100年の歴史を持つ老舗メーカー 現在83%のオーガニック認証を得る

100%オーガニックに移行すること、それは非常に大変なことで、それを実行するにはとても勇気がいることなのです。気候の変化によって様々な問題が発生しますが、決めたら勇気をもってそれに突き進むのがメゾン・テルモンです。テルモンの畑は防腐剤、除草剤、化学肥料を使いません。素晴らしいワインが出来るということは大地が美しいということに他ならないからです。テルモンはすでに100年の歴史を持つメゾンですが、私達は、100年の歴史を持つスタートアップの企業と同じだと思っています。「In the name of mother nature(母なる自然の名のもとに)」を掲げ、シャンパーニュメーカーとしては最もサステナビリティを推進しているメゾンと言えるでしょう。私たちは今までシャンパーニュメーカーの誰もがやってこなかったことに挑戦しています。まず畑の中で生物多様性を実現させます。そして第二に自然農法に切り替えていきます。三番目に二酸化炭素の排出量の削減に取り組むため、ボトルやパッケージへの取り組みがあります。まずボトルの重量を平均835gあるものを800gに削減しました。これはシャンパーニュ業界で最も軽いボトルになります。これまでのクリアガラスのボトルも今後は再生ガラスを使用する予定です。またテルモンはギフトボックスを全て廃止しました。ベストパッケージはノーパッケージであるということです。これで8%の二酸化炭素を削減できます。そしてテルモンのラベルには多くの情報が書かれています。年代はもちろんブドウの品種、砂糖の量まで詳しく情報が書かれ、ナンバリングもされています。ウイスキーのボトルに書かれているような情報をシャンパーニュで初めて実現しました。伝統と改革の両方を大地でおこなっているのです。現在は所有する畑の83%のオーガニック認証を受けています。

レオナルド・ディカプリオ氏も賛同した「緑の革命」を今後も推進

テルモンは口に含んだときに感じるそのボディは決して重くはなく、軽やかなものであり、その後に豊かな香りが沸き立ってきます。それはとても複雑で味わい深いものです。テルモンの泡はとてもきめ細やかです。フルーティーでありフレッシュ、かつ熟成感を感じさせます。相反するものが調和し、両立しています。これは我々の造る全てのシャンパーニュに共通するもので、我々の哲学となっています。
このメゾンを購入する際に必要だったことはまず100年以上の歴史があること、伝統を守る家族経営が続いていること、素晴らしいワインがそこにあること、すでにオーガニックへの取り組みを始めているということでした。(オーガニック認証の達成率2025年100%目標)テルモンはそれに見事に合致していました。レミーコアントローは大株主であり、他に私、元々のオーナーであるベルトラン・ロピタル氏、そして私の古い友人であるレオナルド・ディカプリオ氏です。彼は我々が取り組んでいる「緑の革命」(グリーン・レボリューション)に心から賛同してくれたからです。現在日本で4種のキュベを発売していますが、年内に100%黒ブドウを使用した「ブラン・ド・ノワール」酸化防止剤無添加の「サン・スフル」を発売します。ドザージュの量も通常より抑えられているのが特徴です。ぜひその味わいを体験してください。

Profile

Ludovic du Plessis
ルドヴィック・ドゥ・プレシ

パリの大学を卒業したルドヴィック氏はドン・ペリニヨンとモエ・シャンドンで10年間勤務した後、2014年にグローバルディレクターとしてルイ13世コニャックに就任。フランスのブドウ園に根ざしたキャリアを持つルドヴィックは、2019年にメゾン・テルモンを発見する。彼はこのシャンパーニュ・メゾンと同様の価値観を共有するレミー コアントローグループを紹介。レミー コアントローは、2020年10月にメゾン・テルモンの過半数の株式を購入。代表となった彼の目標はテルモンのクラフトマンシップを守りつつ、オーガニック農法に専念することを目指す。テルモンのモットー「唯一無二であれ」に忠実であり続け、最高のシャンパーニュ造りを続けている。