SEVEN SEAS GRANDEUR セブンシーズ グランデュアー
A Luxury Cruise Filled with Art
〜洋上最高峰スイートとアートに満たされた、極上の船旅〜

写真・文:大橋マサヒロ

クルーズ船の「顔」となるアトリウム。セブンシーズ グランデュアーのアトリウムは天然木の階段と豪華なシャンデリア、そして天井から吊るされた見事なタペストリーによって乗船ゲストを夢の世界へと誘う。


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(1)シガーバー「コノサークラブ」では、ヴィンテージウイスキーやプレミアムブランデーなどを味わいながら優雅な時を楽しみたい。(2)レセプションの前に展示されている手作業で製作された宝飾品のファベルジェが船内を華やかに彩る。(3)スイートのリビングルームに飾られているモダンアートと上質なインテリアが優雅な船旅を演出する。(4)アジアンフュージョンのレストラン「パシフィックリム」の入り口では、日本の桜をイメージしたオブジェがゲストを出迎える。

Montréal
フランスのエスプリ薫るカナダの古都〜モントリオール


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(1)モントリオール観覧車の周辺にはレストランやカフェが集まり、多くの観光客や地元の人たちで賑わう。(2)クルーズターミナルの周辺は遊歩道や運河が整備されていて、旧市街へ徒歩で行くことができる。(3)四季折々の風景が魅力的なモン・ロワイヤル公園の展望広場から市内を一望できる。(4)豪華な装飾と美しいステンドグラスで飾られたノートルダム大聖堂の美しさは一見の価値がある。(5)旧市街を散策していると、歴史的な建物とモダンなビルが共存していて自由な雰囲気を感じる。(6)モントリオールはフランス文化を残す美食の街としても有名。(7)フランス統治時代にビジネスや金融の中心地として栄えたことを物語る重厚な建物が残る。(8)ヴィル・マリー広場の「ザ リング」をはじめ、アート作品が街中に溢れるモントリオールはアーティストの街でもある。(9)(10)マッコード美術館は、カナダ先住民の文化や芸術を伝える役目を果たしていて大変興味深い。

カナダ東部にあるケベック州最大の都市、モントリオールは「セブンシーズ グランデュアーで船旅を楽しむモントリオール〜ニューヨーク11日間クルーズ」の出港地。大西洋に流れ込むセントローレンス川の中州にあるモントリオールには、クルーズ船専用のターミナルが整備されている。今回は、東部カナダのフランス文化を楽しみながら大西洋へ航行し、アメリカ北東部沿岸のかわいらしい小さな街に寄港しながらニューヨークを目指す。
1642年に入植地として開かれたヴィル・マリー(マリーの街)をルーツとし、周りにある3つの尖った丘、モン・ロワイヤルにちなんで名づけられたモントリオール。フランス領植民地時代には毛皮取引の中心地となり、フランス人探検家たちの拠点として使われた。その後は、商業や金融、文化の中心地として栄えた歴史を持つ。その名残は街の至る所に残されていて、ノートルダム大聖堂や石畳があるフランス植民地時代の旧市街(ヴュー モントリオール)や、プラトー地区など、まるでフランスにいるような気分に浸れる美しい街並みが魅力だ。

取材協力:Tourisme Montreal
https://apropos.mtl.org/en

The Most Exclusive Addresses at Sea
〜進化を遂げた真のラグジュアリークルーズ〜


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(1)「ペントハウススイート」以上のカテゴリーでは専属のバトラーが様々な要望に応えてくれる。(2)デザインや豪華な内装、アメニティの内容にさらなる改良を加えたセブンシーズ グランデュアーは、全室テラス付きの客室となっている。(3)ピカソの作品が「リージェントスイート」のリビングルームにさりげなく飾られている。(4)温水ジャグジーを備えるプールサイドにはゆったりとした間隔でサンベッドが用意されている。(5)(6)(7)(8)(9)(10)「リージェントスイート」のプライベートスパには、スチームルームやドライサウナ、ジェットタブが備わる。さらにはプライベートジムや屋外ジャグジー付きの広々としたテラスなど、設備の充実さとエレガントなインテリアは、これまでのクルーズ船の中でも最高峰と言える。(11)バーカウンター付きのリビングルームとベッドルームが横長にレイアウトされていて、居住性が素晴らしい「マスタースイート」。 (12)刻々と移ろいゆく大海原を眺めて過ごすことのできる「コーヒーコネクション」のテラス席。

