心の襞にふれる時の雫『ルイ13世』
幾重にも絡み合う芳香と悠久の時を刻む雫の煌めきが
密やかに飲み手の心に訴えかける。世界最高のコニャック『ルイ13世』。
その一滴一滴は厳かな悠久の眠りによって
さらに高みへと昇華されていく ――。
1874年、4代目当主ポール=エミール・レミーマルタンが創出したルイ13世。樹齢100年の稀少なオーク樽で40年から100年もの熟成を重ねた1,200種類以上のオー・ド・ヴィーがブレンドされている。歴代のセラーマスターたちの最高の技と類まれな感性によって育まれてきたオー・ド・ヴィーはあたかも時の流れがカプセルに閉じこめられたかのようだ。
100年余の眠りから覚めたコニャックの持つ芳香と味わいは、口に含んだ瞬間、何かが脳裏を駆け巡るかのように訴えかける。
「一口味わうごとに、子どもの頃に体験した懐かしい匂い、忘れがたい情景がよみがえり、一瞬にして目の前を駆けめぐる。言葉で表現する以上の感動や喜びを導き出してくれるのが『ルイ13世』なのです」
レミーマルタン社、第5代セラーマスターのバティスト・ロワゾー氏は至高のコニャックをこのように表現する。
若干34歳にして栄誉あるレミーマルタン社のセラーマスターに任命された。その生気あふれる眼差しは『ルイ13世』について語る時、より一層輝きを帯びる。この「生命の水」の持つエレガンスや美しさ、そして芸術ともいえる伝統の職人の業わざのすばらしさを一人でも多くの人々と分かち合い、伝え続けるために自らを捧げる僕しもべでありたいと言う。
「セラーマスターの姿がそのまま世界中に『ルイ13世』のイメージとして投映されるのですから、30代の私を任命したのは、『ルイ13世』というブランドにとっても大胆な決断だったと思います。しかし、それは新しい時代にふさわしいコニャックの伝統を呼び覚ます力を私の中に見いだしてくれたのではないかと思います。時代の変遷を経ても、我々、セラーマスターたちが目指すべき到達点というものは同じなのです。それは、つねに長い歳月をかけて最良のものを選び、生みだすという丹念な業に他ならない。しかし、その高みに到達するまでの方法や道程はそれぞれに違うものであってもよいのです。私は若い世代のセラーマスターなりの勢いや勇気を持っていたい。ですから、私にとって290年という歴史の重みは、乗り越えることのできない重圧や障害と感じることもありません」
先代のセラーマスターであるピエレット・トリシェ氏から多くのことを教えられたという。大手コニャックメゾン初の女性セラーマスターという枠を超え、数々の功績を刻んだ彼女からその人間性の豊かさと寛容、そして伝統の中にも一人の人間として自己を表現すること、想いを豊かに描きだすことの大切さを学んだという。
『ルイ13世』の持つ不思議な魔力―― 飲み手の心の襞を繊細に映しだすあらゆる可能性を秘めた命あるもの ――。
ロワゾー氏の紡ぎだす豊かな言葉の力にふとそんなイメージを連想した。
喜びと感動を分かちあう日のためにある「生命の水」の未来を創造する若きセラーマスター。世界中の選ばれし人々に最良のほほ笑みをもたらす〝夢の紡ぎ人〞と呼ぶのがふさわしい。
ルイ13世
世界最高峰のコニャック『ルイ13世』。バカラのクリスタルであしらわれたデキャンタがこの人類の貴重な遺産の輝きを優しく包みこむ。
希望小売価格¥250,000(税別)
問い合わせ先:
レミーコアントロージャパン株式会社
TEL 03-6441-3025
©Etsuko Murakami
バティスト・ロワゾー(Baptiste Loiseau)
1980年フランス、コニャック生まれ。農学者・醸造学者としての教育を受けた後、国外でさらに研鑽をつむ。2007年レミーマルタン社にプロジェクト顧問技師として入社。当時のセラーマスターであったピエレット・トリシェは早くからロワゾーの素質を見抜き、11年副セラーマスターに任命する。そして、14年4月、34歳の若さで5代目セラーマスターに就任。
290年の歴史を持つレミーマルタンのスタイルを受け継ぐ重責を担う。