Hawaii is Home Love of the Land,love of the Sea
ハワイには、思いやりの心を意味する
「Mālama ―マラマ―」という言葉がある。
ハワイに暮らすということは、
限りある自然に対して思いやりの心で接し、
多様な文化や人種に対して寛容であることがもっとも重要とされる。
昨今、様々な社会課題が地球規模で顕在化し、国連において持続可能な開発目標であるSDGsが採択されたが、
ハワイでは、独自の目標を掲げて、アロハプラスチャレンジとして地域主導のプログラムを実践している。
今回は、歴史のあるホテルやレストラン、宮殿跡を訪れて、
ハワイの人々に受け継がれてきた「Mālama ―マラマ―」の精神を探ってみたい。
撮影・文:大橋マサヒロ
取材協力:宝田誠
Iolani Palace イオラニ宮殿
―ハワイ王朝の歴史を伝える宮殿 Iolani Palace-
ハワイ王国の紋章が迎えるゲートをくぐると、広大な庭園が広がり、椰子や菩提樹の巨木が伸ばす木陰の先には、アメリカ合衆国で現存する唯一の王宮、イオラニ宮殿が佇む。
カラカウア王の遺志を受け継ぐ宮殿
飛行機のなかった時代、はるばる大海原を航海した末に港へ降り立ったハワイへの来訪者は、イオラニ宮殿へと向かう道をどのような思いでやって来たのだろう。太平洋の真ん中のそれほど大きくない島で、目にした石造りの瀟洒な宮殿には目を見張り驚いたであろう。
館内に入るとまずは初代ハワイ王国カラカウア王をはじめ、歴代王族の肖像画が飾られたグランドホールに出迎えられる。その先にはハワイの銘木コアを使って作られた、当時は王族以外の使用が認められなかった重厚な階段が続く。ハワイ王朝が活発な外交を繰り広げていたことは館内のいたるところから感じ取ることができる。建築様式や資材を各国から取り寄せ、ハワイの伝統文化と当時の最先端テクノロジーとの融合を図っていたことに驚かされる。西洋スタイルの家具は、移民としてやって来たポルトガルやドイツ系の家具職人が、この王宮の為に制作したという。すでに当時のハワイは多民族国家だったのだ。さらに、内部の水洗トイレ、水はもちろんお湯の出るシャワー、また、電話が引かれ、宮殿内には電灯が灯っていたという。それらはバッキンガム宮殿やホワイトハウスよりも先んじていた。カラカウア王の先見性、先進性とともに、太平洋の真ん中に浮かぶ島国のハワイ王国が、いかに世界の国々と深い交流があったかを物語る。
歴代王族に備わるという「マナ」は超自然的な源や神の力と理解される。現代でも立ち入りが制限されている聖なる入江や山の木立など、古来から森羅万象に通じ、神話とともに暮らして来たといわれるハワイの人々。ハワイの地に我々日本人が安らぎを感じるのはその為かもしれない。栄華を誇った王国は時代の波に翻弄され消滅したが、ハワイに古代から伝わる神話と自然観はアロハスピリッツとして後世の人々へ確実に受け継がれている。それは大樹の根元から命を宿す若芽のように。
近年、世で問われる地球温暖化防止や持続可能な共生社会の指標は、自然界の神聖なものを崇拝してきたハワイの人々の暮らし方そのものではないだろうか。他民族に対して寛容で、崇高な自然を崇拝し、適切な距離を保って暮らす知恵。文字を持たなかった時代のハワイ神話「クムリポ」を王朝最後の王、リリウオカラニ女王が英訳して、伝説や神話を世に遺したのには訳があるはずだ。
その精神を継ぐハワイの人々から話を聞き、伝説を紡ぐ神々の地を訪れる。
Information
イオラニ宮殿
364 South King Street,Honolulu
TEL +1(808)522-0822
www.iolanipalace.org
The Kahala Hotel & Resort ザ・カハラ・ホテル&リゾート
①
③
②
④
