Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル

青い空、透き通るような海、陽気な人々……。ハワイの魅力を挙げればきりがありません。そんなハワイで上質な暮らしをする人々が感じる、本当のハワイアンライフの魅力とは。各界で活躍される方の生の声をお届けします。

Photographs by Masahiro Ohashi

Kahaluu Fishpond in Kaneohe, Hawaii

Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル旅

人の手で守られながら受け継がれるハワイの文化

カネオヘ湾にあるカハルウ・フィッシュポンドは、ハワイの神話に登場する妖精メネフネが一夜にして作ったと言われている。湾の一部をサンゴの壁で囲み込んだようなこの大きな池は、実は古代ハワイ人が魚の養殖をした場所であり、1960年代まで実際に使われていたという。かつてハワイにはこうしたフィッシュポンドが少なくとも100カ所程あったが、現在オアフ島に残るのはわずか4つだけとなった。これらの池は今、古のハワイ人たちの暮らしを未来に伝える歴史的遺産として、地元の人々の手によって大切に保護されているのである。

President, World of Aloha
Ms.LindaY.Wong
リンダ・ウォンさん
Ambassador of Aloha
Mr.DannyKaleikini
ダニー・カレイキニさん
住みよいハワイを目指しコミュニティへ献身する

Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル旅

シニアメンバーになっているワイアラエ・カントリークラブで談笑するリンダさんとダニーさん。

社会に貢献することの意味

 ホノルル市長のフランク・ファシ氏のチーフスタッフとして、市政を裏で支えていたリンダ・ウォンさんが、市長を通じてハワイの伝説的なエンターテナーであるダニー・カレイキニさんと出会ったのが今から28年ほど前のこと。リンダさんは言う。「まったく異なるバックグラウンドを持つ二人でしたが、パートナーシップを結び、今、一緒に地域社会の人々のために尽力している。人生とは何が起こるか分からないものですね」。
 ダニーさんがカハラ・ヒルトン・ホテルのヘッドエンターテナーを引退すると、二人は地域の雇用を創出することを目的に「アロハの世界」を立ち上げる。そしてプロジェクトのひとつとしてカハルウにある42エーカーにも及ぶ古代のフィッシュポンドの復元・保全活動に取り組むことにした。
 「ここはかつてハワイ王国第3代の王、カメハメハ3世が所有しており、ハワイのマナに満ちた神聖な場所。この美しい池を世界中の人々とシェアしたい」。そんな思いを胸に炎天下、バンダナを頭に巻き、長靴を履き、生い茂っていた草を刈り取ることから着手した。そして「アロハ・ケ・アクア︵神の愛︶」という名の教会を建て、ハワイのアロハスピリッツが宿る世界の平和の象徴として、歴史あるフィッシュポンドをかつての姿に戻したのである。
 ダニーさんは「エンターテナーとして生活のすべてをコミュニティに捧げてきた」と胸を張る。地域イベントでMCをしたり、歌を歌ったり。エンターテナーとしてできる形で社会への貢献を常に意識してきたのだ。政府の一員としてコミュニティのために働いていたリンダさんとは、手段こそは異なるが目指すべきベクトルは同じ。二人の出会いは必然だったのだ。
 二人はその後も様々な非営利活動に取り組み、地域の人々を支援し続けている。例えば、「ナショナル・キッドニー財団ハワイ」の設立もそのひとつ。ハワイでは何千人もの人が腎臓疾患に苦しんでいるという。そうした人のための施設をカポレイに建設するため、必要な資金1200万ドルを調達しようというのだ。基金を設立して2年程経つが、「そろそろ目標とする金額に達しようとしている」とリンダさん。また、プライベートクラブであるホノルルカントリークラブ基金の理事を務め、ホームレス支援を目的に毎年開催されるチャリティートーナメントのサポートもしているという。
自身の幸せの実現を脇に置き、他人のための社会貢献に積極的になる理由を、リンダさんは「人のために手助けすることが自分の幸せ。小さなことでもいい。できる限り人の手助けをして、地域をよりよい場所にしたいだけ」と説明する。仕事もうまくいき、素晴らしい友人もたくさんいる。恵まれていたからこそ、ハワイがすべての人にとって住みやすくなるように、持てる力をコミュニティのために注ごうというのである。 「ダニーから教えられたことですが、誰とでも"オハナ︵家族︶"として接するようにしています」とリンダさん。心を温かく相手を愛すれば、愛は自分に返ってくる。リンダさんとダニーさんが常に幸せに満ちた表情でいる理由を、この言葉は端的に表しているのではないだろうか。

