海外セレブも注目のリゾート“ISESHIMA”で大人の自由時間
茜色に染まる「志摩観光ホテル」からの見事な夕景。
豊かな自然に囲まれ、悠久の歴史と文化薫る聖なる地、伊勢志摩。
昨年の伊勢志摩サミット開催で国内外から一躍脚光を浴びたエリアは、
日本が誇る国際観光地“ISESHIMA”としての地位を確立すべく、さらに躍動中。
滞在型リゾートでのラグジュアリースタイルに身を任せ、愉悦に浸る大人旅へ。
写真/覚張紀之
海と美食に癒される大人のリゾート 志摩観光ホテル
ゲストラウンジに隣接する屋上庭園では英虞湾のパノラマビューにうっとり。
非日常を味わう贅沢な余暇の過ごし方
世界に名だたる一大インターナショナルリゾート地へ向け、国際化が進む“ISESHIMA”。中でも旅の拠点としておすすめなのが伊勢志摩サミットにより、その名を知られた“賢島”。周辺には滞在型リゾートにふさわしい高級ホテルが点在する。そんなラグジュアリースタイルが待つ大人旅の始まりは、近鉄の観光特急「しまかぜ」から。近鉄名古屋駅から終点の賢島駅までは約2時間。上質なプレミアムシートにゆったりと体を預け、車窓を流れる風景を眺めているだけで高揚!これからのリゾート滞在にますます期待が募ること間違いなしだ。
戦後いち早く国立公園に指定された伊勢志摩エリアで、初の純洋式リゾートホテルとして誕生した「志摩観光ホテル」は、その歴史と伝統を受け継ぎながら、昨年リニューアル。クラシック&モダンを見事に融合させた滞在型国際高級リゾートへと新たな時代を刻み始めた。英虞湾を望む高台に建つロケーションが魅力のひとつであるここには「ザ クラシック」と「ザ ベイスイート」の2つの宿泊棟がある。どちらも安らぎに満ちたくつろぎ空間だが、一般客が立ち入ることができない「ザ ベイスイート」の滞在はより非日常を味わえる特別感が漂う。全客室が100㎡以上、モダンな設えでまとめられた邸宅のようなスイートルームに足を踏み入れ、窓を開け放つと……。柔らかな海風が全身を包み込み、たちまちリゾートモードにスイッチ!
このまま、まったり部屋で過ごそうか。はたまた館内散策へと出かけようか。自分なりの過ごし方に思いを巡らしワクワクする。そう、ここは1泊では物足りないほど、滞在中の楽しみが目白押しなのだ。たとえば、屋上庭園や隣接するゲストラウンジから一望する英虞湾の美景。昼間は穏やかな水面に浮かぶ真珠筏や漁船の景観が1枚の絵画のように広がり、茜色に染まった夕景は周囲の山々や入江がシルエットとなって幻想の世界へと誘われる。刻一刻と移ろう風景を日がな一日眺める。そんな贅沢な時間の使い方もリゾートステイならではの醍醐味だ。
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エントランスをはじめ、随所にパールがあしらわれ、目を楽しませてくれる。
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上質な音響設備のリスニングルームで、音楽に興じることができる「ザ クラシック」のゲストラウンジ。
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「ザ ベイスイート」の最上階にあるゲストラウンジ。ワインや地酒、ソフトドリンク、お菓子などが用意されている。
伊勢志摩国立公園の自然に抱かれて建つ「ザ ベイスイート」。
伝統を受け継ぎ進化する至高のフレンチ
日が暮れたら、お待ちかねのディナー。フレンチレストラン「ラ・メール」で、〈デギュスタシオン〉に舌鼓を打とう。これは当日仕入れた魚介を軸に、日替わりでメニューを組み立てるコース。ほとんど流通しないアカエイや、地元でもめったに入手できない尾鷲のガスエビなどサプライズ的な珍しい食材が皿に盛り込まれることも。「毎朝、魚屋から電話がかかり、そこからメニュー構想が始まり頭も手もフル回転です。定番コースでないだけに、料理の案内をするホールスタッフも大変(笑)」と新たなチャレンジに意欲を見せる樋口宏江総料理長。自然の恵みに真摯に向き合い創意工夫によって生み出される進化する逸品には、代々の総料理長から受け継がれた伝統と革新の妙が根付いている。
