美しい日本の原風景に触れる 伊勢志摩 リゾートの旅へ
東西約50㎞、南北約40㎞に広がる伊勢志摩国立公園。
古来から日本人にとって特別な存在だった伊勢神宮を含む3市1町にわたるエリアには、その歴史と風土がもたらす清らかで穏やかな空気が流れている。
都心のめまぐるしい生活に疲れたら、ちょっと立ち止まって……。
風光明媚な景観を眺め、ゆったりとした時を刻む。
そんな心を洗う伊勢志摩リゾートへ出かけてみませんか。
格式高い「志摩観光ホテル」でくつろぎの滞在
まさに英虞湾を抱くような扇状に広がって建つザ ベイスイート
サミット時、米国大統領が宿泊したザ クラシックのロイヤルスイートルーム
自然に溶け込むやすらぎのリゾート
1946年に国立公園に指定された伊勢志摩エリアは、美しいリアス海岸をはじめ、真珠の養殖筏や60もの島々が浮かぶ英虞湾、由緒ある伊勢神宮、日本一の人数を誇る海女さんなど、豊かな自然に恵まれ、長い歴史が育んだ伝統文化が根付いた魅力あふれるリゾート地だ。その中核をなし、戦後初の純洋式リゾートホテルとして誕生した賢島の「志摩観光ホテル」は、昨年、主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」が行われ、脚光を浴びたことも記憶に新しい。開業は1951年。国立公園になったことに加え、真珠の買い付けに訪れる外国人も増え始めていたことから国際的ホテルとして建設された経緯があるが、サミット開催を機にさらにブラッシュアップ。”滞在型国際高級リゾート”を打ち出し、リニューアルオープンした。
さまざまな草木が茂り、野鳥の声が響き渡る約2000坪もの庭園内には趣の異なる3館が点在。
「ザ クラシック」は昭和を代表する建築家、村野藤吾が設計。彼の意匠を残しつつ現代のデザインを調和させ生まれ変わった館内は気品と温もりが漂う。「ザ ベイスイート」は全室100㎡以上のスイートルームが配された開放的でモダンな造り。館内随所に真珠があしらわれ、優雅でやすらぎに満ちている。屋上庭園から望む英虞湾の風景は圧巻。ここはサミット時、各国首脳が一列に並び記念撮影が行われた場所で、ちょっとした趣向が凝らされているのでぜひ足を運んでみて。そして開業当時の建物を生かした「ザ クラブ」はカフェやレストランなどを新設し、くつろぎのパブリックスペースとなっている。
小菓子やソフトドリンク、アルコールなどがセルフサービスで利用できる宿泊者専用ラウンジやフィットネスジム、「クラランス」のリゾートスパ。またリラクゼーションヨガや星空観察会などホテル内アクティビティも充実。思いのままにゆったり過ごすリゾート滞在にふさわしいホテルだ。
英虞湾の景色が絵画のように広がるビューバスを配したザ クラシックのアンバサダースイート。
ザ クラシック内の宿泊者専用ラウンジ。読書や音楽が楽しめるリーディングルームやリスニングルームもある。
ライトやエレベーター、オブジェなどザ ベイスイートの館内は真珠で彩られている。
村野藤吾の造形美が色濃く残るザ クラブのカフェ&ワインバー「Lien」。
靴を脱いでくつろげる客室も用意されている。
御食つ国、志摩の極上食材に舌鼓
万葉時代から、天皇に食料を献上する”御食つ国(みけつくに)”として、鮑などの海産物を納めてきた志摩。一級品の海の幸をはじめ自然の恩恵を受けた食材が豊富で、”食”もリゾート滞在の魅力のひとつだ。
ホテル内のフレンチレストラン「ラ・メール」には、先先代の料理長が考案したとされる〈鮑ステーキ〉や〈伊勢海老クリームスープ〉といった約50年も続く伝統の名物料理がある。当時にしてみれば斬新でオリジナリティあふれる逸品が評判を呼び、”グルメホテル”と称されるほどに。いまなおこれらを目当てに訪れるリピーターも少なくないそう。そんな名声を引き継いだ先代、そして現在の樋口宏江総料理長も伝統を守りつつ独自の解釈で進化した一品を生み出している。彼女の丁寧な仕事とたしかな技術によって、極上食材の持ち味がより際立つ。世界の首脳たちをうならせた〈伊勢志摩サミット記念ディナー〉で、至高の味わいを満喫したい。
伊勢志摩サミット記念ディナー38,000 円より。サミットは会議をしながらの食事だったため、片手で一口で食べられるような工夫を凝らした。伊勢海老クリームスープ カプチーノ仕立て
海の幸 トマトの魅力をさまざまな形で
伊勢茶の香りをまとわせた松阪牛フィレ肉宮川育ちのワサビを添えて
鮑のポワレあおさ香る鮑のソース 伊勢海老ソテーポルト酒ソース 米澤モチ麦のリゾットとともに
ラ・メール ザ クラシックにはサミットテーブルが。1日1組限定で記念ディナーをいただくこともできる。利用料別途。