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オバマ前大統領のクリスマスパーティに招待され、ホワイトハウスで大統領と一緒に記念撮影。

Linda Y.Wong

Linda Y.Wong

カリフォルニア大学バークレー校を卒業後、ハワイへ戻り不動産会社勤務を経て、ハワイ州の州議会や州上院、副知事のオフィスのスタッフとして20年近く従事する。その後10年間、ホノルル市のフランク F. ファシ市長の元でチーフスタッフとして市長をサポートする。ダニー氏と出会ってからはフィッシュポンドの保全活動など、コミュニティ活動に積極的に取り組む。

Danny Kaleikini

Danny Kaleikini

カハラ・ヒルトン・ホテル(現ザ・カハラ・ホテル&リゾート)のヘッドエンターテナーを30年務めたハワイの伝説的エンターテナー。1988年に当時のハワイ州知事だったジョン・ワイヘエ氏より「Ambassador of Aloha」に指名される。20年前よりダニー・カレイキニ財団を立ち上げ、地域貢献活動に取り組む。エンターテナーとしては過去、ニューヨークのカーネギーホールでの公演やNFLゲームでの国家斉唱などをしてきた。

Information

World of Aloha
http://www.worldaloha.com

Designer/Owner, Island Bungalow Hawaii
Ms. Amerjit Ghag
アメジット・ギアクーさん
歴史的建造物でのナチュラルライフ

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ご自身でデザインされた洋服を着てご自宅の前に立つアメジットさん。庭に咲く花を摘んだり、果実の成長を見守ったりと、そんな些細なことに幸せを感じるという。なお、邸宅は建築家のロバート・ミラー氏によって1925年に建てられ、ヒストリックハワイ財団によって歴史的建造物にも指定されている。

何もないことに幸せを感じて

 ホノルルのダウンタウンからカイルア方面へ続く道を進む。途中、ヌアヌ渓谷は生命力みなぎる濃い緑の木々に覆われ、一帯は古くハワイ王国の時代には国王一族の避暑地とされてきたという。この渓谷に沿うように広がるカマイナ地区の閑静な邸宅街のなかに目指す邸宅はある。 豊かな緑の中に溶け込む邸宅は、「ジェームズ・マルビヒル・レジデンス」と名付けられ、1925年に建てられた歴史的建造物だという。築後100年近く経つが、きれいに手入れされた邸宅にはオーナーの愛が注がれている。
 素敵な笑顔で迎え入れてくれたのは、オーナーであるアメジット・ギアクーさん。ボヘミアンスタイルの家庭装飾や衣服のデザイナーとして活躍し、カイルアでハンドメイド商品にこだわったショップも経営する。アメジットさんがこの邸宅と出会ったのは今から30年近く前になるという。 「以前近くに住んでいて、散歩の際によくこの家の前を歩いていたんです。大きな庭にククイやプルメリアが生い茂る中、奥まったところに佇む古い建物がとてもミステリアスな雰囲気で。とても気になっていました」。
運よく手に入れたものの、建物が古くダメージは相当なもの。家の基礎の一部は沈み、シロアリの被害も酷く、友人からは「こんな家を購入するなんてクレイジーだ」と呆れられるほどだったそう。でも、自ら絨毯をすべて剥がし、壁のペンキを塗り替え、古い物の良さを維持しながら手を加えていくと、「お化け屋敷がロマンチックな家に様変わり。そのでき栄えに完全に恋に落ちてしまいました」と微笑む。
 自然光が優しく差し込む邸宅内では、ご自身がデザインしたナチュラルなファブリックをインテリアのアクセントに、ゆっくりと時間が流れるような心地よい空間を創り上げている。邸宅内の雰囲気と同じように、アメジットさんの生活もいたってスローでナチュラル。朝目が覚めてご主人と一緒に散歩をし、ヨガをする。庭に咲くマグノリアの花を摘んで部屋に飾ってみることも楽しみのひとつだ。「ここでは特別なことはありませんが、私にとってはそれが大切。毎朝、目覚めた瞬間から幸せです」。アメジットさんのライフスタイルを聞くと、私たちが忘れてしまっていた大切なことを教えてくれるようだ。