プレミアムワインやシャンパンを含むスペシャリティレストランでの食事、寄港地でのツアーや前払い制のチップなどをクルーズ料金に含めることで、完全なるオールインクルーシブによるラグジュアリーなクルーズを実現したリージェント セブンシーズクルーズ。同社の新造船が、2023年11月に就航したセブンシーズ グランデュアーだ。
新造船セブンシーズ グランデュアーは、総トン数55,500、全長224m、船幅31m 、乗客数744名、乗組員548名を収容する中型のクルーズ船で、ゲスト一人当たりのスペースやサービスするクルーの数は業界でも最高レベル。全室バルコニー付きのオールスイート仕様の客室で、最上級クラスのリージェントスイートは、なんと413㎡の広さを誇り、リビングやバーカウンター、さらには専用のサウナやサンデッキなどが備わり、プライベートな船旅を満喫できるはずだ。

洗練されたデザインと一流のアート

乗船してウエルカムシャンパンを受け取り、まず目にするのが、天窓から優しい自然光が差し込む上品で落ち着いた雰囲気のアトリウム。そこには、高さ12mの手織りのタペストリーが掲げられていて、この船のアートセンスに驚かされる。船内には約1,600点のアートが飾られていて、そのなかでも洋上の常設展示は初となるファベルジェの卵「ジャーニー・イン・ジュエル」がレセプションの前に展示されている。リージェントとファベルジェのコラボレーションの一環として作られたものだそうで、数百万ドルを投じたこの新造船のアートコレクションにおける至宝といえよう。さらに、上級クラスの客室にはピカソをはじめとした絵画がさりげなく飾られているなど、船内のインテリアと一体となったアートコレクションが上質なクルーズライフに華を添えている。

Enjoy Every Moment
〜美しいインテリアと美食のマリアージュ〜


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(1)クリスタルと木を組み合わせることでガラスの森のような神秘的な空間を演出している「コンパスローズ」。(2)「コンパスローズ」の前菜、「トリュフ- ポテト パンナコッタ」は、トリュフとクリーミーなポテトムースにキャビアをトッピングした贅沢な一皿。(3)濃厚なソースが食欲をそそる「ロブスタービスク」。(4)専属のパティシエがその日の料理に合ったデザートを作り上げる。スイーツと共に珈琲や紅茶をいただきながら時間を気にせず食後の時間を過ごせるのがうれしい。(5)「コンパスローズ」ではヴェルサーチのショープレートがセットされている。(6)日本料理を含むタイや中華料理などバラエティ豊富な「パシフィックリム」は乗船ゲストに大変人気のレストラン。(7)ボリューム満点の上質なステーキが楽しめる「プライム7」はニューヨークのステーキハウスのような重厚な雰囲気。(8)見た目にも華やかな「ステーキタルタルとキャビア」。どの料理も期待を超える美味しさでゲストを楽しませてくれる。(9)「シャルトリューズ」を含めたスペシャリティレストランにはバーカウンターがあるので、優雅なディナータイムを過ごすことができる。(10)船内のバーではバーテンダーや居合わせたゲスト同士で会話が弾む。(11)シガーバー「コノサークラブ」は最高級レザーのソファーが用意されていて、つい長居してしまう心地良い空間。(12)窓辺の席や外のテラス席などで絶景を眺めながら食事を楽しむのは船旅の醍醐味といえる。