①カハラカイ・スイートのラナイからは穏やかなビーチを一望できる。②③プレジデンタル・スイートにはダイアナ元妃がお泊りになられたことがあり、ベッドルームやリビングは優雅で気品に溢れ、窓の外に広がる海と空を独占できる。④メインダイニングの「ホクズ」は贅を尽くしたダイニング。⑤ハワイの食材と世界の味を融合させたミズカミシェフの技が冴える。⑥⑦⑧ミズカミシェフ就任後に一新したメニューは、ひと口ごとにハワイ文化を味わえる。伝統的な料理にアレンジが加わり、西洋で馴染みのある料理の中にもハワイらしさを感じるオリジナル料理ばかり。⑨独自の取り組みでサステナビリティに取り組んでいて、ゲストがミロの木を植樹する活動もその一つ。⑩空気中から取り出された水を無料で提供するウォーターサーバー。
優雅さと静寂でもてなす ハワイ屈指の極上リゾート
ワイキキビーチの喧騒を離れた閑静な住宅地に建つ「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」。凜とした佇まいと研ぎ澄まされたホスピタリティーは1964年の開業以来、変わることはない。
新たな美食の旅への扉が開く
今回、ハワイならではのSDGsの取り組みを探る為に、各方面の方々にお話を伺っていたところ、ハワイの料理や素材を基本とした、サステナビリティを実践しているシェフがいるとのことで早速、「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」のメインダイニング「ホクズ」へ伺った。
ジョナサン・ミズカミ氏が総料理長に就任したのが2020年1月。アメリカワインの名産地ナパ・バレーやニューヨーク、スペイン、ロンドンなどのミシュラン星付きレストランで経験を積んだミズカミ氏は、ハワイの豊かな食材と伝統的な料理、さらに世界の一流レストランで学んできた自身の知識と技術を、ゲストはもちろん、キッチンスタッフにも伝えたいという思いを込めて、「ホクズ」のすべてのメニューを一新した。
特筆すべきひと皿は「ホワイトハワイアンカヌーポテトのアニョロッティ」。ポリネシア人がカヌーでハワイまで運んだ希少品種のジャガイモを、マウイ1島にある有名なオプラ・ウィンフリーの農場から仕入れている。ジャガイモのアニョロッティとじっくりと丁寧に蒸した葉には、異なる触感を出すため揚げたジャガイモをトッピングしているなど、野菜の全てを味わってもらい、無駄にしないことを心がけていると伺った。ミズカミ氏がコロナ禍にここへやって来たのは必然だったのだ。経験と技術から料理を生み出す彼は、まるでハワイの歴史と文化を伝承する語り手のようだ。
美しい自然を次世代へ繋ぐ使命
カハラホテルの新たな取り組みが、ロビーに設置されたウォーターサーバー。これは空気中の湿度(水分)から水を取り出す特別な装置を備えており、注ぎ口からは無料の飲料水が提供される。現在テスト期間としてサービスが提供されているが、この革新的なサービスはこのホテルが取り組む活動のほんの一部である。また、オアフ島ノースショアに、寄付とボランティア活動によって植樹されたハワイ固有のミロの木は、今年4月に1万1000本に達した。それは、人や自然に対して持続可能な共生社会を目指し、文化、芸術活動を通じてこの美しい島を守り、明るい未来を次世代へ繋ぎたいとの思いから。開業以来変わらない「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」の、ハワイへの思い入れが伝わってくる。
Information
THE KAHALA HOTEL & RESORT
5000 Kahala Ave., Honolulu Hawaii
TEL +1(808)739-8888
https://jp.kahalaresort.com/
(日本でのお問い合わせ)
オークラ ニッコー ホテルズ 予約センター
TEL 0120-52-8013(9:30~18:00)
The Royal Hawaiian,
a Luxury Collection Resorta Luxury Collection Resort
ザ ロイヤルハワイアン
ラグジュアリーコレクション リゾート
時を経てなおも輝き続ける伝説のホテル