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1. リビングエリアは元々は庭だった場所。外部との一体感がなんとも心地よい。
2. ビジネスに関してはゆっくりと成長できればいいと話すアメジットさん。
3. 娘さん2人の子育ても手が離れ、自宅でゆっくりと過ごせる時間が増えたそう。
4. 庭からのそよ風が心地よいマスターベッドルーム。ここで迎える朝は最高のはずだ。
5. 表情が変わるダイニングエリア。アールを描いた天井も印象的だ。
6. 書籍もインテリアのアイテムに。
7. ご自身がデザインしたアイテムがさり気なく配されている。

Amerjit Ghag

カイルアにあるライフスタイルショップ「Island Bungalow Hawaii」のオーナー。4歳の時にインドからアメリカに移り、デザイナーとしての道を歩むべく、カリフォルニア大学ロサンゼルス校でデザインを学ぶ。新しいことに挑戦しようと卒業後、ハワイに生活の場を移し、ファッション関係のテキスタイルデザイナーとしてキャリアをスタートする。デザインのテイストは様々な異なる要素を巧みに組み合わせたボヘミアンスタイルが特徴。そのデザインとルーツであるインドの手作りの技を組み合わせ、ライフスタイル全般に関わるデザインアイテムを生み出している。

Information

Island Bungalow Hawaii
131 Hekili Street, Kailua HI
TEL +1-808-536-4543
http://islandbungalowhawaii.com

Chairman of the Board / President, Hawaii Senior Life
Enrichment Association
Mr. Ryozo Sakai
坂井 諒三さん
豊かなシニアライフのために

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ソニーオープン・イン・ハワイが開催されるワイアラエ・カントリークラブで。もちろんご自身もメンバーとして、週末は奥様と一緒にゴルフを楽しむという。

ハワイと日本の架け橋に

 ソニーハワイ社の社長として21年間をハワイで過ごしてきた。2006年に定年退職を迎える際、日本にある子会社での社長としてのオファーを受けたが、「これまで築き上げてきた人脈をハワイで生かした方が自分の価値が生かせる」との判断で、ハワイへの移住を決めた。実はすでにオーシャンビューの墓地をハワイに購入しているともいう。
 27歳という若さで日本を飛び出し、駐在員としてニューヨークからシカゴ、ロサンゼルスと渡り歩いてきた。縁もなかったハワイとの接点は、当時会長だった盛田昭夫氏からの突然の電話が始まりだった。ハワイへの転勤命令である。今でも初めてハワイの空港で感じた爽やかなそよ風が忘れられないという。
ソニーハワイ社での社長としての仕事は順風満帆だった。「39歳で80人ほどの組織の長ですから有頂天です。仕事が楽しくて仕方がなくて。当時ソニー製品のハワイでの売り上げは30億円くらい。アメリカ50州の中では下から数えた方が早く、本社からすれば問題を起こさなければよいくらいの存在でした。でも、米軍での需要に目をつけると受注が飛躍的に増えましてね。20年で売り上げを300億円に、利益も10倍になったのです。まさに私の青春時代でした」。
 坂井さんが手がけたことの中でも特に印象的なのが、ワイアラエ・カントリークラブで開催されるソニーオープンを立ち上げ、そして育て上げたことだ。
 「ソニーオープンの開催はプロスポーツのないハワイの子供たちへの影響や常夏のハワイの魅力を世界にPRできたこと、そしてスポンサー招待枠で若手プロゴルファーにPGAへの道を拓くなど、ソニーのPR以外に多くの意味を持ちました。また、大会の運営は地元の方々の協力なしには実現できません。そんなことから恩返しの意味も込めて、収益から毎年2億円を地元の団体に寄付してきました。地元への貢献の意味合いも強くあったのです」。
 現在、ビジネスの第一線から退いて10年余り。そんな坂井さんが地元ハワイをベースに注力するのは、退職の翌年に仲間と立ち上げたN PO ハワイシニアライフ協会の活動だ。これまで日本のビジネスを世界に大きく躍進させてきた団塊の世代の人たちに、「ご苦労様でした。これからは少しハワイで楽しんでください」との思いを込めて、アクティブシニアライフをサポートしようというのだ。
 協会で会長としての坂井さんの役割は、旗振り役とご意見伺いだけだと謙遜する。しかし、これまで築き上げてきた人脈を駆使し、ハワイに住む日本人や日系人に対して、スポーツや文化、社会貢献などを共有できる場を提供し、現在、国内外に会員数約1000人にもなる大組織に成長させてきた。
 「盛田さんもよく﹃ グローバル・ローカライゼーション﹄と言っていました。考えることはグローバルに、行動は歯を食いしばってローカライズにという意味です。ハワイシニアライフ協会も同じです。「スポーツも人生も後半戦が面白い﹄を合言葉に人生を一緒に謳歌しながら、ハワイにいるからこそできるハワイと日本の架け橋になることに、これからも挑戦していきたいと思います」。

