Taiwanese Philosophy of Beauty
百花繚乱
東洋の美意識が咲き誇る

幾たびも訪れるうちに、その懐の深さと研ぎ澄まされた美意識に魅せられる台湾。
また、歴史の中で培われた包容力とおおらかな国民性は、日本人にも親しみやすい。
洗練されたデザインと芸術性を随所に感じるラグジュアリーホテルからグルメ、そしてアジアを代表するハイエンドファッションやアートに秘められた台湾の魅力をご紹介しよう。

撮影:大橋マサヒロ
協力:エバー航空

Taiwan Fashion
SHIATZY CHEN


新作のコレクションが飾られている「夏姿陳 台北中山旗艦店」のショーウィンドウ。SHIATZY CHEN のアイテムは、洗練された西洋の美意識と気品を纏う東洋の世界観によって世界や性別を超えて支持されている。

創業以来、「新中式優雅(Neo-Chinese Chic)」という独自の美学を守り続けてきたSHIATZY CHEN の魅力を探る。

世界中を飛び回る多忙なスケジュールにも関わらず、優雅でインスピレーションに満ちた毎日を送る秘訣を、創業者で現デザイン総ディレクターを務めるシャッツィ・チェンさんに伺う機会を得た。場所は台北の高級ブランドエリアの中山北路に建つSHIATZY CHENのフラッグシップショップ「夏姿陳台北中山旗店艦」。そこは、東西の粋を極めた美の宮殿。

クリエイティブ・ディレクター
王陳彩霞(シャッツィ・チェン)さん インタビュー


シャッツィ・チェンさんはインタビュー中も笑顔を絶やさず、周囲は和やかな雰囲気に包まれる。ファッション業界の枠に収まらず、他人に幸せを与えてくれる素敵な女性。

― どのようなきっかけで、ファッションに目覚めてデザイナーを目指したのでしょうか?
「幼い頃からファッションには興味ありました。特にイタリア、フランスのデザインやセンスには刺激を受けました。ただ、そのようなヨーロッパのブランドをそのまま取り入れるのでは意味がないと当初から考えていました。人それぞれにルーツや個性があるので、自分の生まれたアジアの歴史や伝統を自由に発信できるファッションで表現したくてブランドを立ち上げました。
中華圏には長い歴史があり、豊かな文化があります。ファッションは世界とのコミュニケーションの手段でもあり、東洋の文化を世界中に伝えることができます。刺繍や翡翠を用いた独自の技法や文化の継承、そして西洋のクラフトマンシップとアジアの伝統的な技法を取り入れたスタイルを追求しようと考えました」

― 独自の世界観で作品を表現していますが、何からインスピレーションを受けていますか
「もともと旅が好きなので、世界を巡って先人の知識や知恵を肌で感じることです。旅先では時間を見つけてアンティークショップや博物館、遺跡に足を運びます。雑誌や本からも刺激をもらいます。大好きなのはフランスのパリです。毎年、パリコレクションで新作を発表していますので、パリではさまざまな人たちと会って刺激をもらって情報を交換します。また、毎年夏のバカンスにはイタリアのコモ湖で過ごします。そのように西洋のライフスタイルを吸収しながら、東洋の文化や歴史をファッションに反映させるアイディアを常に考えています。そして、世界中の人たちにラブレターを送る気持ちで毎年コレクションを発表しています」

― 長くファッション業界の最前線で活躍し続ける秘訣は
「失敗を恐れず自分に忠実でいることです。そして他人に対して優しい心を持ち続けること。デザインやブランド創造にもその理念が反映されています。自分に忠実であれば、価値ある影響力を持つ作品を創造できると信じています」

― 今後の展望をお聞かせください
「ブランド創設当初からSu Embroidery Studio というグループと協業して、古代中国の刺繍「蘇繍」の技法を守る活動を行なっています。SHIATZY CHEN のファッションと共に台湾の文化や伝統を進化し継承することに使命を感じています」

この日は、北京や東京のスタッフを招いてシャッツィ・チェンさん主催のミーティングディナーが 「采采食茶 CHA CHA THÉ」で開かれた。このお店はシャッツィ・チェンさんが台湾茶と食文化の継承と発展のためにオーナーを務める。ご自身でアレンジされたお花がテーブルを彩り、華やかなインテリアと洗練された料理の数々。誰もが幸せになる素敵な宴から「他人に対して優しい心を持ち続ける」シャッツィ・チェンさんの人柄が伝わってきた。


