アジア、ヨーロッパそして振興著しいアフリカを結ぶ中継地として発展し続けるドバイ。ビジネスや貿易の拠点として注目されて久しいが、エキゾチックな観光地としても高い人気を誇り、世界中から人々が訪れる。リーマンショック後もホテルやリゾートが軒並み増え、現在は約400軒近くも建っているほどだ。世界の一流ブランドホテルが揃い、さまざまなスタイルでステイが楽しめるのはドバイの大きな魅力でもある。驚くような絢爛豪華さやテーマパーク的なコンテンツをウリにするリゾートもドバイらしいが、美しさに磨きをかけ、上質で落ち着きのあるひと時を約束するリゾートは数少ない。ここでは、洗練された本当のラグジュアリーさ、そして質の高いサービスにこだわったドバイのリゾートを紹介する。
One&Only The Palm(ワン&オンリー・ザ・パーム)
最上級のグランドパームスイートはマナーハウスの最上階にあり、250㎡という広さを誇る。敷地を見下ろし、パームジュメイラを望む広大なデッキも備わっている。このほか2 ベッドルームで専用のプールも備わるビーチフロントヴィラなど、贅を尽くした部屋が展開する。
洗練の極み。上質な休日を約束するラグジュアリーリゾート
エキゾチックなデザインのメインダイニング「ステイ・バイ・ヤニック・アレノ」。伝統的な料理をコンテンポラリーなスタイルで表現したシグネチャー・ディッシュが楽しめる。
緑豊かな敷地に一歩入ると対岸に広がるドバイの街の活気とは対極的な静寂さが身を包み、ゆったりとした時が流れるのを感じる。プライベートビーチの総延長は450mと敷地は広大だが、One&Only The Palmは限られたゲストのためにある小さなリゾート。わずか90室の客室とたった4棟のヴィラだけだ。
すべての建築とインテリアはムーア調やスペインのアンダルシア地方の建築様式を取り入れたもので、異国情緒たっぷり。モダンでスタイリッシュ、そしてとても繊細な美しさを感じる空間である。手がけたのは、ハイエンドなホテルやリゾートをデザインするWAインターナショナル。そのWAの作品の中にあっても優美さで1、2を争うリゾートといわれるだけあって、パブリックスペースやインテリアは、上質でエレガント。素材の良さや繊細な装飾、家具や絨毯をはじめとするアイテムが一体となって高級感溢れる空間を生み出している。
敷地内にはメイン棟となる3階建てのマナーハウス、低層邸宅風のローライズマンション、ビーチフロントヴィラの3種の建物が佇む。スタンダードなプレミアルームからエグゼクティブスイートやグランドパームスイートまで、スタイルや好みにあわせて選べるが、スタンダードルームでも65㎡という広さを誇る。どの部屋もプライベート性が高く、そしていつまでも滞在していたいほどの優雅さに溢れる。
ダイニングも世界を旅するグルマンをうならすもの。3つあるレストランはミシュラン3つ星獲得シェフ、ヤニック・アレノの料理監修。朝食やランチをブッフェスタイルで多国籍の料理が楽しめる「ZEST 」、伝統的な料理をコンテンポラリーに表現したディッシュが楽しめるディナー専門の「ステイ・バイ・ヤニック・アレノ」、そして桟橋に面した海上の「101」ではランチやディナーそしてバータイムが楽しめる。ここはドバイで最もスタイリッシュなダイニンラウンジとして人気が高い。
ラグジュアリーなリゾートは世界中に数多くあるが、気品と優美さに溢れるリゾートは限られる。One&Only The Palm はそんな数少ない洗練された美しきサンクチュアリだ。
敷地内にはリラクゼーションスポットが点在。美しいサンセット時に訪れたいのが桟橋にある「101」。タパスや地中海料理が楽しめるほか、オープンデッキのバーもあり、海風に吹かれ、広がる夜景を眺めて過ごすひとときは格別だ。ESPA が手がけるスパもぜひ体験したい。豊富なメニューを誇り、要望にあわせたカスタマイズにも対応する。
One&Only Royal Mirage (ワン&オンリー・ロイヤルミラージュ)