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1983年のハワイアン・オープンで、青木功プロが日本人として初めてアメリカツアーを制した際、伝説のチップインイーグルを決めたホールの前で。

Ryozo Sakai

Linda Y.Wong

NPO ハワイシニアライフ協会会長/ R.SAKAI COMPANY 代表。早稲田大学商学部卒業後、ソニーに入社。1975年より海外駐在員生活がスタートし、ニューヨークで5年、シカゴで支店長補佐として1年、ロサンゼルスで支店副支店長として4年を過ごし、1985年よりソニーハワイ社に赴任。2006年の定年退職まで21年間、社長を務める。退職後はNPO ハワイシニアライフ協会の立ち上げの他、コンサル業務を担うR.SAKAI COMPANY を設立。この他、2017年からは日系人社会との交流を目的に、英語でランチを楽しむ会「GOHAN-CLUB」や日本とハワイ間での交換ホームステイをすすめる「DUAL LIFE-CLUB」など立ち上げ、ハワイでのアクティブシニアライフのサポートに積極的に取り組む。

Information

Hawaii Senior Life Enrichment Association
P.O.Box 8232 Honolulu HI
TEL +1-808-428-5808
http://www.hawaiiseniorlife.org

President, Nashimoto & Associates
Ms. Masako Nashimoto-Luttrell
梨本 昌子さん
敏腕女性経営者のもう一つの顔

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アートで人の心を癒す

 ハワイで広告やマーケティング、PRを手がける企業を自ら立ち上げて今年で35年を迎えた。敏腕女性経営者としての数々の実績が讃えられ、州知事より「リテール・マーチャント・オブ・ハワイ」の大賞を受賞するなど、地元の業界では知らない人がいないほどの名物経営者である。
 もともと日本では、当時世界一の広告代理店だったJ・ウォルター・トンプソン社に若くして引き抜かれ、28名の部下を従えるPR部長を務めてきた。まだ女性の社会進出がままならない時代。日夜遅くまで業務に取り組み、持ち前の負けん気で売り上げも順調に伸ばしてきた。
 「やればやるだけ自分の成長を実感でき、成績が正当に評価される実力の世界。仕事が面白くて働きつめた結果、ある時、燃え尽き症候群になってしまって」。
 療養を兼ねてグアムで休暇を過ごしていると、運命の人物と出会うことになる。出会いから紆余曲折あった後、日本でのキャリアを捨ててまでして結婚を決意。その決断が後に梨本さんをハワイへ導くことになった。
 「結婚後、グアムで2〜3の顧客を持ちながら2人の子供をもうけ育てていましたが、主人の仕事の都合で都市部へ引っ越す事となったのです。その候補の5つの都市の中にハワイもありましてね。当時、ホノルルの人口は80万人ぐらい。トンプソン時代に培ったマーケティングの手法では、そのくらいの規模の都市が新製品やサービスのリサーチに最適だったんです。だから引っ越し先はハワイのホノルルしかないと」。
 育児でしばらくビジネスの第一線から身を引き、しかも右も左も分からない新天地での起業。そのような状況にもかかわらず梨本さんの心に一切の不安や迷いはなかった。起業後さっそく獲得したクライアントから信頼を得て、さらに当時最大手の銀行のためのマーケティングリサーチの結果がクライアントの心を掴むことに。そして、その評価が瞬く間にファッション業界へも広まったのである。
 「私の噂を聞いたのでしょう。シャネルがホノルルにワイキキ1号店を出店するにあたって、総支配人が私にすべてを委託するので面倒をみてくれとお願いして来たのです。どんなことがあってもクライアントは王様。100%ではなく常に120%でという哲学を貫き、出店を成功させることができました。以来35年、シャネルとのお取引は今でも続いています」。 生き馬の目を抜くようなシビアな業界で第一線を走り続けてきた梨本さん。ただ、職業柄、クライアントの2、3ヶ月先の状況を考える習性が体に染み込み、常に不安が身に付いていた。そんな心の状態から梨本さんを救ったのが絵画だった。
 「絵を描き始めると集中してしまい、つい何時間も経ってしまいます。それがヒーリングになったのでしょう。水彩画を本格的に始めてからは皆さまから評価され、様々な賞もいただくようになりました。今では絵描きとして仕上げた作品を病院などに寄付したりもしています」。
 今後はアーティストとしてホテルなどに飾る大規模な壁画にも挑戦していきたいと意気込む梨本さん。「アーティストとしてのネットワークが広がり、アートを介していい方向に向かっていると実感しています。また、私の描いた絵で皆さまが癒されるという副産物が付いてくる。こんな嬉しいことはありませんね」。穏やかに微笑む敏腕女性経営者の優しい表情が印象的だった。