モダンオリエンタルスタイルと西洋のクラフトマンシップが融合したSHIATZY CHEN のハンドバッグ。中国五大刺繍の「蘇繍」や翡翠によって、身に纏った美しさが際立つ。

SHIATZY CHEN
2024秋冬コレクションのテーマ ― 「墨沫」。





東洋芸術や書道に欠かせない筆墨硯紙で物語を紡ぎ出す。
墨を磨り、墨黒に染めた水は雨のように、川のように、または海のように、変幻自在に広がり、濃淡を重ねている。服装とバッグに墨の花の刺繍を綴り、墨の暖かな色味と翡翠の温もりを表現し、東洋芸術の奥深さを感じさせる。
メタリック素材の刺繍糸とリボン、黒のタッセルやボアで墨流しの躍動感とドラマティックを表現する。

SHIATZY CHEN
世界が認めるネオチャイナ・シック


(1)


  • (2)

  • (3)


(4)

(1)「自分に忠実であること」がいちばん大事なこと、と語るシャッツィ・チェンさんの想いが凝縮しているフラッグシップショップ「夏姿陳 SHIATZY CHEN 台北中山旗艦店」を案内していただいた。
(3)・(3) 世界的なインテリア デザイナーのジャヤ・イブラヒム氏によってデザインされたモダンなビルは、西洋スタイルとバラモン様式、さらには南宋時代の建築美が巧みに融合する。
(4)「采采食茶 CHA CHA THÉ 」での夕食会では、シャッツィ・チェンさんが周囲のスタッフと和やかに談笑する姿が印象的。

Information

夏姿陳 SHIATZY CHEN 台北中山旗艦店

台湾台北市中山区中山北路二段49 -1号
TEL +886 2-2542-5506

SHIATZY CHEN ザ・ペニンシュラ東京店

東京都千代田区有楽町1-8-1 ザ・ペ ニンシュラ東京1階
TEL 03-6212-2878
https://www.shiatzychen.com/#/

「采采食茶 CHA CHA THÉ」

厳選された台湾茶やお茶菓子をゆっくり選ぶことができる洗練された空間。台湾を中心に、上海や蘇州にも店舗を構える。シャッツィ・チェンさんも毎日食すという燕の巣入りの琥珀色で美しいゼリーをはじめ、季節限定のオリジナルのお茶菓子を購入できる。店内には、中華とフレンチのフュージョン料理を味わえるレストランスペースもある。

Information

采采食茶 CHA CHA THÉ

台湾台北市大安区復興南路1段219巷23號1樓
TEL +886-2-8773-1818
https://www.chachathe.com/

Taiwan Art
高貴な輝きに魅了される唯一無二の硝子アート


(1)


  • (2)

  • (3)

(1)6匹の金魚が天に向かって泳ぐイメージの作品。「In Unity(共進)」Price:59,500 TWD。
(2)LIULI 琉璃工房の創業者でありアーティストのロレッタさんは、キャリアの絶頂期に映画俳優から身を引き、自身の芸術的才能と中華圏の伝統的な芸術と哲学を硝子工芸に込めた作品を制作して、硝子芸術家の地位を確立した。
(3)滑らかで丸みを帯びたフォルムは万物の調和がとれた状態を表現している。「The Beauty of Harmony(和美)」Price:6750 TWD。

LIULI 琉璃工房
透明感溢れる美の世界を創造

伝統と現代的な表現が融合する新たな硝子アートの世界を創造してきた LIULI 琉璃工房の根幹には、常に世界平和への願いや命の尊さといった深いメッセージが込められている。

