石鍋シェフと往く 食と芸術と愉楽のソウル

フレンチの巨匠、石鍋 裕さんが約30年ぶりに訪れた韓国・ソウル。かつての面影を残しながら洗練を極めたソウルの、食、アート、エンターテイメントを、シェフ独自の視点でお話しいただきました。

追想の韓国、展望のソウル

語り:石鍋 裕

変貌する都市

追想の韓国、展望のソウル
石鍋 裕

 初めて韓国を訪れたのは、ソウルオリンピックの数年前ですから、もう30年近く前になります。『日本料理のルーツを探る旅』と銘打ったツアーで、京都の日本料理研鑽会の料理人たちといろいろな地域を案内してもらいました。でも正直言って、当時の韓国はまだまだという印象でした。以来しばらく足が遠のいていたのですが、ここ1?2年でまた仕事で行き来するよう
になりました。
しばらくぶりに訪れた韓国は、その変貌ぶりにびっくり、という感じで(笑)。「こんなにまで発展したのか」という驚きと、そのバイタリティ、スピード感に圧倒されました。道路事情も格段によくなりましたし、なにより国民一人ひとりの愛国心が強追想の韓国、展望のソウルい。現在の李大統領になってから下水道を整備しましたが、ソウル市だけでなく、都心からかなり離れた地方まできれいになっているのです。政府が内需を大切にしているから、自然に愛国心が湧いてくるのでしょうね。目覚ましい発展を遂げた韓国のパワーの源は、こういったところにあるのだと思います。

二度と味わえない一皿

食文化も今と昔では大きく変わりました。
30年前、ちょっと特殊なレストランを訪れたことを覚えています。そのレストランには屠殺場があり、牛骨や肉をドドドッと豪快に鍋に入れ、ビーフコンソメを作っていました。そのあとスープの中から肉を取り出して薄切りにし、塩・コショウでいただくのですが、牛肉の風味が濃厚でとてもいい味でした。熱々の血もお豆腐のようにちゃちゃっと切って出してくれました。
見た目は悪いのですが、これがまたすごく美味しかった。あの味は、30年経った今でもはっきりと覚えているくらい衝撃的でした。機会があればもう一度食べたいと思いますが、今はもうこのようなレストランはなくなってしまいましたよね。
韓国で一番有名なサムゲタンのお店「土俗村」は、昔はもう少し小さくて、たった5人の女性が切り盛りしていました。当時は今よりも洗練された味だったように思います。今は店がお洒落になって、味にも高級感が感じられます。いわゆる宮廷料理の、抜粋された料理といいましょうか。
他の店で食べたチヂミも、まるでクレープみたいに薄くて、油をほとんど使わずに焼いていました。具材もマグロや牛肉などが主で、とても丁寧な味付けでしたね。
今と昔の韓国、どちらが好きかと聞かれたら、やはり今の方が好きです。しかし昔のソウルには、その時代にしか味わえない驚きや面白さがありました。今となってはそれが懐かしく思い出されます。

未来を見据えたアート・コレクション

1997年のアジア通貨危機の前後から、韓国の富裕層たちはアート作品を資産として収集するようになりました。通貨危機のときお金の価値がなくなったため、アート作品で経済を回していこうと考えたのでしょう。グループで美術館や一棟建てのマンションを造ってそこをアートビレッジにし、作品を共有するのです。購入する作品は、世界に通用する換金性の高いものがほとんどです。いざというとき売ることができれば、たとえば100年後にビルを建て直さなければならなくなったとき、その作品を売却して資金を捻出することができるというわけです。とても合理的な長期計画です。
このように、韓国ではアートはある意味『投資』です。世界で認められた作品は値下がりしませんから、そういったものを買い集めているのです。それに売却する際も、作品がどのような場所にあったかということが明確であれば買い手に安心してもらえます。彼らは『世界で認められる作品を持っている』ということの重要性をよく理解しているのでしょうね。
日本にもたくさんのアート作品がありますが、日本の場合は、日本美術のように価値はあるけれど売れないものが多く、いわゆるインターナショナルに通用する作品が少ないのです。もし作品を資産にしたいと思うならば、『投資眼』を養っておく必要があると思います。そして自分の趣味で購入するものは自己資金の範疇で楽しんでください。ソウルにはウォーカーヒル・カ
ジノがありますから、ギャンブルで勝ったときは美術品を購入する、というのもいいでしょうね。お金は飲んだり食べたりしているといつの間にかマイナスになってしまうけれど、美術品は残りますから。