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ホノルルの中心部にあるオフィスには、梨本さんの活躍を讃える写真が壁一面に飾られている。

Masako Nashimoto-Luttrell

Linda Y.Wong

ナシモト&アソシエイツ社長。早稲田大学を卒業後PR 業界へ。J・ウォルター・トンプソン社に転職し、2 7歳の若さで日本PR 部門を設立、部長に就任する。退職後、グアムでの生活を経て、19 8 2年にハワイへ。PR・広告エージェンシー「ナシモト&アソシエイツ」を立ち上げる。地元経済紙「パシフィック・ビジネス・ニュース」による「ビジネス・ウーマン・オブ・ザ・イヤー」で15 年連続してファイナリストにノミネートされるなど、その取り組みが各方面で高く評価される。「N P O ハワイシニアライフ協会」の発起人・副会長のほか、女性起業家の組織「梨本会」や音楽によって発達障害の子供を支援する「S ound of Joy MusicTherapy」の委員を務めるなど、コミュニティ活動にも積極的に取り組む。

Information

Nashimoto & Associates
1833 Kalakaua Avenue, Suite 201 Honolulu HI
TEL +1-808-955-9361
http://www.nashimoto.com

Chairman & CEO, Hawaii Medical Assurance Association
Mr. John Henry Felix
ジョン・ヘンリー・フェリックスさん
ボランティアに捧げた人生

Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル旅

人々のためにできることを

 20世紀のヒューマニストとして知られ、世界平和にも貢献した哲学者、アルベルト・シュヴァイツァーが「ヒューマンサービスよりも尊い宗教はなく、共通の利益のために働くことは最高の信条である」と言うように、ジョン・ヘンリー・フェリックスさんは8歳の頃よりこの信条に従い、以来75年、自己を犠牲にしてまで社会への貢献に身を投じてきた。その社会への貢献性は高く評価され、1983年にはアメリカ人として初めて国際赤十字より名誉勲章を授かり、時の米国第40代大統領のロナルド・レーガンからも賞賛の声を得たという。ハワイの地域と人々のための取り組みも多岐にわたり、1959年にハワイが50番目の州として合衆国に加入すると、初代州知事のチーフスタッフを務めハワイの発展を影で支えてきた。古くからのハワイを見つめてきたジョンさんにとって「ハワイは特別な感覚を抱かせる場所。高層ビルが林立し、都市景観は変わってきましたが、同時にとても洗練されていますね」と、愛してやまない地元ハワイへの思いを語ってくれた。