無機質なガラスに魂を与え、繊細で優美なフォルムに仕上げてモダンアートへと昇華させたのがLoretta H.Yang(以下、ロレッタ)さん。台湾ではとても有名な映画俳優だった彼女が何故、硝子アーティストへと転身し、ギャラリーを構えるようになったのか。それは、彼女の最後の出演映画「我的愛」の舞台デザインの為に、世界中から硝子の芸術作品を集めたことがきっかけとなった。
「世界にはたくさんの素晴らしい硝子の芸術作品があるのですが、残念なことに中華圏ではそのバリエーションが非常に少ないことに気づきました。我々には深い歴史や豊かな文化が継承されているので、それらを硝子アートで表現しようと始めたのが LIULI 琉璃工房なのです。」とロレッタさんは語る。
1987年創設のLIULI 琉璃工房は、ロレッタさんと彼女の夫で映画監督だったChang Yi(張毅)さんが、映画「我的愛」の中でヒロインの家を愛の尊さと素晴らしさを表現する為に硝子アートで飾ったことがきっかけだった。その後、1991年には台北故宮博物館附属の現代美術館で特別展を開催し、アメリカ、イタリア、ドイツで巡回展を開催するまでになる。1995年には日本の奈良薬師寺に如来像「薬師瑠璃光如来」を奉納して話題となる。今日ではヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)やミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン(ニューヨーク)などに、LIULI 琉璃工房の作品が展示されている。

LIULI 琉璃工房


(1)


  • (2)

    (4)

  • (3)

    (5)

(1)心の中に咲く花を詩的に表現した作品。「Bloom of a New World(早山一枝 春)」Price:2,200,000 TWD
(2)有形の硝子の中に無形の空間を創造して、仏教の「無我」の概念を独自の解釈で表現。「Golden Glow of Enlightenment(金光 明菩提願)」 Price:3,060,000 TWD
(3)花が宿す一瞬の生命力の尊さと禅思想の無常感、そして悟りの境地を透明な硝子に例えた作品。「Lotus Consciousness(荷之醒) 」Price:2,200,000 TWD
(4)LIULI 琉璃工房の歴史や複雑で大変手間のかかる工程を解説していただいたジャクリーン・ペンさん。上品なLIULI 琉璃工房のペンダントが胸元を飾る。
(5)LIULI 琉璃工房の歴史を伝えるパネルや作品が飾られている新光三越内にあるギャラリー。

儚くも強靭な硝子に吹き込まれた永遠の命

LIULI 琉璃工房の作品を実際に目にすることができるのが、台北の新光三越内にあるギャラリーだ。ここでは、常時200点以上の作品が展示販売されていて、LIULI 琉璃工房の歴史や世界観を説明していただきながら鑑賞することができる。この日は、副ブランドディレクターマネージャーのジャクリーン・ペンさんにお話を伺うことができた。「LIULI 琉璃工房には3つのラインがあり、1つ目のラインは「LIULI Collection」。家庭を彩るアート作品です。作品の根底には、世界平和への願いや命の尊さといった深いメッセージが常に込められています。2つ目のラインは「LIULI LIVING」。ワイングラスや食器など、日常生活で使える実用性の高いデザインで、インテリアとしても日常的に楽しめます。3つ目のラインは「LIULI PLUX(プラスラグジュアリーの意味)」。女性が身に着けると心身ともに幸せになれる、ラグジュアリーなジュエリーデザインです」とジャクリーヌさんは説明する。
近年では、世界的な海洋保護団体「オーシャナ(Oceana)」と共に海洋生態の保護および再建への活動に力を注いでいるという。そのことはLIULI 琉璃工房が求める「人に影響を与える作品を永遠に創作していく」ことと繋がっている。2014年には、この活動に賛同して寄付をした映画俳優レオナルド・ディカプリオ氏にLIULI 琉璃工房がデザインしたトロフィー「順勢承気聚悦来」を授与した。このようにロレッタさんは、硝子芸術家としての豊かな人生遍歴と共に東洋の文化や芸術が秘める素晴らしさを表現し続けている。

Information

LIULI 琉璃工房

台湾台北市信義区松寿路9号新光三越
台北信義広場 A9 B1
TEL +886-2-8780-5752
TW: https://www.liuli.com.tw/
USA: https://www.liuliusa.com/

Taiwan Hotel
賓客を迎えるに相応しい東西の美を極めた珠玉のプライベート・ステイ
Mandarin Oriental Taipei
マンダリン オリエンタル 台北


(1)

(2)

(3)