追想の韓国、展望のソウル追想の韓国、展望のソウル追想の韓国、展望のソウル
/韓国一おいしいと評判の「土俗村」のサムゲタン。
右上/宵闇に浮かぶソウル市。
右下/ソウル市江南区を東西に走るテヘラン路。ビジネス・金融の中心地のひとつである。

石鍋 裕 Yutaka Ishinabe
フレンチの老舗「クイーン・アリス」オーナーシェフ。
アートへの造詣も深く、クイーン・アリスにはジャン・ピエール・カシニョールの作品を飾っていた。その縁でカシニョール本人も来店したことがある。
フランス料理をビジネスとして成功させ、人気TV番組における「フレンチの達人」としても活躍。
神奈川県横浜市生まれ。

上質な大人のためのエンターテインメント「パラダイスカジノ・ウォーカーヒル」

上質な大人のためのエンターテインメント「パラダイスカジノ・ウォーカーヒル」
名門を感じさせる華やかなインテリアが上質な時間を演出している。

東京から飛行機で約2時間。気が向けば週末にふらりと出かけることもできるソウルのウォーカーヒルは、峨ア チ嵯ャ山の美しい自然に囲まれた都市型リゾートエリア。眼下に雄大な漢ハンガン江を望み、ソウル中心街の喧騒からはかけ離れた静かでゆったりとした時間が流れる。
ウォーカーヒルを訪れたら一度は訪れたいのがカジノだ。「パラダイスカジノ・ウォーカーヒル」は、1968年に創業したソウルで最初の韓国政府公認カジノ。日本では「カジノ」イコール「ギャンブル」と認識されることが多いが、カジノは見方を変えれば極上のエンターテインメントである。ちょっと時間があるから、たまたま週末の予定が空いたから、時間潰しに、あるいはパートナーと一緒にポケットマネーで遊ぶということであれば、カジノは決して一部の人々の遊びではない。 スタッフに案内されて中へ入ると、約1000坪の広いフロアにスロットマシンやルーレット、バカラ、ブラックジャックなどのテーブルがずらりと並ぶ。一つひとつのテーブルが大きく、隣席との間隔もゆったりとってあるため、リラックスして優雅な時間を過ごせるのがうれしい。
「海外で遊びに嵩じるとき、気になるのは言葉の壁ですが、ウォーカーヒルは外国人専用ということもあり、日本語を話すディーラーが多いので心強いですね。遊び方を説明してくれるスタッフもいるし、日本語のパンフレットもあるので、カジノに慣れていない人でも安心してプレーが楽しめます」。そう話す石鍋さんのカジノ歴は長い。カナダ、オーストラリア、ヨーロッパなど、仕事やプライベートで訪れるさまざまな国でプレーを楽しむという。
「国によって賭け方もドレスコードも違いますし、プレーする側のマナーもいろいろです。そんななかでウォーカーヒルが好きな理由は、やはりマナーと治安のよさ。堅苦しくなく、ほどよいラフさがあり、空間の至るところでスタッフの温かさが感じられます。それに、ゲームの合間に小腹が空いたら、本格的なビビンパやオムライス、サンドウィッチなどをいただけるのもうれしいですよね」。
これらの飲食はもちろんすべて無料サービス。ソフトドリンクやアルコール類は、ゲーム中に席からオーダーすることも可能だ。
40年を越える歴史と格式に培われてきたきめ細やかなサービスは、各国のカジノの中でもトップクラス。ここではゲームの勝ち負けにこだわらず、心地よい高揚感と上質な時間を堪能するために出かけてみるのもいいだろう。