John Henry Felix

政府、ビジネス、労使関係、地域サービス、外交、教育分野などで50年以上のキャリアを持つ。ハワイ州初の州知事のチーフスタッフを務め、ホノルル市議会でも16年間活動。米国のどの都市よりも早くレストランなど公共の場での禁煙法の成立に尽力したことでも知られる。

Information

Hawaii Medical Assurance Association
737 Bishop Street, Honolulu HI
TEL +1-808-591-0088
https://www.hmaa.com

Luxury Time in Hotels オアフ島で泊まりたい極上の宿

Moana Surfrider, AWestin Resort & Spa
モアナ サーフライダー ウェスティン リゾート&スパ

古の時を今に伝える白亜のヴィクトリア様式ホテル

Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル旅

ビーチの最前列でトリートメントを受けられる、人気の「モアナ ラニ スパ」。このロケーションと至極の施術に癒されないはずはないだろう。

ハワイの歴史を体感できる老舗

 ロケーションはカラカウア通り沿いのまさにワイキキの中心部、博物館のような白亜の建物が「モアナ サーフライダー ウェスティン リゾート& スパ」だ。「ワイキキのファーストレディ」と呼ばれ、1901年創業のハワイでもっとも歴史があるホテルとしても知られる。ヴィクトリア様式のメインビルディング内に漂う雰囲気はハワイの歴史を今に伝える象徴としての威厳に満ち、優雅さと気品を損なうことのないように改装を重ねながら今日に至っている。
 当時の面影を今に伝えるヒストリック・バニヤン・ウィング棟の階段を昇り、木製の手すりに手を添えると、今にも着飾った貴婦人が階段から降りてきそうだ。その2階には当時のワイキキビーチやホテルに関する歴史的な資料が展示されていて興味深い。
 エントランスを突き抜けると回廊のテラスにはカウチソファが置かれる。木陰でまったりと過ごすには最高のロケーションだ。中庭にはシンボリックなバニヤンツリーが鎮座し、この巨木がワイキキのビーチに清らかな木陰を作りだし、訪れる者に涼を提供している。この木の周りがプールとバーエリアになってお321り、目の前にはハワイ旅行者憧れのワイキキビーチが広がる。
 ホテル自慢の「モアナ ラニ スパ」はワイキキ唯一のオーシャンフロントのスパ。明るく開放的なトリートメントルームでは心地よい海風を感じながら至福の時を過ごせる。ハワイの伝統的でヒーリング効果のある「ロミロミ・オラ」や、ホワイトティーの香りに包まれながらの「ヘブンリー・スパ・シグネチャー」など様々なメニューが用意されているが、是非体験したいのが「ストーン・オブ・アブアケハウ」というヒーリング・ストーンを用いたコース。古代の力が秘められた聖なる地下泉「アプアケハウ」にあるヒーリング・ストーンを使い、背中や首の緊張をほぐし、ストレスを解放しながらリフレッシュしてくれる。一面の大きな窓の外から微かに聞こえるワイキキの波の音や鳥のさえずりと共に、この旅で最高のひと時をヘブンリー・タッチが導いてくれるだろう。
 モアナ サーフライダー以外に「ワイキキ」をイメージ通りに表現できるホテルはないだろう。周囲には高層のホテルが立ち並び、進化し続けるオアフ島のワイキキ地区にありながら、伝統と格式を今に伝える正統派リゾートホテルに、ハワイの海と太陽を求めるリピーターが後を絶たないのは頷ける。

Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル旅

1.「モアナ ラニ スパ」ではハワイの島々で古くから受け継がれてきた伝統のヒーリング法と斬新なスパトリートメントが見事なまでに融合する。
2. 落ち着いた空気が流れるロビー。深い歴史を有すものだけが醸し出せる雰囲気だ。
3. 客室は海に近く、波の音が心地よく耳に届いてくる。
4. 白亜のメインビルディングはアメリカの歴史史物として「National Register of Historic Places」に登録される。
5. 館内ロビーなどにはハワイの歴史を感じるアイテムが展示される。
6. 時間がゆっくりと流れているよう。
7. ホテル中心の中庭にはモアナを象徴する樹齢125年のバニヤンツリーが佇む。バニヤンツリーに見守られるように、その周りでゲストは思い思いの時を過ごす。