そのピンク色の外観から「太平洋のピンクパレス」と呼ばれる名門ホテルが「ザ ロイヤルハワイアン ラグジュアリーコレクション リゾート」。上流階級の旅の移動手段が蒸気船だった時代に、アメリカの海運会社マトソン社の創業者、ウィリアム・マトソンがサンフランシスコとハワイを航行する豪華客船マロロ号の乗船ゲストの為に建てたのがその始まり。アメリカでの好景気を反映して超富裕層のバカンス先として成功した太平洋の楽園ハワイだが、当時はアメリカ西海岸からハワイまで5日もかかる長旅だった。その為、到着したゲストの多くはハワイの瑞々しい木々の緑と爽やかに吹き抜ける風に癒されたという。ピンクパレス本館の半分以上がガーデン・ビューというのも有名な話だ。
船旅のゲストを癒してきた古き良き楽園
時は経ってもその存在感は色褪せない。かつてヘルモアと呼ばれるハワイ王室の休憩所だった土地に建つピンクパレスは、エキゾチックな東洋の雰囲気とスペイン風ムーア様式の外観が見事に調和していて、訪れる者を神話の世界観へ誘う。チェックインを済ませて荷を解いたらまずは、その名がトロピカルカクテルの代名詞ともなったマイタイ・バーに席を取ってオリジナルのマイタイをオーダーしたい。ワイキキビーチとダイヤモンドヘッドを眺めながらグラスを傾けると、歴史を紡ぐ伝説のホテルに滞在しているのだという実感が湧いてきて、語り継がれる物語の1ページに立ち合えた幸せが込み上げてくる。
レセプション奥の創業当時から変わらないテラコッタタイルの階段が地下へ続く。そこには、1927年のオープニングパーティの様子を伝える新聞記事やパーティの案内状、ディナーメニューなどが展示されていて興味深い。過ぎ去りし時を大事にする姿勢は、どこか日本人の気質にも通じる。ホテルの格を決めるのは、サービスや居心地の良い客室だけではなく、その土地が育んできた歴史的価値や存在感、そして物語。高層ホテルや煌びやかなショッピングモールが建ち並び、常に進化を続けるワイキキビーチに佇む老舗ホテルにはその全てが備わっている。
Information
ザ ロイヤルハワイアン
ラグジュアリーコレクション リゾート
2259 Kalakaua Avenue Honolulu, Hawaii
TEL +1(808)923-7311
www.marriott.co.jp/hotels/travel/
hnllc-the-royal-hawaiian-a-luxury-collection-resort-waikiki/
REMEDY SPA HI レメディー スパ ハワイ
ハワイ唯一の革新的 トリートメントで美と健康を創造
今年8月、ワイキキにオープンした「REMEDY SPA HI」は、清潔感あふれる上質でラグジュアリーな空間でゲストを迎える。最先端技術と独自のテクニック、そしてゲストのニーズに合わせたカスタマイズトリートメントで究極の安らぎを得られると、早くもハワイ在住日本人セレブの間で話題になっている。
このスパは、日本をはじめハワイやアメリカ本土からのセレブの為に、従来のトリートメントでは体感できなかった体の内と外の両面で、美と健康を育むハワイ唯一のスパを目指すという目標を掲げている。ハワイは以前から多様な人々が集まり、共生社会が確立されてきた歴史がある。それだけでなく古くから神話の世界観や、聖地に対し畏敬の念を持って大切に守り語り継いできた。ハワイという土地に備わる目に見えないパワーやヒーリング、そして他者をいたわる精神性を、「REMEDY SPA HI」は多くの人たちに伝えていくだろう。
今までにない 独自のスパを目指す
単に疲れをとるのではなく、究極の癒しと〝しあわせ〞を提供するために、全てにおいてこだわりを持つのが「REMEDY SPA HI」のポリシーだ。デザインコンセプトはハワイの美しい景色と自然をさりげない形で表現すること。
まずは「花」をモチーフにした鮮やかなカーペットがゲストを出迎える。そして打ち寄せる波と砂浜をイメージしたタイルで飾られたレセプションでトリートメントの受付を済ませる。そして上質のファブリックに包まれるトリートメントルームへ。部屋ごとに雰囲気が異なるトリートメントルームはわずかに3室。そのうちのひとつ、VIPトリートメントルームにはハワイで初めて導入された、イタリア製フリースタンディングシンクが備わり、この部屋はラグジュアリーの極みを感じる。そこから発する淡く揺らめく光を眺めるだけで深海を漂っているかのような癒し効果がある。
