大自然と共生する楽園 FITCUBA 2013 キューバ
歴史的建造物やカリブの原風景を残すキューバでエレガントに過ごす
サンタ・クララにチェ・ゲバラの霊廟。建物内にはチェの遺骨や衣類、愛用の腕時計などが収めらている。
カリブの真珠と称賛されるキューバでこのほど、その魅力を全世界に発信するための観光博「FITCUBA 2013」が開催された。今年のテーマは、プライベートビーチやプールを備えるラグジュアリーホテル、マリーナなどを完備するキューバのリゾート都市バラデロ、テーマとなる国はブラジルだった。この地での祭典を中心に、首都ハバナ、1988年のユネスコの世界遺産に登録されたトリニダーやロス・インヘニオス渓谷、カリブの原風景を残し、世界中に愛好家を有するハバナシガーの原料を生産する西部ピナール・デル・リオ、熱帯の密林、ワニが生息した大河といった大自然を堪能できる東部シェナガ・デ・サパタなどへ。さらにビジャ・クララ、チェ・ゲバラの霊廟があるサンタ・クララ、野球場のあるマタンサスほかを取材した。治安もとても良く、学費、医療費は国が負担するためキューバ国民は皆、健康的で陽気だ。また、かつて統治したスペインの歴史的建造物や1940-50年代に製造された自動車も現役で走っている。こうしたキューバの”いま”を伝える。
大自然を残しつつ観光立国としても発展
バラデロにある高級ホテルのプライベートビーチ。
観光客を積極的に受け入れているキューバ。
スイスやドイツをはじめ、各国の富裕層たちもバラデロのマリーナを拠点に、ヨットやクルーザーなどでカリブ海を満喫するために訪れる。
プライベートでくつろぎ、キューバ発祥のカクテル、モヒートなどを楽しむひと時はまさに、時間の経過を忘れ、心身ともに癒される。日中、強い日差しが照りつけても、木陰に入ってしまえば貿易風が涼を運んでくれる。
また、ハバナ旧市街をはじめ、街を歩けば地元の人の笑顔や、プロミュージシャンによるハイレベルなキューバンミュージックに出会える。アバネーラやダンソン、ソン、マンボ、チャチャチャ、ルンバ、サルサ、ボレロといった音楽やダンスの発祥地でもあり、上質なラム酒、搾ったばかりのサトウキビジュース、パパイヤやマンゴー、マメイといった新鮮な南国フルーツはことのほかおいしい。キューバの国民食である米と黒豆を炊いたコングリは、赤飯によく似ている。一般的に辛い香辛料は使われないので、激辛料理が苦手の人にも心強い国だ。高級レストランやラグジュアリーホテルでは、上質な西洋料理を堪能することもできる。
メリア系の高級ホテルのロビーやビジネスセンター、客室ではWi-fi接続によるインタネット環境も完備されていた。
FITCUBA 2013 のメイン会場での開会式の一幕(キューバ・バラデロ)。
どの街に行ってもご覧のように、地元の人たちが歓迎してくれた。
文学やフィッシング好きにもお勧めの国、キューバ
バラデロに新しくできた超高級リゾートホテル。浴室の周囲は生花で飾られ、全身エステを受けられる。1泊15万円相当のロイヤルコースが人気だという。
キューバの魅力は広大で奥深い。音楽やダンスが好きな人なら、サルサやマンボなどの発祥地ならではの伝統と革新に触れることができる。また、アメリカ文学や釣り好きにとっても憧れの地だ。
キューバを愛し、フィンカ・ビヒアの私邸で50匹近い愛猫と過ごし、小説を書いた文豪ヘミングウェイは、キューバ近海で30年近くも愛艇ピラール号を駆った。現在、キューバで開催される釣りの大会「ヘミングウェイ・カップ」は、世界中から参加者を集めている。そしてフィンカ・ビヒアには現在、ピラール号をはじめベッドルームや家具、本などが生前そのままのように展示、公開されている。
ハバナ市街には、ヘミングウェイが足繁く通ったモヒートの店、ダイキリを好んで飲んだバー、名作「誰がために鐘は鳴る」を書きあげたとされるホテル「アンボス・ムンドス」があり、滞在した511号室は愛用品などと共に保存され、公開されている。
また、野球が好きな方は、マタンサスの野球場を訪れてほしい。リーグ中ならば、一流選手が試合後、地元のファンの少年たちと握手をしたりして触れ合うシーンを目撃出来るかも知れない。この地から少し足をのばせば、熱帯ならではの密林、ワニが生息した川がある。
また、カップルでラグジュアリーに過ごしたいのであれば、プライベートビーチや、コテージ風の部屋の前がプールといった、バラデロの高級ホテルをお勧めする。超一流の接客を身に付けたキューバ人スタッフが、素で見せてくれる笑顔は心を癒す。欧州からの投資も集め、料理なども上質だ。リゾートして年々、スイスやフランスでの人気が高まり、富裕層を集めている。ぜひ一度、キューバを訪れてほしい。伝承の音楽やダンス、キューバ発祥のモヒートなどによるウェルカムサービスは、忘れられないものとなるだろう。
高級ホテルではご覧のように、本格的なコース料理を堪能することができる。
熱帯の密林と湖水のあるキューバ東部。険しい山を登るとコーヒー農園がある。キューバが産するオーガニック・コーヒーやハチミツはとてもおいしい。
キューバが全世界に誇るハバナシガーとの付き合い方
インターコンチネンタル商事
代表取締役 ルイス・ヴィグデン氏
日本におけるキューバ製葉巻の総輸入元であり、シガークラブを経営するルイス・ヴィグデン氏。氏の父が葉巻のビジネスをスタートさせたのが1982年。その翌年にヴィクデン氏が社長に就任、全体の2%だった葉巻ビジネスを育て、1986年には日本におけるキューバ製シガーの輸入代理権を獲得する。
開口一番に氏は、「シガークラブでは、ライフスタイルを豊かにする紳士小物も手掛けていますが、ハバナシガーも同じで熟練職人による技術の賜物である作品を扱う。これこそが弊社のレゾンデートル(存在意義)」と述べた。
また、飯倉本店をはじめ、ザ・ウエスティン東京といったラグジュアリーホテルに店を構えるシガークラブ。そのオープンの日時にまつわるエピソードも興味深い。「シガークラブのオープンは1992年10月12日です。その3カ月前には開店できたのですが、敢えて待ちました。といいますのも、インディオスが儀式などで用いた葉巻の発見、その伝来の起点でもあるコロンブスによる新大陸発見(1492年10月12日)から500年目をオープンの日にしたかったから。ゆえにシガークラブのロゴには、Tokyo1992 、そして右にコロンブス、左にインディオが描かれているのです」。
シガークラブの商品であるハバナシガーのフラッグシップブランド、コイーバを手に。
こうして20年以上にわたり、ハバナシガーの輸入代理店として、またシガークラブという販売と交流の場を通して、日本に広く深く葉巻文化を根付かせるという功績を残す。
「弊社が輸入し、徹底して管理した極上のキューバ製シガーをおいしく吸うためには、快適な空間、音楽、酒、人、気持ちのゆとりが必要だと考えます。1週間に一度、あるいは月に一度あるかないかの、こうした環境を日常的に用意して、わたしはハバナシガーと向き合っています」と締めくくってくれた。
ハバナシガーを好む人なら毎日でもかまわない。友人や家族と食事を楽しみ、快適な空間で会話や好きな音楽やアート、コーヒーや食後酒を楽しみながら、同社が厳選し徹底管理したハバナシガーを堪能したいものだ。
ラ・カーサ・デル・ハバノ by Cigar Club
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