すぐ横にはマリーナシティをはじめとするドバイの都市が広がるが、まさに砂漠、いや都会の中のオアシス。プラベートビーチの総延長は約1km に及ぶ。
砂漠の中の極上のオアシス。アラビアンナイトの世界へ
敷地内や内部はアラビアンナイトの世界へと入り込んだかのような豪華な世界が広がる。エキゾチックそして優美さに溢れるレセプションではスタッフが丁寧に出迎えてくれる。
豪華さがウリのドバイのリゾート&ホテル中でも、早い時期からアラブらしい美にこだわったラグジュアリーリゾートがある。それが「One&Only Royal Miage 」だ。前述のOne&Only The Palm を対岸に望むビーチに面し、65エーカーという広大な敷地内にアラビア様式をコンセプトにした3つの宿泊施設が建ち並ぶ。
延々と続く塀と緑の生け垣で囲まれ、アーチやドームなどで構成された独特の建物が軒を連ねるその様は、宮殿のような佇まいだ。ガーデンでは、ブーゲンビリアが咲き誇り、パームツリーが風にそよぐ。鳥達のさえずりもやむ事がない。とてもすぐ横に近代的な都市があるとは思えないほどの環境だ。
宿泊施設は、アラベスク調のコンテンポラリースタイルを取り入れた「ザ・パレス」、世界の名だたるホテルが加盟するThe Leading HotelOf The Worldにリストされる49部屋だけの「レジデンス&スパ」そしてアラビアらしい建築デザインと噴水や庭園美にこだわった「アラビアンコート」という3つの個性あるホテルから構成されている。基本的にそれぞれは独立したホテルとして建つが、1㎞にもおよぶビーチでつながっており、バギーでホテル間を移動できる。いずれの施設も専用のバルコニーがつき、インテリアも大変手が込んだもの。すべてが気品あるつくりで快適さに優れたスペックを誇るが、おすすめはプライバシー性を高め、よりラグジュアリーな仕様を誇る「レジデンス&スパ」だ。一番小さなプレステージルームでも58㎡の広さを誇り、最上級の豪華なガーデンヴィラ (300㎡) など様々な部屋が用意されている。ここの宿泊者だけ利用できる専用のプール、ライブラリー、ダイニングがあるのが特徴だ。
洗練された空間に広がる彩り豊かな楽しみの数々
3つのホテル施設の中でもThe Leading Hotel Of The World に加盟する「レジデンス&スパ」は、より上質さと落ち着きに溢れる。プライバシー性も高められており、専用のガーデン、プール、ライブラリーが備わり、ゆったりと寛ぐための設備が整う。
ゲストルームは重厚なウッドをふんだんに使ったインテリアや調度品の数々で構成され、緑と海を眺める優雅なバルコニーが備わる。エグゼクティブスイートなど広い部屋のリビングはイスラム伝統のぐるりと囲むようなレイアウト「majlis」スタイルを取り入れている。家族や仲間と過ごすにもとても心地よい空間であり、伝統文化を大切に表現した室内は、エキゾチックであると同時に、とても居心地の良さを感じるものだ。
ダイニングは3つのホテルに合計8つのレストランと5つのバーとクラブがある。それぞれ内装も趣向を凝らしており、地中海料理からモロッコ料理、中東からインド料理まで、さまざまな食が楽しめる。ビーチサイドにはグリル料理を扱うレストランもある。
ステイしたらぜひ楽しみたいメニューがレジデンス&スパの「オリエンタル・ハマム」だ。ハマムは中東・イスラム圏の伝統的な浴場のこと。熱めの蒸し風呂にはいり、マッサージとアカスリ、洗体を施してもらうユニークなスタイル。ほんのり暗い浴場の脇には、リラックスルームや会話や喫茶を楽しむテーブルがあり、中東らしい文化を体験できる。
ドバイの市街でもイスラム文化やアラブらしさを感じる場所はあるけれど、ここで過ごすひとときは、アラビアンナイトの世界に入り込んだかのような優雅さに溢れている。そして、気兼ねせずに楽しませてくれるホスピタリティとが心地よい。ここを訪れることを目的にドバイへ足を運んでもいい、そう思えるほど、ステイする価値があるリゾートだ。