卓越したシグネチャーサービスに加え、最先端の機器と長期的な効果が立証されている高品質の製品でのトリートメントを受けると、体の内と外から美しく健康的な本来の自分を取り戻すことができる。一般的なコースではパラフィンパックで手や足のケアし、さらにヒアルロン酸などで保湿しながら顔に酸素ミストを浴びつつ、ヘッドマッサージを受けられる。「REMEDY SPA HI」では、シンプルな成分の美容液を使うので肌質や肌年齢を問わずに施術を受けられ、日本語対応可能なので安心だ。
ハワイの清々しい風に吹かれてワイキキの太陽と海を満喫したら、ハワイ伝統技法のロミロミにリンパドレナージュと東洋のテクニックを取り込んだキノ・ロミ・マッサージをはじめ、「REMEDY SPA HI」の極上オリジナルトリートメントで、ラグジュアリーなヒーリングタイムを楽しみ〝倖せ〞を感じるのはいかがだろうか
Information
REMEDY SPA HI
345 Royal Hawaiian Avenue, Suite 303
Honolulu Hawaii
TEL +1(808)208-3456(日本語専用)
営業時間 平日09:30~18:30 週末10:00~15:00
www.remedyspahawaii.com/
M by Chef Mavro エム・バイ・シェフ・マブロ
①
①彩り鮮やかな地産野菜のサラダには野菜本来の味が凝縮されている。②白身魚に添えられているシソの葉がアクセント。③毎週変わる5コースのテイスティングメニューがおすすめ。④シェフのシゲカネ氏によるヘルシーフレンチを求めてゲストが集う。⑤ゆったりとした店内は落ち着きのあるエレガントな空間。
ハワイの伝承食材と彩り豊かな新鮮野菜を見た目も鮮やかに提供するエレガントなフレンチビストロ「M by Chef Mavro」。オーナーシェフのジェレミー・シゲカネ氏はニューヨークの「Bouley」をはじめ、アメリカの高級レストランで経験を積み、「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」の「ホクズ」で料理長を務めた経歴を持つ。1988年のオープン以来、美食家に愛されてきたフレンチビストロの店「シェフ・マブロ」を引き継ぐ形で、今年の8月に「エム・バイ・シェフ・マブロ」と店名を変えてリニューアルした。
シゲカネ氏は、ワイナマロの農園野菜などを中心に、ハワイの自然が育んだ食材を極限までシンプルに調理し、主に野菜を美味しく食べてもらうことにこだわる。彼自身ミニマリストを自認するが、苦いものは苦く甘いものは甘く、付け足すのではなく素材の旨味を最大限に活かすことに集中する。農園野菜のサラダは、野菜の食感を楽しむ彩り豊かなひと品で、野菜本来の個性や旨さが口の中に広がる。さらに、赤ワインとビネガーソースにフレッシュなシソの葉が添えられた白身魚の料理は、野菜に対するシェフの熱い想いが伝わる。ソースに絡めた白身魚と新鮮なシソの葉が、ハワイの自然の恵みを感じさせてくれる。シゲカネ氏自身がイタリアのピエモンテでホレ込んだスプマンテとハワイ野菜とのペアリングも計画しているようで、早くも期待が膨らむ。
Information
M by Chef Mavro
1969 S. King St., Honolulu, HI 96826
TEL +1(808)944-4714
https://mbychefmavrorestaurant.com/
MW Restaurant
エム ダブリュー レストラン
①
①カリカリに揚げたカンパチを素麺に乗せたひと皿は変わることのない看板メニュー。②アジアから西洋、そしてハワイのエッセンスを独創的に表現する料理の数々。③パティシエのミッシェルさんは繊細なスイーツを創り出す。④ウェイド氏とミッシェルさんの頭文字からMWレストランと名付けられた。5.ワイキキ地区から少し離れた都会的な街並みとカジュアルな雰囲気の店内が心地よい。
ワイキキの青空と高層タワーが広がるカカアコ地区に店を構える「MWレストラン」は、地元の食通が気軽に通うハワイアンキュイジーヌのレストラン。シェフのウェイド・ウエオカ氏は、母親や祖母から教わったレシピを生かして、ハワイのソウルフードと日本や中華料理のエッセンスを加えた、彼にしか生み出せない愛情詰まった料理を提供する。