(1)天井に輝くチェコ製クリスタルのシャンデリアと孔雀のステンドグラスが出迎えるエントランスホール。
(2)ネオクラシックをテーマに、世界中の家具や調度品がマンダリンらしさを醸し出すスイートルームのリビング。
(3)宿泊ゲストのみが利用できるガーデンプールは水温調節されていて都会のオアシスのような気分にさせてくれる。

Mandarin Oriental Taipei
マンダリン オリエンタル 台北


  • (1)

  • (2)

  • (3)

  • (4)

  • (5)

  • (6)

  • (7)

  • (8)

  • (9)

  • (10)

(1)上質で優雅な空間の寝室は、草木を立体的に型押しした壁紙で上品に設えられている。
(2)広々としたドレッシングルームの床には大理石が使われていて、その先にはゆったり浸かれるバスタブが備わる。
(3)マンダリンが誇る広東料理のレストラン「Ya Ge」の料理「蟲草花水鴨燉花膠」は、魚の浮袋の食感を生かしたスープ。
(4)「XO 醬焗龍蝦」ロブスターのXO醬ソース。
(5)「珊瑚百合燴玉環」蟹の身を冬瓜に入れて卵白で煮込んだ一品。
(6)広東料理のレストラン「YaGe」の内観。
(7)上級クラスに滞在のゲスト用ラウンジでは、アフタヌーンティーやアペリティフが楽しめる。
(8)イタリアンレストラン「Bencotto」のワインセラーを備えるプライベートルーム。
(9)すべての客室は、西洋の洗練されたファブリックと東洋の気品溢れる調度品が見事に調和している。
(10)ホテルを取り囲むような緑豊かなロケーションが、快適な滞在を約束してくれる。

世界のセレブリティを魅了する特別な滞在

台北の松山空港から車で約5分で到着するマンダリン オリエンタル台北は、贅を尽くした豪華な装いで賓客を迎える、台湾を代表するファイブスターホテルだ。世界中のVIPを迎えるに値するプライバシーを重視した設計と奥ゆかしいおもてなしは、マンダリンホテルならではといえよう。
まず、ゲストが車寄せに到着したところから、夢のような滞在が始まる。壮麗な宮殿のような建物に出迎えられて、エントランスの扉が開く。目に飛び込んでくるのは5万ピースのチェコ製クリスタルのシャンデリアと、一対の高い背もたれのチェア、さらにその先には色鮮やかな孔雀のステンドグラスが輝いている。館内には1700点以上のアートが飾られていて、東西の美と叡智を結集したようなインテリアに感嘆する。
特注のシャンデリアが灯る客室のベッドルームの壁紙には、草木のデザインが施され、細部に至るまで美意識が宿る。303室(うちスイートは47室)の全客室にウォークイン・クローゼットや独立したパウダールーム、ゆったりとした大理石のバスルーム、部屋のドアを開けずにランドリーおよびデリバリーサービスを利用できるバレット・ボックスも完備している。そこに身を置くだけで夢見心地にさせてくれる木製家具やファブリックに囲まれて、滞在するゲストに心から寛げる幸せな時間をくれる。
アンダーズをはじめ世界のラグジュアリーホテルのインテリアを手掛ける台湾出身のトニー・チー氏が内装を担当したレストラン「Ya Ge(ヤグ)」は、2024年の「ミシュランガイド台北・台中・台南・高雄版」にて、7年連続で星を獲得している。地産食材を中心にしたオーセンティックな中華料理や点心を、優雅な雰囲気の中で楽しむことができる。
マンダリンホテルならではのラグジュアリー感と台湾スタイルのホスピタリティー、そして最新の設備が整うマンダリン オリエンタル 台北は、台湾のラグジュアリーホテルに新たな伝説を創造している。

Information

マンダリン オリエンタル 台北

台北市松山区敦化北路158号
TEL +886-2-2715-6888
http://www.mandarinoriental.co.jp/taipei

洗練された都会のオアシスで美食と快適な滞在を叶えてくれる
Taipei Marriott Hotel
台北マリオット・ホテル


(1)


  • (2)

    (4)

  • (3)

    (5)