セブンシーズ グランデュアーが誇るアートに包まれた美しい空間は、レストランにも共通している。船内には6つのレストランがあり、予約が必要なスペシャリティレストランは、モダンフレンチ「シャルトリューズ」、アジアンフュージョン料理「パシフィックリム」、ステーキハウス「プライム7」の3つ。予約不要のメインダイニング「コンパスローズ」は、森の木々をイメージしたインテリアと柔らかな照明によって、おとぎの世界に迷い込んだかのような幻想的な空間で食事を楽しむことができる。

優雅な時を愉しむ

セブンシーズ グランデュアーを含むリージェント セブンシーズクルーズでは、美食やウエルネスやその土地でしか体験できない特別な寄港地ツアーを提供していて、そのほとんどはクルーズ代金に含まれる。しかし、真のラグジュアリークルーズの魅力は船内で過ごす自由な時間だ。「オブザベーションラウンジ」は、日中は舳先から大海原を眺めて過ごせ、夜にはピアノの演奏を聴きながらグラスを傾け、心から船旅を満喫できる場所だ。また、「ライブラリー」には、様々なジャンルの写真集や図鑑などが収蔵されていて、窓辺の席に座り静かに読書をするのもいいだろう。「コノサークラブ」は心地の良いレザーの肘掛け椅子が用意され、モダンアートと重厚なインテリアに囲まれたシガーバー。ここには非日常の上質な時が流れている。
数日過ごすうちに、レストランやバーでは好みのカクテルやどのように過ごしたいかに合わせてスタッフがサーブしてくれるようになる。また、本格派カフェ「コーヒーコネクション」で「チャオ!」とバリスタに挨拶すれば、好みのコーヒーを淹れてくれるなど、スタッフとの心地よい距離感は、他のクルーズシップでは味わえないこの船最大の魅力かもしれない。乗船ゲストの多くがリージェント セブンシーズクルーズのリピーターであり、新造船セブンシーズ グランデュアーのデビューのニュースを聞いてすぐに予約したという方が多くいるのは当然だろう。リージェント セブンシーズクルーズが細部にまでこだわり抜いた究極の集大成=セブンシーズ グランデュアーには、ラグジュアリークルーズの本質が全て備わる。

Information

リージェント セブンシーズクルーズ
https://jp.rssc.com/

Route to New York
モントリオール発ニューヨークへ、多彩なエクスカーションを楽しむ


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(1)(2)(3)クルーズ6日目の寄港地、シドニーはカナダの北東部に位置するケープ・ブレトン島の中心地。スコットランドのハイランド地方によく似た地形で「世界で最も眺めの美しい島」としても知られている。(4)出港地のモントリオール港の周辺は遊歩道や運河が整備されている。モダンなデザインのクルーズターミナルはこの街の観光スポットでもある。(5)歴史的な建物と近代的なビルが共存するボストンの街並み。(6)(7)(8)アメリカが黄金の時代と呼ばれた19世紀から20世紀初頭に、財を成した超富豪達が競って別荘を建てたアメリカのロードアイランド州ニューポート。なかでも、鉄道王ヴァンダービルド家が建てた大豪邸「マーブル・ハウス」は現在、観光客用に開放されている。書斎や寝室、大広間など50室もの豪華絢爛な部屋は当時のインテリアをそのまま残している。(9)ニューポートに建つ邸宅の一つ「ザ・ブレーカーズ」は、13エーカーの敷地に家族とスタッフ用の寝室48室を含む70室の部屋があり、暖炉は27個ある。(10)(11)ニューヨークのグラウンド・ゼロ周辺は、ランドマーク的な場所に生まれ変わった。ワールドトレードセンター駅として誕生した「オキュラス」は、洗練されたフォルムと構造美を兼ね備えている。(12)ザ・フィフス・アベニュー・ホテルのアートコレクション、Alana Airitamによる作品「Queen Mary(2017)」。黒人アメリカ人の精神性を表現しているこの作品は、多様性と寛容の国アメリカを象徴している。