Information

Moana Surfrider, A Westin Resort & Spa
2365 Kalakaua Avenue, Honolulu, HI
TEL 0120-922-775(日本国内専用無料通話予約)
http://jp.moana-surfrider.com/

The Ritz-Carlton Residences Waikiki Beach
ザ・リッツ・カールトン・レジデンス ワイキキビーチ

新たなリゾート滞在の形を提案するワイキキ随一の大人の隠れ家

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ワイキキで最も高いフロアに位置するインフィニティプール。夜にはワイキキの夜景が一望できる。

住むように滞在する洗練の場

 オアフ島初のリッツ・カールトン・レジデンスブランドとして誕生したのが昨年の7月のこと。以来、「静寂」と「ラグジュアリー」を共存させる「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス ワイキキビーチ」は、新たなワイキキでのステイの可能性を発信するアイコンとして注目されている。
 ワイキキの喧噪からほんの少し距離を置いた絶妙なロケーション。隣接する緑豊かなフォート・デルーシー公園の先には、コバルトブルーの煌めくワイキキビーチと青空が広がる。唯一無二のロケーションに許されるのは、誰にも邪魔されないという贅沢。そしてそこにはハワイアン・ホスピタリティを享受するための極上空間が広がる。
 バレットで車のキーを預けると、ベルサービスが8階のレセプションへと案内してくれる。建物全体の印象は都会的。落ち着いた質感と主張しすぎない上質なインテリアが特徴だ。エレベーターを降り、レセプションへ向かうと開放的なオープンエアの空間が出迎えてくれる。
 客室にはキッチンやランドリーが完備されているので長期滞在には何かと便利だ。しかも簡単な買い物ならコンシェルジュサービスを利用できるという。機能性を重視したパウダールームのアメニティは、英国王室御用達のASPREY。全てにおいてやり過ぎず、ゲストと適度に距離を保った大人の心遣いに、長期滞在でもストレスや不自由を感じることはまずないだろう。
 魅力的な3つのダイニング、「すし匠」「BLTマーケット」「ディーン&デルーカ」は、それぞれがハワイ初出店として注目される。「すし匠」はメインダイニングとして、東京・四谷にある名店「すし匠」の中澤圭二氏がハワイと日本の融合を体現させた。「BLTマーケット」は"Farm to Table”をコンセプトに地元ハワイで採れる新鮮な食材を生かしたデイリー・メニューが並ぶカジュアルレストラン。ホテル1階にあるディーン&デルーカでは厳選されたワインと共に食事をしたり、食材やコーヒーをテイクアウトするなど、様々な使い方が気軽にできるのが嬉しい限りだ。
 ザ・リッツ・カールトン・レジデンス ワイキキビーチは現在、38階建てのタワー1一棟からなるが、2018年夏には隣りに建設中のタワー2が誕生する予定だ。新たな棟では評判のスパが拡充するほか、大型のプールやハイエンドのグローサリーマーケットが新たに加わるという。快適さがいっそう増すワイキキ随一の隠れ家ホテル。ハワイでの暮らすような滞在を存分に堪能したい。

Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル旅
Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル旅

1. ワイキキの最前線に並ぶホテルとは異なる眺望。
2. 3ベッドルームプレミアのテラスは緩やかにカーブし、視線の先にダイヤモンドヘッドを望む。
3. 客室は全307戸。すべての部屋がオーシャンビューとなる。インテリアのコンセプトはコンテンポラリーモダンとなり、従来のリッツ・カールトンのイメージと異なる。
4. モダンでありながら温かさも感じられる。
5.ザ・リッツ・カールトン スパでは伝統的なハワイアンヒーリングとハワイの自然を取り入れたオーダーメイドのトリートメントを体験できる。
6.フィットネスセンターは有名トレーナーのハーレイ・パステルナーク氏が設計。ハワイではここだけにしかないモーション・ケージが備わる。
7. BLT マーケットはオープンエアの空間が爽やか。
8. 地元の新鮮食材を厳選し、エグゼクティブシェフのヨハン・スベンソン氏が極上の一品に仕上げる。BLT マーケットにて。

Information

The Ritz-Carlton Residences Waikiki Beach
383 Kalaimoku Street, Honolulu, HI
TEL 0120-853-201
http://www.ritzcarlton.com/jp

