸い口に純銀を使用した贅沢な煙管(下/4万7,250円)。 |
世界最高級シガー、コイーバ渾身の新作
世界最高級のキューバ産シガー「コイーバ」(原住民タノイ族の言葉でタバコの意味)。その新作が登場した。
その名はコイーバ「ベイケ」。正規ディストリビューターであるインターコンチネンタル・シガークラブ事業部のゼネラルマネージャー、中根まきさんによると、お披露目されたのはハバノス・フェスティバルの最後の夜に行われる最大級のイベント、『ガラ・ディナー』。特筆としては、メディオ・ティエンポと呼ばれる希少なタバコ葉の上部をふんだんに利用しているため、味わいも強めに仕上げられている。正規の国内流通はまだ行われていない。希少部位を使用、熟練の巻き手「トルセドール」により丹念に仕上げられるため大量生産ができないのだ。
「製品はすべて1箱10本入りです。国内で然るべきルートを辿って到着した製品が入手できるころには、厳密な保存のもと熟成された状態で、みなさまのお手元にお届けできるかと思います」と中根氏は述べる。続けて、その味わいについては、「3つのビトラ(型)、すべてがピッグテールで、太くがっしりして、もとよりコイーバが持つ、カカオとウッドのアロマ、レザーの香り、ぴりっと胡椒のような正統な味わいを受け継いでいます。吸い始めの印象はミディアムボディー。シャープな木の香りが漂う感じ。じりじりと強さを増してきて、期待を膨らませる。味わいの変化が強く、ペッパーの辛味と濃厚なカカオアロマが強く口の中に広がります。若いうちにこれほどパンチを持っているので、熟成させたら引き立ってくるコイーバ特有の甘みを期待せずにはいられません。巻きたての葉巻もそれなりの愉しみがあるが、時間を経て、洗練させる昔ながらの葉巻の楽しみ方を思い出させてくれる逸品です」と続けた。シガー愛好家としては、正規品の販売開始が待ち遠しい。
左/手前から順に、COHIBA BEHIKE BHK52(コイーバベイケ52)4,000円、COHIBA BEHIKE BHK54(コイーバベイケ54)5,200円、COHIBA BEHIKE BHK56(コイーバベイケ56)6,000円、発売時期は未定。
右/「ハバノス・フェステイバル」でゲストに配られたCOHIBA BEHIKE 3本セット。
知る人ぞ知るシガー通の隠れ家
オーデマピゲ ブティック銀座の代表取締役、麦野 豪さん。すらっとした長身にジャケットを着こなす”イケメン”社長として有名だが、実はシガー通としても、その名を業界に轟かしている。そんな彼に、シガーの魅力について伺ってみた。
「ひと言で言えば、タバコと違ってシガーは、優雅に楽しむことが出来るのが魅力ですね。太いシガーなら吸い終わるのに40分から1時間。忙しい1日のうち、たったそれだけのひとときをシガーに没頭すると、仕事のストレスなんてふっ飛んでしまいますから。心をリセットし、すっきりと次の仕事に取りかかることが出来るんです」と語る麦野さん。
シガーを燻らせながら、お酒も会話も楽しむ…そんな極上のひとときを過ごせるサロンが、オーデマピゲ ブティック銀座の9階にある。限られた人のための特別な空間。そこには”モノゴト”がわかったシガー通たちの、プレミアムなひとときがある。
このサロンでシガーを楽しめるのは、オーデマピゲ ブティック銀座のお客様のみ。それも「AP BOUTIQUE GINZA CLUB」の会員に限られる。シガーはテイストやサイズが異なる数種類を常備するが、中でもコイーバとAPのダブルネーム、パルタガスとAPのダブルネームに注目。また、オーデマピゲの時計のベゼルをモチーフにしたパンチカッターや、特注のシガー入れなど、まさに”プレミアム”なモノがサービスされる。
シガークラブ ※コイーバお問い合わせ先
TEL:03-6230-2950
オーデマピゲ ブティック銀座
世界最高峰の時計ブランドを扱う日本のフラッグシップ店。ブティックはすべてスイス本社のコンセプトに基づいてデザインされるが、デザイナーの森田恭通氏が手掛けたファサードとVIPルームは素晴らしいのひと言。
東京都中央区銀座7-8-8 APタワー ・ TEL:03-6830-0788 ・ http://www.audemarspiguet-ginza.jp/
営業時間 11:30~19:30 休:水曜日