落ち着きと高級感溢れる「レジデンス&スパ」のエグゼクティブスイート。広さは118㎡。重厚なウッドをふんだんにつかった広々としたリビングルームとベッドルームからは緑豊かなガーデンと海を望む。バスルームも広く、2つの洗面台が用意される。アメニティはGILCHRIST & SOAMES が用意される。
One&Only Royal Mirage には8つのレストランと5つのバーやクラブが施設に点在する。中東やアジアらしい料理から地中海料理まで、ロングステイでも飽きることがない。
Burj Al Arab (ブルジュ・アル・アラブ)
アラブ流豪華さの極み。王族的気分を楽しむ。
帆船を模したその建物にも圧倒されるが、一歩中に入ると驚くほど豪華な世界がゲストを待ち受ける。リズミカルに変化する噴水に、アラビア海の色鮮やかな魚達が泳ぐ水槽、まばゆいばかりの金の装飾の数々。見上げれば最上階まで吹き抜けた広大な空間。「ブルジュ・アル・アラブ」はまるで贅をつくして圧倒する宮殿のような趣だ。
すべてのゲストルームは、オールスイートで1Fと2Fからなる広大なメゾネットタイプ。アラビックなデザインテイストを基調にゴールドや大理石で飾られたインテリアは、まさに非日常の世界。大きなジャグジーに、エルメスのアメニティ、調度品からベッドまで最上級にこだわり、寛ぐためのすべてが揃う。各フロアには専属のバトラーが24時間体制で控えており、どのような要望に即座にも対応する。
ヘリの送迎やフェラーリなどのレンタル、誕生日や記念日のサービスなどスペシャルなメニューも用意され、とにかくすべてがスーパー。アラブ流の豪勢なおもてなしと王様気分が味わえる。
食事もすべてが驚くような場所ばかり。アラビア海を一望しながらヨーロピアン料理が味わえる最上階のレストラン「アル ムンタハ」に、まるで水族館で食事をとっているかのようなシーフードレストラン「アル マハラ」など、夢のような空間を持ったダイニングが揃う。いずれも超リッチそしてエンターテイメント性に溢れる。
ゲストルームはすべて2階建てのメゾネット式でオールスイート。このほか2ベッドルームタイプやパノラミックビューが楽しめるスイート、広大なプレデンシャルスイートなど用意されている。
ひと味違う上質なドバイを楽しむ。
一般的なデザートツアーとの大きな違いは、かつてこの地を探索していた1950 年代の貴重なクラシック・ランドローバーに乗れること。
オープン走行だからアドベンチャー気分も満点。プレミアムな体験だ。
ドバイは世界最大級のモールが揃いショッピングが思う存分楽しめるほか、マリンスポーツやゴルフなど多様なアクティビティも充実している。中でも人気はここならではのデザートツアー。砂漠でロマンティックに過ごす、ラグジュアリーなプログラムも用意されている。
クラシックカーで行く幻想的な砂漠の世界
ドバイ観光のハイライトといえばデザートツアー。だが、ラグジュアリーな雰囲気を求めるなら「プラチナム・ヘリテージ ラグジュアリーツアーズ&サファリ」のプログラムがおすすめだ。最大の特徴はランドローバーのクラシックカーやメルセデスベンツのGクラスなどエキゾチックなクルマで自然保護区内を走破すること。クラシックなランドローバーはフルオープンで、アドベンチャー気分たっぷり。ツアーにはさまざまなメニューが用意されているが、ディナーコースが人気で、遠く沈み行く太陽を眺めながらの走行は爽快だ。
走行を楽しみながら生態の観察や鷹狩りなど砂漠ならではのワイルドライフに触れ、遊牧民のキャンプへと向かう。キャンプでは香ばしいアラビックコーヒーで歓待され、眩しく光る星のもとオープンエリアで伝統の料理が堪能できる。ラクダに乗ったり、民俗的ダンスの観賞と多くのツアーと変わらないが、単に観光ではなく本物にこだわっているのが特徴だ。高級SUVでのホテル送迎も付く。