ホタテのローストにはハワイ料理によく使われるグレービーソースが添えられ、ハワイの人にはどこか懐かしさを感じる味に仕上がっている。また、ハワイ島のコナで採れるカンパチのグリルは素麺の上に盛り付ける「MW」の定番料理。彼は「ハワイの素材にこだわりつつリピーターや初来店のゲストに料理を通じてハワイの多様性と他文化への寛容を伝えていきたい」と語る。また、今後は奥様でありパティシエのミッシェル・カー・ウエオカさんと共に、テーマに合ったハワイアン・アフタヌーンティーを計画しているという。
店内には隠し扉のプライベートルームも用意されていて、大人の隠れ家となっている。入り口近くの明るくモダンなバーカウンターでは、昼間からグラスを傾けるカップルの姿も。多様な食文化が融合するハワイならではのローカル・キュイジーヌには「オノ」(おいしい)を共通言語に多様な人々が集う「オノリシャス」(オノ+デリシャス、とてもおいしい)を感じるダイニングだ。
Information
MW Restaurant
888 Kapi‘olani Blvd. Commercial Unit,
Suite 201, Honolulu, HI 96813
TEL+1(808)955-6505
http://mwrestaurant.com/
ETERNAL RESORTS HAWAII AT VALLEY OF THE TEMPLES MEMORIAL PARK
エターナル・リゾーツ・ハワイ
バレー・オブ・ザ・テンプルズ・メモリアルパーク
永遠に自分らしく居られる場所をハワイで
これまでの生活スタイルが一変してしまったコロナ禍を経験し、誰もが人との繋がりや縁の大切さを身をもって感じたはず。そして年齢を問わず人生のエンディングを考える機会にもなったであろう。その人生のエンディングにおいて、最後にこだわりたいのが自分の永遠の住処。楽園ハワイに永眠の地を持つという選択を考えてはいかがだろうか?
日本ではまだ知る人が少ないオアフ島の東部、ワイキキから車で30分のカネオヘにある「バレー・オブ・ザ・テンプルズ」は長らくハワイの地元の人々にメモリアルパークとして親しまれてきた。そして日本と所縁の深い歴史を持つ霊園でもある。東京ドーム約20個分の広大な敷地内には日本人のハワイ移民100周年を記念し、1968年に創立者のトゥルースディル氏が居住地や宗教に関わらず世界中の人々に来てもらいたいという思いで、イコールという名前から日本の平等院を選び、そのレプリカを建立したのである。今ではその願いが叶い、世界中からの観光客で賑わっている。
また2015年に開発されたオーシャンビュー・テラスと名付けられた大きな庭園はコオラウ山脈の麓にあり、カネオヘ湾を見下ろす絶景の地で風水の五行のバランスも整っている。ここは降り注ぐ太陽の光を浴び、鳥のさえずりや滝の水音を聞きながら、コオラウ山脈から流れてくるマナ(エネルギー)を感じることができるパワースポットで、「世界で最も美しい霊園」と称されるに相応しい場所である。
近年のグローバル化とハワイは憧れのパラダイスということから、世界中からこの「バレー・オブ・ザ・テンプルズ」を永眠の地として選ぶ人が増えているそうだ。コロナ禍でもエターナル・リゾーツ(国際営業部)の現地日本人スタッフが、日本に居ながらにして、電話での霊園の説明やビデオフォンで霊園の景色を見ながらお墓選びのアドバイスから契約に至るまで親切に案内してくれる。
「バレー・オブ・ザ・テンプルズ」と日本のお墓との大きな違いは2つあり、初期費用に含まれる永久管理費を支払うことで年間管理費などが一切かからないこと、そしてこの霊園が土地とお墓の維持をしてくれるので墓守が必要ないことである。そのため最近は日本在住者でも元気なうちに購入し、楽しみながら自分の人生のストーリーを現すデザインの墓石の彫刻も済ませ、生前にハワイにある自分のお墓参りをする人が増えているそうだ。
人生のエンディングをハワイでとプランすることで、安心を得るとともに「観光で訪れる旅」から「永遠の住処を訪れる旅」にしてはいかがだろうか。「バレー・オブ・ザ・テンプルズ」ではそれが可能である。
Information
