さらなる進化を遂げた〝エテルニタス〟披露パーティ
Franck Muller Chronicle
フランク・ミュラー氏。
歴史に残る数々のマスターピースを生み出す氏は、アーティストとしても世界中から注目されている。
「無限に小さなものに、つねに大きな関心を抱いてきました。
自分自身で発見したものを絶えず研究し、手を加えてきたのです」
1992年のブランド創設からわずか数年で機械式腕時計ブランドとしての確固たる地位を築き上げたフランク・ミュラー。創設者のフランク・ミュラー氏は、1958年、スイスの時計発祥の地ラ・ショード・フォンに生まれた。厳格なスイス人の父から精密機械へのこだわりを学び、陽気なイタリア人の母から美しいものを愛でる感性を授けられた彼は、幼い頃から骨董品や時計に興味を持ち、17歳でジュネーブの時計学校へ。通常3年間で履修するべき単位をわずか1年間で修得し、最高賞を含め数々の優秀賞を受賞した。その才能と技術の高さはスイスの時計界を席巻し、在学中から様々な有名メーカーのスカウトが押し寄せたという。
1983年、フランク・ミュラー25歳のときにはすでに、ブランドの源となる複雑機能を搭載する腕時計のコンセプトを思い描き、以降、30本を超える複雑時計や革新的な新案特許を発表していった。特に1986年に発表したジャンピングアワー機能付きトゥールビヨンの発表は、世界中に氏の存在を轟かせることとなった。
左・中・右/フランク・ミュラー独自の複雑な機構を持つ腕時計の心臓部は、着想、設計、そして開発までのすべてのプロセスが自社工房で行われている。およそ数十名の優秀な時計師たちがムーブメントの組み立てと調整を行い、厳密な検査体制をパスした製品だけが世に送り出される。
「その人の個性にもっとも相応しい腕時計を提供したい」
ムーブメントにこだわるフランク・ミュラーの豊かな想像力は、時計界において唯一無二の存在である。彼はかつて懐中時計のために考案された複雑機構を、腕時計という小さなムーブメントに組み込むため、絶え間ない挑戦を続けてきた。そしてトゥールビヨン、ミニッツリピーター、パーペチュアル・カレンダーの3つの機能を搭載するという偉業を成し遂げた。
Master of Complications─複雑時計の名匠─。フランク・ミュラーの工房でつくられる腕時計に刻まれているこの言葉は、そのまま彼の時計づくりの哲学でもある。そのポリシーは、古くから受け継がれた伝統を継承しながらも、常に発想を転換させ、卓越した美的感覚を高度な技術で具現化することにある。
優雅な曲線を描くフェイス、独創的なデザインの文字盤、そして複雑さを極めた機構。そのすべてにおいて妥協することなく腕時計を進化させてきたフランク・ミュラーの情熱は、人と時の親密な関係を想起させ、自分にふさわしい時間の創造へといざなう。
フランク・ミュラー
『コンキスタドール グランプリ クロノグラフ』
モナコの時計フェアで発表されたもうひとつの話題作。
2009年にシンガポールで開催されたF1グランプリを讃えるために作られ、レースの興奮と情熱を高度な技術力と美的感覚で表現している。
F1や航空産業で使われているハイテク素材「エルガ」を採用し、より高い耐久性を実現。
フランク・ミュラー
『インフィニティ・カーベックス』
洗練された女性のイメージを体現したモデル。
シュールレアリスムの絵画を思わせるような文字盤と官能的なカーブ、そして文字盤とケース全体に贅沢に敷き詰められたダイヤモンドの輝きが、女性の手首を美しく彩る。
時計コレクションとしてだけでなく、ハイジュエリーとしての個性も際立っている。