上質な大人のためのエンターテインメント「パラダイスカジノ・ウォーカーヒル」上質な大人のためのエンターテインメント「パラダイスカジノ・ウォーカーヒル」
/ルーレットに興じる石鍋シェフ。「大きいチップで勝ったときには現金に戻し、残ったチップでどこまでいけるかを賭けて遊ぶ。
いわば元金保証みたいな固い賭け方をしればそんなに損はしません。」と話す。
/カジノ上級者に人気のバカラ。テーブルによって賭け金が異なる。
パラダイスカジノ・ウォーカーヒル

パラダイスカジノ・ウォーカーヒル
ソウル特別市広津区広壮洞山21シェラトン・グランデ・ウォーカーヒル B1F
TEL +82-2-450-4826
www.paradisecasino.co.kr/Jpn

パラダイスカジノ・ウォーカーヒルは外国人専用のため、パスポートまたはメンバーカードの提示が必要。エントランスに立つと、日常を離れて異空間を訪れるような期待感が高まる。
カジノ上級者に人気のバカラ。テーブルによって賭け金が異なる。パラダイスカジノでは、ブラックジャックを学んだり、楽しむことのできるiOS用アプリThe BlackJackを無料で提供している。

紅葉に染まる庭園を眺め、炭火焼き韓牛に舌鼓み

紅葉に染まる庭園を眺め、炭火焼き韓牛に舌鼓み
焼き加減で味が左右されるため、肉はスタッフが焼いてくれる。

1984年に開業した「明月館」は、ソウルでも指折りの高級焼肉店。ソウル東部の峨嵯山の麓にそびえる五ツ星ホテル「シェラトン グランデ ウォーカーヒル」の敷地内に建ち、漢江を望む絶景と美しい庭園でも評判を呼んでいる。
メニューには最高級の韓牛を使用した生カルビや、霜降り韓牛を果汁と野菜汁のタレに24時間漬け込んで熟成させた味付けカルビなどがあり、舌の肥えたゲストたちを唸らせている。
「肉をマリネしてあるので、薄く切ってあってもしっかりとした味がついていて、旨みがあってやわらかい。これならお年寄りでも美味しくいただけます」と石鍋シェフ。さらに、「いつも日本の肉の方が絶対に美味しい、という確信をもって挑んでいるのですが、この肉にはひと口食べて『お、これはいける!』という新鮮な驚きがありました。こういう料理に出合うのは久々です。料理人の丁寧な仕事ぶりに、おもてなしの心を感じますね」。
良質の韓牛をさらにおいしくしているのは『炭』。明月館では、韓国産の炭の中でも最高級として知られるアベマキの樹木からとった炭にこだわっている。この炭で肉を焼くと、遠赤外線の作用によって肉に均等に火が通り、肉の旨みをぐっと引き出してくれるという。素材にこだわり、手間を惜しまず、丁寧な調理で極上の逸品を供してくれる明月館。ソウルを訪れたら一度は足を運び、良質の韓牛を堪能したい。

紅葉に染まる庭園を眺め、炭火焼き韓牛に舌鼓み紅葉に染まる庭園を眺め、炭火焼き韓牛に舌鼓み紅葉に染まる庭園を眺め、炭火焼き韓牛に舌鼓み
/サービスの小皿料理も一つひとつ丁寧な味付け。
/「 プルコギ」は醤油ベースの甘い味付け。とてもジューシーで日本人にもファンが多い。
/名物「特製カルビタン」。ランチ時にはこの一品を目当てに来るお客様で行列ができる。
炭火焼肉専門レストラン「明月館」

炭火焼肉専門レストラン「明月館」
ソウル特別市広津区ウォーカーヒル路 177
TEL +82-2-450-4595
sheratonwalkerhill.co.kr