訪れるたびに、新鮮な驚きと感動を得られる至高のひととき。これこそが往年のファンを含めリピーターが後を絶たない確たる証なのだろう。
五感を刺激する大人の遊びが満載
広大な敷地を有する「志摩観光ホテル」には、2つの宿泊棟に加え、ホテルの原点ともいえる「ザ クラブ」が存在。昭和を代表する建築家、村野藤吾による建物は、さまざまな技法を凝らした温かみある造りだ。リニューアルして、開業当時の意匠を色濃く残しつつモダンデザインと融合させた館内には、カフェ&ワインバーや茶室などが設けられている。全3棟を結ぶ庭園は、格好の散歩道。朝早く目覚めたら、ぜひ風で揺れる木々の音や野鳥のさえずり、天然のBGMを聞きながら散策を。また早朝行われるリラクゼーションヨガ体験も一考。ゆったりした動きでほどよく汗ばみ、心身共にリラックス。清々しい1日の始まりとなるはずだ。せっかくの休日、朝寝坊もしたい、ひたすら静養したいというゲストにはスパトリートメントが最適。生命の源である水のエネルギーを取り入れ、「クラランス」のピュアなオイルでトリートメント。体も気持ちもときほぐれ、この上ない癒しの時間に。さらに館内には、「ザ クラブ」の建築デザインや藤田嗣治をはじめとする名画など見るべき価値のある作品も多いので、アート巡りで感性を磨くのもいいだろう。
気の向くまま、思いのままに過ごすホテルステイは最高のご褒美!
開業当時の面影を残す「ザ クラブ」のカフェ&ワインバー「リアン」。一杯軽く飲むのも、食事を楽しむのもウェルカム。
滞在するレストラン ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 賢島
完全予約制の「ザ タラソ スパ」。この贅沢な空間を貸し切り利用できる。プールは水着着用。
珠玉のおもてなしは滞在を楽しむエッセンス
賢島駅から車で5分ほど。県道を逸れ、ゴルフ場を横目に走った先に、「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 賢島」がひっそりと建っていた。見渡すかぎり目立つ人工物はなく自然だけが広がるその場所は、静寂に包まれ、まるで時間が止まったよう。
フランス料理の名店「ひらまつ」が“滞在するレストラン”をコンセプトに立ち上げたこのスモールラグジュアリーホテルは、定評の料理だけでなく、滞在そのものが期待以上と評判を呼んでいる。オープン1年ですでにリピーターも増え続ける理由は、なんといっても伊勢志摩の自然。そして“レストランがするおもてなしスタイル”のなせる技ではないだろうか。驚くことに、スタッフは全員レストラン出身。ベッドメーキングもしたこともなければ、チェックインからアウトまで終始絶え間なく接客をする経験もない。最初は畑違いの仕事にとまどったに違いないが、レストランで培われたきめ細かいサービスはホテル業においても能力を存分に発揮。要はゲストが気持ちよく、幸せな時間を感じられるように、なにをすべきか、ただそれだけなのだろう。
滞在を楽しむエッセンスは多種多様だが、ここで必ずや体験したいのが、「ザ タラソ スパ」のオリジナルプログラムだ。海洋療法タラソテラピーと賢島の海水による潮湯治を融合させたもので、35度に温めた海洋深層水を張ったプールに浸かり、海のミネラルを生かしたトリートメントを受ける。神秘なる海のパワーは、心と体に働きかけ健康美へと導いていく。頭の中は空っぽ、全身の緊張はゆるゆると解きほぐれ、とろけっぱなし。まどろみの施術にハマること間違いなしだ。ちなみに、日本のトップスパを決める「クリスタルアワード2017」で専門家選出によるコンセプト部門賞を受賞したばかり。ハイクオリティなスパの実証をぜひ堪能してほしい。