(1)落ち着いた雰囲気に包まれて優雅に暮らすような滞在ができるスイートルームの客室。一面の窓の外には、台北松山空港と台北の街並みが見渡せる。
(2)中華レストラン「The Dining Place 宴客樓」では、蔡英文さんの総統就任の晩餐会で料理を担当した洪福龍氏が腕を振るう。
(3)釘を使ってまるで水墨画のように製作された作品など、モダンアートが館内を彩る。
(4)中庭に面した「Garden Kitchen」は、木漏れ日が心地いいリゾート感溢れるレストラン。
(5)ホテル内に展示されている美術品のコレクションは、モダンアートからアンティークな調度品まで多岐に渡る。

Taipei Marriott Hotel
台北マリオット・ホテル


  • (1)

  • (2)

  • (3)

  • (4)

  • (5)

  • (6)

  • (7)


(8)


  • (9)

  • (10)

(1)約200平方メートルの豪華なプレデンシャルスイートはこれまで数々のVIP を迎えてきた。
(2)・(3)・(4). モダンな雰囲気の客室はとにかくリラックスして寛げることを最優先にデザインされている。ゆったりとしたバスタブとレインシャワー、そしてダブルの洗面台はスイートクラスの客室に備わる。
(5)中華レストラン「The Dining Place 宴客樓」の料理。「カラスミ食べ比べセット」は要予約。
(6)「菊の花豆腐スープ」は、見た目も華やかで、繊細な食感と深い味わいは忘れられない一品。
(7)「特製ロブスター麻婆豆腐」は、蔡英文さんの総統就任の晩餐会に出された特別な料理。
(8)中華レストラン「The Dining Place 宴客樓」のプライベートルーム。
(9)・(10). ホテルの20階に位置する「INGE’S BAR & GRILL」は50 Best Discovery ランクイン常連のバーで、台北のパノラマビューと共に都会的な夜を演出してくれる。

特別な景色を楽しみながら暮らすような滞在

台湾最大のテクノパークと呼ばれるエリアに位置する台北マリオット・ホテルの周囲は、都会的な街並みとなっており高級レジデンスが建ち並ぶ。ホテルの高層フロアからは台北市内を流れる基隆河や台北松山空港が見渡せて、さらにその向こうには台北101ビルなどの高層ビル群の眺望が広がる。
客室は低層フロアのガーデンタワーと高層フロアのスカイタワーに分かれている。広々とした室内は無駄な装飾を廃したナチュラルモダンなインテリアでまとめられていて、落ち着いて過ごすことができる。一面の大きな窓からは、台北市街の眺望を楽しめる。
館内には、多彩なレストランやバー、フィットネスジムやスパ、屋外プールなどがあり、モダンアートやアンティークな調度品がさりげなく配されている。フロントロビーには、この国の国立公園の動植物を描いた風景が壁に描かれていて、訪れる者に癒しを与えてくれる。さらに、ロビーラウンジには「Red Cliff」と名付けられた40万本の釘で描かれた水墨画のようなアート作品が飾られている。また、館内には故宮博物館のミュージアムショップ「Museum Garden」が併設されていて、アンティークや翡翠などの台湾を代表するジュエリーが展示販売されている。
台北マリオット・ホテルは、実は美食のホテルとして定評がある。元総統の蔡 英文さんの就任晩餐会の料理を担当したシェフが腕を振るうホテル3階の中華レストラン「The Dining Place(ザ・ダイニングプレイス)宴客樓」では、その晩餐会に供された料理をいただくことができる。ここでは、ぜひ本格台湾・広東料理を個室で楽しみたい。他にも日本料理から洋食まで質の高いレストランが揃っている。20階にはオープンエアから望む夜景が自慢のバー「INGE’S BAR & GRILL」がある。「INGE’S」という店名は、このホテルのオーナーが以前会社を興した際に大変世話になったドイツの世界的スポーツメーカーの社長のお嬢さんの名、INGEに由来しており、その恩を忘れないようにと名付けたのだという。
スパや屋外プールのある19階にはエグゼクティブラウンジがあり、朝食からアフタヌーンティー、さらにはイブニングスナックの用意があるので、時間帯を問わずゆったりと過ごせるのがうれしい。都会のオアシスのような台北マリオット・ホテルでは、肩肘張らずに暮らすような滞在が可能だ。

Information

台北マリオット・ホテル

台北市中山区楽群二路199号 TEL +886 2-8502 9999
https://www.marriott.com/en-us/hotels/tpetm-taipei-marriott-hotel/overview/