ETERNAL RESORTS HAWAII
Valley of the Temples Memorial Park
47-200 Kahekili Highway Kaneohe, Hawaii 96744
フリーダイアル 0120-941-621
https://jp.eternalresorts.com/
ハワイが自分らしく生きることを教えてくれた
エターナル・リゾーツ日本統括ディレクター
花水 恵美 さん
ハワイへ来ることになったきっかけ
卒業後に就職した銀行の褒賞旅行がアメリカでした。初めての海外旅行でご一緒した同僚が流暢な英語でアメリカ人と楽しく話すのを見て、英語が話せたら世界が広がると気づき、帰国後すぐに英会話教室に通いはじめました。そして暮らしながら英語を学びたいと思い、まずは兄の知り合いが暮らすハワイ大学の英語のプログラムに留学しました。
ハワイへ来てまず感じたのは、アロハ精神というのでしょうか、みんな心が温かい。外国からやって来た私に「アロハ!」と気軽に挨拶してくれるのが嬉しかったですし、肌の色や国籍なんて関係ないというのを強く感じました。その反面、他人に干渉せず尊重してくれますので、自分のライフスタイルを大切にできます。最初はカルチャーショックでしたが、周りの目を気にせずに自分の好きなように生きていいのだとハワイに教えられた気がして、すっと肩の荷が下りたのを覚えています。
好きなように生きることができなかった自分を今の夫が変えてくれた
そしてファイナンシャルプランナーの職を得、仕事とハワイライフが順調だった頃に、共通の知り合いから今の夫ダニエルを紹介されました。婚約して約1か月後、私が乳癌を宣告され、すぐに手術する事をドクターに勧められました。一緒にドクターに行ってくれたダニエルと帰りに今後のことについて話しました。今でもその時のことを鮮明に覚えています。癌が転移している可能性もあり、これから私の人生はどうなるのかわからないので婚約は解消しましょうと彼に言いました。すると「君をケアできるのは自分しかいない。今すぐに結婚しよう」と思ってもいない答えが返ってきました。その言葉によって私の人生最悪の日が、人生最良の日になりました。
それから先は彼の温かく献身的なケアがなければ今の自分がどうなっていたか想像もつきません。手術前に出会った漢方の先生に勧められ、東洋医学で食生活を改善し、同時に自分が楽しい時間を過ごすことを心がけ、人の意見に合わせることに疲れていた自分の内面を変えてみることにしました。
夫のダニエルからは、「君は何がしたい?何が幸せ?」とよく聞かれます。彼は相手に合わせようとしていた私の生き方を変えてくれました。そして自分でやりたい事を見つけて自分らしく生きるというシンプルな幸せがあることに気づかせてくれたのです。
手術後1年経って、大好きなお花のビジネスをしてみたいと相談すると、夫にサポートするからやってみたらと言われて始めました。楽しくやりがいもありましたが、体力的に厳しい年齢になり結婚式の牧師や人前式の司会などに転向した頃にバレー・オブ・ザ・テンプルズから日本人向けの通訳を頼まれ、2018年1月「世界で最も美しい霊園」を訪れました。その景色をひと目で気に入り、ずっと居たいほどの心地よさを感じました。また墓守が不要、初期費用だけで年間管理費もかからないと聞き、私たち夫婦のように子供のいないカップルでも安心して墓を持てるという事を広く伝えたいとの思いからお引き受けし、今に至っています。
私の目標は「ハワイで安心して自宅で最期を迎えたい」という方の希望を叶えるサービスの確立です。ダニエルはエミの笑顔が僕の幸せだと言ってくれます。これからも笑顔を絶やさない毎日を送ることが「自分らしく生きる」ことを教えてくれた夫とハワイへの恩返しだと思っています。
Profile
花水 恵美 Emi Hanamizu
ハワイ在住34年。エターナル・リゾーツ・ハワイ日本統括ディレクター。ハワイの霊園を購入する日本人のための終活をサポートする。今までサポートしてきたお客様の数は述べ300名以上。お客様のお悩みやご希望をじっくり聞いたうえで、お客様一人ひとりに合ったプランの提案と丁寧な対応に定評がある。