また館内には、貸切温泉露天風呂も設けられている。意外と知られていないが、伊勢志摩は実は温泉大国。近隣の浜島温泉から引湯した泉質は無色透明、まろやかで肌に優しい塩泉。肩まで浸かった目線の先には静かに佇む英虞湾。両壁に流れる滝の音も心地よく、至高のひとときが味わえる。
なめるとちょっぴりしょっぱい浜島天然温泉は美肌に最適。
英虞湾の風を浴びるラウンジのテラスでシャンパンでも。
別棟の温泉付き客室。ベッドの後ろが入り口で、ドアを開けると、ベッド、温泉、テラスが英虞湾へ向けて一直線に連なるデザイン。
英虞湾の風が運ぶ特別な空気感
わずか8室のゲストルームは本棟と別棟に分かれるが、どこからも英虞湾と島の緑が望める造り。中でも温泉風呂付きの別棟は入り口の扉を開けた瞬間、とびっきりの景観が目に飛び込んでくる。ちょっとしたサプライズ演出に、ゲストの多くは感嘆の声と共にスマホを構えることに! この客室をはじめ館内すべてがフォトジェニックなのだが、その極め付けはやはりディナー。今村将人シェフがたしかな技術と自由な発想で仕上げる一品一品は、ハッとするほど美しい。さすが東京やパリの「ひらまつ」で研鑽を積んできた実力者。ところが彼が最初に発した言葉は「あらためて食材重視を思い知らされました。原点に返りましたね」と。国内外から最高級の食材が集約する場所で腕をふるっていた彼が、だ。「魚介も野菜も力強く、本当にフレッシュ。東京で手に入る一番いい食材とは、また違い、扱いもそれに合わせて変えていかないと。伊勢志摩の食材は料理人にとってはとても刺激的です」。地産地消に縛られることはしないが、地元の恵みに心底惚れ込んだシェフの真骨頂がここで見られる。味はもちろんだが、この場所で、この空気感の中で食するからこそ輝きが増す特別な料理と時間に陶酔。
料理は10月のディナーコースの一例より。10月は伊勢海老漁が解禁となり、もっともおいしい時期。野菜は懇意にしている農家から仕入れる。ブランドでもなく、一般的な普通の野菜なのに格別! また東京より旬が早いから、季節を最初に感じられる。
アマン初の温泉を有するリゾート アマネム
366㎡ものゆったりスペース。気の合う友人と訪れたい4棟ある2ベッドルームヴィラ。
心を豊かにする比類なきリゾートへ
世界中のセレブを虜にする「アマン」初となる温泉を有するリゾート「アマネム」。伊勢志摩国立公園の森と英虞湾に抱かれた約25万㎡もの敷地は、風光明媚な自然を余すことなく生かしたリゾート空間で、悠久なる歴史と文化を育んできた地に寄り添うようにとけこんでいる。“モリ”“ソラ”“ナギ”と名付けられたゲストルームはスイートとヴィラがあり、民家をコンセプトに美しい瓦屋根や天然杉の外装、障子や白木造りの意匠など日本の伝統建築を随所に取り入れ、凛とした中に温もりが感じられるデザイン。デイベッドが配されたベランダで自然の息吹に浸っていると、安らぎで満たされ、またたく間に眠りに落ちそうだ。ダイニングでは三重の食文化を尊重しながら感性豊かにアレンジ。奇をてらいすぎず、素材の持ち味を生かした日本料理が楽しめる。
リゾート内のどこにいてもくつろぎの時間が流れるが、英虞湾を見晴らす屋外プール、そして約2000㎡の広さを誇る、アマン・スパにある温泉水を使ったサーマル・スプリング(屋外施設)はとりわけゆったりとした気分に。高い空を仰ぎ手足を思いっきり伸ばして、ひたすらぼーっと。至極の、大人の自由時間がここにある。
木の温かみがにじみでる上質な設え。
Infomation
アマネム
三重県志摩市浜島町迫子2165
TEL 0599-52-5000
amanemu.com