モントリオールを出港したセブンシーズ グランデュアーは、ケベックやカナダ北東の小さな街にいくつか寄港して、ニューヨークを目指して大西洋を南下する。セブンシーズ グランデュアーのエクスカーションは、その土地の魅力に触れることができるコースが多く用意されていて、急ぐことなくゆったりと街を観光することができる。世界遺産にも登録されているフランス植民地時代の趣が残るケベックでは、専属ガイドと共に旧市街を散策するツアーに参加した。同じくケベック州のサグネでは、トレッキングやカヤックで大自然を満喫。年配の方や足の不自由な方には観光名所をツアーバスで巡るコースもあるので十分楽しめる。
航路がアメリカに入ると、船上から見える景色が一変する。ロックフェラー家をはじめとする豪華な邸宅があるロードアイランド州のニューポートは、港にヨットやメガクルーザーが停泊していて、アメリカの超富裕層が所有する別荘地といった趣の静かで美しい港町。
最終寄港地のニューヨークでは、帰国前のひと時をアートギャラリーやモダンなデザインの建築物を鑑賞して過ごし、アート(芸術)と共に旅するセブンシーズ グランデュアーでの優雅なクルーズを締めくくることにしよう。

The Fifth Avenue Hotel
ザ・フィフス・アベニュー・ホテル
NYマンハッタン5番街に誕生したデザインホテルで優雅な船旅の余韻に浸る


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(1)優雅で落ち着いた空間のエントランスロビー。マーティン・ブルドニツキ・デザイン・スタジオによってデザインされた、ラグジュアリー&アートなホテルの象徴といえる。(2)「マンションスイート」の部屋には、優雅なリビングスペースと快適なベッドルームが備わる。(3)どのタイプの客室もクラシカルな雰囲気とモダンで明るい色調でまとめられている。「ザ・フィフス・アヴェニュー スイート」の窓からは、マンハッタン5番街の様子が眼下に広がる。(4)ホテル全体に600点を超えるユニークなアート作品があり、驚かされる。ゲストが五感を使って刺激を感じられるような雰囲気を作り出している。(5)マホガニーの木の壁や床と、たくさんの絵画が印象的な「ポートレートバー」。(6)(7)シェフのアンドリュー・カルメリーニにちなんで名付けられたカフェ「カルメリーニ」では、洗練された料理と共にカクテルやシャンパンを楽しむニューヨークスタイルのブランチがおすすめ。

19世紀初頭に建てられた上級階級の邸宅を改装した5階建てのルネサンス様式の建物と、24階建てのモダンなガラス張りの棟によって構成されたザ・フィフス・アベニュー・ホテルは、ニューヨークの輝かしい時代の歴史を見守ってきた歴史的建造物を、アートとデザインによって蘇らせた新たなスタイルのホテルだ。
閑静な佇まいのエントランスの先に広がるのは、まるでプライベートレジデンスのような重厚感漂うロビー。そこには、アンティークの家具や天井に輝くシャンデリア、そして壁には色鮮やかなタペストリーが飾られている。これは、ザ・フィフス・アベニュー・ホテルのコレクションの一つで、女性アーティストのパエ・ホワイトによる作品「Bugz & Drugs(2023)」。ホテル内には他にも、バーや客室にセンスの良いアート作品が飾られ、パブリックスペースや客室は、色彩溢れるカラフルなインテリアや壁紙で設られていて、心躍るような滞在となる。
また、館内には隠れ家的な存在の「ポートレートバー」がある。さまざまな書籍や絵画に囲まれて過ごすライブラリーといった趣で、仲間と会話を楽しむニューヨーカーの姿やアーティスト、旅人などがザ・フィフス・アベニュー・ホテルの世界観に浸って過ごしている。優雅な船旅を終えて、帰国前のひと時を過ごすにはこれ以上ない理想の宿と言えるだろう。

Information

The Fifth Avenue Hotel

1 West 28th Street New York, NY 10001
TEL +1 212-231-9400 https://www.thefifthavenuehotel.com/

取材協力:ニューヨーク市観光会議局
www. nyctourism.com