風光明媚な自然に囲まれて建つ明月館。
窓際で景色を眺めながらの食事は格別。

五感を刺激するスタイリッシュな独創空間

五感を刺激するスタイリッシュな独創空間
リビングルームの片隅にある「WooBar」。丸い宇宙船のようなDJブースでは国内
外の有名なDJが音楽を担当する。

2004年オープンの「Wソウル-ウォーカーヒル」は、国内外のアーティストや流行に敏感なセレブリティたちが繰り返し訪れる高級ホテル。NYのスタジオ・ガイア、香港のアーロン・タンなど世界的な建築家やデザイナーが設計した空間は、既成概念にとらわれない独創的なデザイン。見るものすべてが刺激的だ。
客室は全252室あり、そのうち29室がスイートルーム。広々とした室内には寝室やバスのほか、リビング、キッチン、バーなどを備え、優雅な滞在を叶えてくれる。
女性に人気のスパは、Wホテル直営の「アウェイ・スパ」。1524㎡の施設内には屋内プールやスパカフェなどもあり、韓国でも有数の充実度。メニューはインドのアーユルヴェーダ、トルコのハマムなど多種多様で、古今東西の伝統的な技法から最先端美容までじっくり体験することができる。
1Fの「WooBar 」はトレンドリーダーたちの社交場。さまざまなアートや卵形の椅子など遊び心が満載で、何時間いてもあきることがない。ウォッカやカクテルをいただきながら、刺激的な夜を堪能したい。

五感を刺激するスタイリッシュな独創空間五感を刺激するスタイリッシュな独創空間五感を刺激するスタイリッシュな独創空間
/ホテル外観やエントランスもスタイリッシュ。
圧倒的な存在感を放っている。
/13階のエクストリームワウスイートは広さ237 ㎡。窓の外に見える峨嵯山と漢江もデザインの一部になっている。
/3フロアにまたがる「アウェイ・スパ」にはお風呂だけでも7つ、17室のトリートメントルームがあり、滞在中毎日通っても体験しきれないほど。

Wソウル― ウォーカーヒル
ソウル市 広津区 広壮洞21
TEL +82-2-465-2222
www.wseoul.com

優雅なフライトを約束する大韓航空のプレステージクラス

優雅なフライトを約束する大韓航空のプレステージクラス

韓国へのフライトは、40年以上の伝統に培われた品格と実績をもつ大韓航空をおすすめしたい。羽田、成田をはじめ、札幌、静岡、名古屋、大阪、福岡、鹿児島など全国15都市16空港から韓国の主要都市への路線を持ち、アクセスのよさは抜群。世界42カ国122都市へ就航しているので、トランジットもとても便利。フライトの待ち時間、ゆったりとした空港のラウンジでひと息くと、気分はすっかりバカンスモードにシフトする。
プレステージクラス(ビジネスクラス)では、充実した施設ときめ細かなサービスでより優雅なひとときを過ごすことができる。パーソナルスペースを最大限に確保した空間には、170度のフラットシートを採用。座席を倒しても狭くならないバックシェルタイプのため、心身ともにリラックスできこの上なく心地がいい。

優雅なフライトを約束する大韓航空のプレステージクラス
ホテルのような寛ぎをもたらす「プレステージプラスシート」

一流シェフが厳選した食材でつくる機内食は、最優秀機内食賞を過去2度も受賞した実績をもつ本格派。受賞したビビンバとビビンクス(韓国式そうめん)を目当てに搭乗する人もいるほど、その人気は高い。
羽田、成田から約2時間半の空の旅が、最新の設備とこだわりの食事、そして温かいおもてなしで忘れがたいひとときへと昇華する。旅のはじまりと終わりに、上質のサービスを堪能してはいかがだろうか。

優雅なフライトを約束する大韓航空のプレステージクラス優雅なフライトを約束する大韓航空のプレステージクラス
/仁川国際空港のKALラウンジで、搭乗前のひとときをゆったりと過ごす。
/最優秀機内食賞を受賞した「ビビンバ」。数々の賞を受賞したワインをはじめ、アルコール類も豊富。

大韓航空
日本地域サービスセンター

TEL 0088-21-2001(フリーコール)
TEL 06-6264-3311(携帯電話・一部IP電話より)
http://www.koreanair.com