Four Seasons Resort Oʻahu at Ko Olina
フォーシーズンズ リゾート オアフ アット コオリナ

発展する注目エリアに誕生した心と体を解放する至福のリゾート

Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル旅

プール越しで水平線に沈むサンセットを望む。オアフ島の西岸に位置するため、1日の終わりに美しい景色を堪能できる。

土地が持つパワーに癒されて

 ホノルル国際空港から車で30分ほど。オアフ島の西岸、ハワイの言葉で「至福に満ちた地」を意味するコオリナ・リゾートは、260haの広大な面積を有す5つ星リゾートコミュニティ。北側に「地上の天国」を意味するラニクホヌア、南側にコオリナラグーンと呼ばれる4つの入江と、豊かな自然に囲まれる。楽園のようなこのコオリナ・リゾートでは、世界的なラグジュアリーホテルが開業予定で、高級リゾートとして国際的な認知度を高めている。
 「フォーシーズンズ リゾート オアフ アット コオリナ」もその一つ。オアフ島で初のフォーシーズンズ・リゾートとして2016年6月に開業すると、コオリナ地区のラグジュアリーシーンをさらに充実させ、その存在はリゾート自体の価値を高めることになった。
 リゾートに足を踏み入れると、太古から脈々と受け継がれる「気」という存在に癒され、祝福されるような感覚になる。それはコオリナという地がかつて王族の保養地だったことも関係しているのだろうか。ここで感じるのはゲストを迎えるスタッフの笑顔の質が違うということ。この地で生まれ育ったからなのか、澄み渡る空と極彩色の海を眺めているうちに、彼らの身も心も磨かれていくのだろう。とにかくこちらの緊張や興奮を瞬時に解きほぐすサービスを超えたサービスに心は丸裸にされてしまう。
 オーシャンビューの客室のテラスからは、刻一刻と色と光を変化させていくラグーンを一望できる。ターコイズブルーが美しいこのラグーンは様々なアクティビティのフィールドとなり、大海原に漕ぎだすアウトリガーカヌーや海上散策のような気分を味わえるスタンドアップパドルボード、自然との一体感を得られるサンライズヨガなどを楽しめる。
 滞在の楽しみである食事に関してもフォーシーズン・ブランドとしての期待を裏切ることは決してない。レストランやバーが5つと充実し、本格派イタリアンや世界のエスニック料理などを堪能できる。特に地産地消をモットーとするシーフードレ26プール越しで水平線に沈むサンセットを望む。オアフ島の西岸に位置するため、1日の終わりに美しい景色を堪能できる。ストラン「フィッシュハウス」はおすすめ。近海で採れた新鮮な魚介類をカジュアルな雰囲気の中で存分に味わえると人気だ。
 フォーシーズンズ リゾート オアフ アット コオリナでは、どこを切り取っても、リゾートに満ち溢れる温かな笑顔と真心のおもてなし、そしてコオリナに降り注ぐ太陽のような優しさと出会える。心ゆくまでその優しさに包まれて、至福のバカンスを楽しみたい。

Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル旅

オーシャンフロントジュニアスイートのリビングルーム。テラスの外に広がる海が目の前まで迫りすぐ手が届きそう。

Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル旅

3つのプールが備わり、1 つは大人専用プールとなる。ラウンジチェアに腰掛けて、静寂の中でゆっくり流れる時間を堪能したい。

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左.高塚良料理長が腕を振るうイタリア料理「Noe」。カプリの透き通るような海をイメージし、ブルーを基調にしたインテリアが印象的だ。 右. 館内随所に海を意識したアートが配される。

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左. ブティックは南国テイストのリゾートアイテムが充実する。ミッソーニのデザインによるフィッティングルームもおしゃれ。右. スパエリアにあるメンズヘアサロン。シェービングもしてもらえる。

Luxury Life in Hawaii 上質なるハワイ流ライフスタイル旅

吹き抜けのロビーに差し込む光が優しい印象を生み出す。

Information

Four Seasons Resort O‘ahu at Ko Olina
92-1001 Olani Street, Kapolei, HI
TEL 0120-024-754(日本国内専用予約ダイヤル)
http://www.fourseasons.com/jp/oahu/